「負けるが勝ち」の意味や由来とは?類語・事例に合わせた例文も

ことわざ「負けるが勝ち」を聞いて「負けがどうして勝つことになるの」と疑問を持ったあなた。今回は「負けるが勝ち」の意味と由来のほかに類語も解説します。また事例ごとに「負けるが勝ち」の使い方と例文を紹介して、英語表現も説明します。「負けるが勝ち」は使う機会の多いことわざのひとつですので、ご参照ください。

「負けるが勝ち」の意味と由来

「負けるが勝ち」とは「勝ちを譲ることで結果的には勝利につながる」

「負けるが勝ち」とは、相手との争いであえて争わず、相手に勝ちを譲り負けたことにしておいた方が有利になって、結果として勝利につながるという意味のことわざのひとつです。

相手との争いで勝つことばかりに目を奪われていると相手を傷つけたり恨まれたりするかもしれません。そのような時は争うことを止めてみます。すると相手を立てることになり、その結果、相手からの信頼を得られて得をすることになるということがあります。

つまり「負けるが勝ち」とは、一度は負けたと見えたものの、実は勝利に結びつくという教訓を表したことわざです。

『江戸いろはかるた』で使われている

「負けるが勝ち」は古くは江戸時代から使われて、『江戸いろはかるた』の「ま」から始まることわざとしても用いられています。しかしこのことわざが何に由来しているのかは、わかっていません。

「負けるが勝ち」の類語

「逃げるが勝ち」は「相手を勝たせて得をする」という意味

「逃げるが勝ち」とは争わずに相手に勝ちを譲ったほうが得策になるという意味で、「逃げるが勝ち」と同義のことわざです。

「逃げれば勝ち」のような言い間違いに注意しましょう。

参照:「逃げるが勝ち」の意味や類語とは?人生教訓としての使い方も

例文

「逃げるが勝ちで、あんなひどい旦那とはさっさと別れた方がいい」

「三十六計逃げるに如かず」は逃げることを勧めることわざ

「三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)」とは中国の戦法に基づく古い教えが由来のことわざです。作戦にはいろいろあるものの、迷った時は形勢が不利になったと思った時には逃げたほうがいという意味です。逃げることで身の安全が保たれるという利点があるだけでなく、一度逃げておいて体勢を立て直して策を講じ直すという意味合いも含まれています。

この本来の意味から転じて、面倒なことからは手を引いた方がいいという意味でも使われています。

参照:「三十六計逃げるに如かず」の意味とは?語源は孫子ではない?

「負けるが勝ち」が使われる事例と例文

仕事や職場での「負けるが勝ち」

ビジネスではすぐ目の前の勝ち負けよりも長期的な目線での戦略や結果が求められることがあります。目前の小さな利益よりも、将来の大きな利益を得たほうがビジネスとして成功だと考えられるケースです。

例文

「こちらの提示した契約内容に取引先が応じないが、このまま交渉していても埒は開かないだろう。ここは負けるが勝ちで、相手の条件を飲んでみるという方向で契約内容を検討してみてはどうだろうか」

恋愛では「負けるが勝ち」で関係が続くことがある

恋愛では「負けるが勝ち」で二人の関係が良好に保たれるということがあるでしょう。それぞれが言いたいことを言い合って結論が出ないようなときに、片方が折れて相手を立てて争いが終わって二人の関係が続くというのはよくあることです。

人間関係を長続きさせたいのなら、勝ち負けを争うよりはお互いを思いやる気持ちが大切です。これは恋愛にも言えることです。部分的に負けたと思えても結果としてよかったのであれば、「負けるが勝ち」は恋愛を長続きさせる秘訣ではないでしょうか。

例文

「この間、彼氏と口げんかになってしまって終わりそうになかったから、悔しいけど負けてあげたんだよね。そうしたら喧嘩前よりも彼氏が優しくなったような気がするの。これって負けるが勝ちってこと?」

「負けるが勝ち」の英語表現

「負けるが勝ち」は「sometimes you have to lose to win」

「負けるが勝ち」という言葉を英語で表現するなら、「sometimes you have to lose to win.」でしょう。「時には負けるあなたが勝つ」という意味で、「時には」という意味の「sometimes」を付けることがポイントです。「sometimes」がないといつも負けていることになり、勝つという意味に繋がらなくなってしまうからです。

「負けるが勝ち」と同義の英語のことわざ

「負けるが勝ち」と同じ意味のことわざが英語にもあります。それは次のことわざです。

「負けるが勝ち」と同義の英語のことわざ

“Yielding is sometimes the best way of succeeding.”
「譲歩も時には成功のための最高の方法だ」

「負ける」ではなく「譲歩」という意味の単語「yielding」が使われているのが日本語と英語のことわざの違いと言っていいのではないでしょうか。

「yield」という単語は聞き慣れない英単語かもしれませんが、譲歩するという意味のほかに、生む引き起こす、さらに圧力に負けて明け渡す譲渡するといった意味もある言葉です。

まとめ

「負けるが勝ち」とはあえて負けたほうが有利になるという意味のことわざで、「逃げるが勝ち」ということわざ同様、よく使われています。あえて目の前の勝利を逃し相手を勝たせることで、長期的に見たときには自分が勝つという戦略的な教えを意味することわざです。

人と争って困った時には、このことわざを思い出してみてはいかかですか。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。