「手口」の意味とは?例文・類語や株式での「手口情報」も解説

「手口」という単語は、「侵入手口を調べる」「悪質な手口だ」など犯罪等に用いられる以外に、「先物取引の手口情報」など株式用語としての側面もあります。本記事では「手口」の詳しい意味と共に、その使用例・例文を紹介しました。あわせて、類語・英語訳など「手口」の関連用語についても触れています。

「手口」の意味とは

「手口」とは「悪事などの方法・手段」を意味する

「手口(てぐち)」とは、「犯罪などのやり方」「悪事などの手段」を意味します。「犯罪のやり方の特徴」という意味で用いられることもあります。「手」と「口」という単語を用いていますが、その内容を問わずあらゆる「犯罪のやり方」に対して用いられる表現です。

株式で「手口」とは?

株式用語では「取引所における売買の内容」の意味

「手口」にはもうひとつ、株式用語としての意味があります。「取引所でどの証券会社が、どのような銘柄をどれだけ(何株)売り買いしたのか」という「取引所における業者の売買の内容」を指して「手口」と言います。

先物・オプション取引の手口情報とは?

「手口情報」とは、株式取引や先物取引などにおいて、「どの証券会社がどの銘柄にどれだけの売り(または買い)を行ったか」を示すデータのことです。「先物・オプションの手口情報」などの表現でもよく用いられます。たとえば、「先物手口情報から先行きを読み取ることができる」などといった使い方も可能です。

なお、この「手口情報」はかつては個別株の取引情報が公開されていましたが、現在では非公開です。そのため「日経225先物・オプションの手口情報」として証券会社毎に日経225(主要225銘柄)の数量を知ることができるようになっています。中でも、外資系の証券会社の「手口」は海外の投資家の動きを読み知る手段として注目されやすいのが特徴です。

「手口・建玉情報」は取引約定後に残っている未決済分のこと

「手口情報」だけでなく、「手口・建玉情報」という表現が用いられることがあります。この「建玉(たてぎょく)」とは、先物取引やオプション取引において、取引約定後に残っている未決済分を意味します。

「建玉」は「玉(ぎょく)」とも呼ばれ、その数は相場の動向によって増減することから、ひとつの目安とされています。

「手口」の使い方と例文

犯罪などの悪事に対して用いられる表現

「手口」は一般には、犯罪などの悪事について話題にする際に用いられます。「良い行い」やそのための方法を指して、「手口」と表現することはできません。たとえば、「これが彼女の手口だ」というと、犯罪とまではいかなくても良からぬ事柄を連想させる表現となります。

「手口」を使った例文

  • 侵入手口はいまだに明らかになっていない。
  • 彼はいつもの手口でお金を要求してきた。
  • ほしいものをねだる際の娘の手口と分かっていても、つい甘くなるのが父親だ。
  • 家事をすべてこなした上で小遣いをねだるのが夫のいつもの手口だ。

「手口」の類語

「手口」と似た意味の表現は「やり方」「手立て」など

「手口」と似た意味を持つ単語には、「やり方」「手段」のように何かを行う方法を意味する表現が挙げられます。たとえば、「手立て(てだて)」には「目的を達成しようとする手段」という意味があり、類語のひとつといえるでしょう。また、「やり口」なども類似の意味を持つ表現です。

ただし、「手口」には犯罪などの悪い事柄に対してのみ使う点で異なると言えるでしょう。

類語の「手法」との違い

「手口」と同じ「手」を使った単語に「手法」があります。「手法」とは、「物事のやり方」を意味する表現ですが、特に「芸術作品における技術」という意味を持つ点が特徴で、物事を作る際に用いられます。たとえば、「犯罪テクニック」という意味では「手口」と「手法」のいずれも使うことができますが、場合によっては言い換え・置き換えには使えない場合もあります。

「手口」の英語訳

「手口」は英語で「trick」や「way」を使うことが多い

「手口」を英訳する場合には「trick」を使用することが多いでしょう。「trick」には「企み・ごまかし」や「手品」などの意味があり、たとえば「It’s one of his old tricks.」は、「これが彼のいつもの手口だ」と和訳することができます。また、「手口」を「やり方」という意味を持つ「way」を用いて表現することも可能です。

例文
  • a way of selling dishonestly(悪徳商法の手口)
  • the same old trick(いつもの手口)

まとめ

「手口」とは「犯罪など悪事の方法・やり方」という意味のほか、株式用語としての意味も持ちます。一般には悪い事柄・悪だくみに対して「手口」と使用しますが、株式用語としては証券会社の取引情報のことを指し「手口情報」などの表現で用いられます。この場合、悪だくみなどのネガティブなニュアンスはありません。