「送り状」とは?その目的と履歴書・請求書などシーン別書き方

ビジネスシーンで文書を送付する際には「送り状」を同封するのがマナーです。本記事では「送り状」の持つ意味や目的をはじめ、一般的な「送り状」のテンプレートのほか履歴書送付時の就活中の「送り状」についてもその書き方を解説しました。また、「送り状」を英語で書く場合の作成例についても記載しています。

「送り状」とは

「送り状」とは「書類等の郵送時に添付される書面」のこと

「送り状」とは、「書類や物品等を郵送する際に添付される書面・手紙」のことです。物品に添付される場合には、商品の数量・単価・合計額などが明細として記載されます。特に貿易においては、荷送人が荷受人に対して取引の明細を記す商用文書として「送り状」が用いられます。

ただし、ビジネスシーンで「送り状」という場合には、一般には書類を郵送する際につける書面ととらえてよいでしょう。本来、ビジネス書類の受け渡しは対面で行うべきところを何らかの事情で郵送する場合に、書類だけをやり取りするのではなく簡単な挨拶文を記した「送り状」と共に送付するのがマナーとされています。

「送り状」には中身を相手に伝える役割もある

一般的なビジネスシーンで用いられる「送り状」は挨拶状としての役割の他、同封した書類の内容を相手に伝えるという役割も担います。送付する書類の概要について記載したり、補足説明をしたりする役割も「送り状」にはあるのです。

「送り状」は「送付状」あるいは「添え状」とも呼ばれる

ビジネス文書の郵送時に用いられる「送り状」は、「送付状」あるいは「添え状」「送付案内状」などのネーミングでも用いられます。企業によって呼び名が多少異なるだけで、中身や役割に大きな違いはありません。

「送り状」の書き方・テンプレート

「送り状」の基本構成・例文

令和2年〇月〇日

株式会社〇〇
○○様

〇〇株式会社
営業部 ** **
〒000-0000 東京都品川区○○1-1-1
電話00-0000-0000

書類送付のご案内

拝啓
貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
早速ではございますが、下記の書類をお送りいたしますので、よろしくご査収くださいますようお願い申し上げます。

敬具

御見積書 1通

以上

「送り状」のタイトルは「書類送付のご案内」がベター

「送り状」はそのまま「送り状」のタイトルで作成する例もあるようですが、一般には「書類送付のご案内」や「御見積書送付のご案内」のように書類名を付したタイトルをつけることが多いでしょう。

なお、「送り状」はほかのビジネス文書同様に、作成年月日と相手先の社名・担当者名等を冒頭に記載します。続いて、作成者の氏名・連絡先を記載するのが通例です。また、本文は「拝啓」の頭語に始まり「敬具」の結び語で締めます。時候の挨拶ではなく、日ごろの感謝を記載するのみで問題ありません。

最後に「記書き」をつけて、肝心の書類の詳細・部数を記載し、「以上」で締めくくります。

「送り状」はA4サイズが基本

「送り状」は基本的にはA4サイズで作成します。ビジネスシーンで用いられる書類の多くがA4ですので、それに合わせる形をとります。企業の風習にもよりますが、クリアファイルに挟んで送付すると丁寧です。

就活中、履歴書送付などの場合は自己PR文を入れることも

就職活動中には、履歴書や職務経歴書の送付を求められることがよくあります。この場合ももれなく、「送り状」を用意します。「送り状」の有無が合否に大きく影響することはありませんが、相手への気配り・マナーとして必ず同封しましょう。

就活中の「送り状」は「応募書類の送付について」などのタイトルで、ほかの書類の場合と同様に、挨拶文のみの簡潔な内容で作成します。履歴書の内容を補足する意味合いで自己PR文を入れることもありますが、その場合でも長々と書くのではなく1~2文程度にとどめるのが望ましいでしょう。

例文

令和○年○月○日

○○株式会社
人事部 採用ご担当者様

〒000-0000
東京都品川区○○1-1-1
氏名
000-0000-0000

応募書類の送付について

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、貴社の採用情報を拝見し、下記の通り、応募書類を送付させていただきます。
ご検討の上、是非とも面接の機会をいただければ幸いでございます。
ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

・履歴書 1枚

以上

「送り状」を英語で作成する場合

英語の場合は差出人の社名をトップに書く

英語の「送り状」では、文書の冒頭に作成者の企業情報を記載するのが通例です。こちらの企業名・住所・連絡先などを記載し、その末尾に作成日を記します。

続いて、送付先の担当者名・会社名・住所が入ります。氏名の前には「Mr.」や「Ms.」をつけますが、性別が分からない場合には「Dear」や「To」の後にフルネームを記載して作成することもあります。

英語では「Dear」と「Sincerely」で結ぶのが通例

「送り状」の本文は、「Dear Mr.~~」で書き始めます。日本文でいうところの「拝啓~様」にあたる定型表現です。続いて、同封書類について「I have enclosed~(~を同封しました)」と説明します。
最後に、「If you have any questions or need further assistance, please feel free to contact us.(何かあればお気軽にご連絡ください)」としたうえで、「敬具」と同様の意味を持つ「Sincerely」で締めくくるのが通例です。

末尾には作成者の署名を記載する

英文の場合は冒頭でこちらの社名等を記載していますが、末尾に再度作成者の情報を記載します。手書きのサインをした後に、印刷で氏名・部署・会社名・会社の所在地等をプリントするのが通例です。

例文

ABC Corporation
1-2-3 ******, Shinagawa-ku, Tokyo ***-**** JAPAN
Tel: +81-○○○○ー○○○○

1 Oct, 20

Attn: Mr Brown, Sales Department
AAA Corporation
14 *** Street
Scotland

Dear Mr. Brown,

Thank you for your inquiry about our services.

I have enclosed our current brochure describing our range of programs.
I hope this will give you a clear picture of our solutions.
If you have any questions, please feel free to contact us.

Once again, thank you for your interest.

Yours Sincerely,

(直筆のサイン)
Taro Yamada
Sales Manager
ABC Corporation
1-2-3 ******, Shinagawa-ku, Tokyo ***-**** JAPAN
Tel: +81-○○○○ー○○○○

まとめ

「送り状」は一般に、ビジネス文書を郵送する際に用いられる添え状・挨拶状のことです。本来は直接会って交わすはずの挨拶を書面に代えたものともいうことができるでしょう。そのため、書類を直接手渡しするシーンでは「送り状」は同封しません。挨拶と書類の内容を通知するための書類ですので、長々とした説明書きを記載することも避けるのがマナーです。