「退職」の伝え方のマナーとは?上司・同僚など対応例も紹介

「退職」を決めたらどう対応するのが正しいのでしょう。お世話になった会社に失礼のないよう、また円満に退職できるようにするには「退職」の伝え方や切り出し方のマナーが問われます。本文では、体調不良を理由に退職する場合の伝え方や上司・同僚への報告、また電話やメールでの「退職報告」についても触れています。

「退職意思」の伝え方、そのマナーとは

直属の上司に最初に伝えるのがマナー

「退職」の意思が固まったら、まずは直属の上司に伝えるのがマナ―です。ここでいう「直属の上司」とは、常日頃から業務の指示を得たり報告をしたりする間柄にある上司です。

直属の上司に伝える際には、必ずアポイントを取り、会議室等で切り出します。たとえば、「お話したいことがあるので、少しお時間頂けないでしょうか」などとメールで時間を調整しましょう。なお、「退職」意思があることはメールでは触れず、予定の確認のみにとどめるのが通例です。

同僚に「退職の意思」を先に伝えるのはNG

「退職したい」という意向は同僚にもつい話してしまいがちですが、上司よりも先に周囲に口外するのはマナー違反です。周囲に先に話してしまうと、「○○さんが退職したいらしい」と上司の耳にもうわさとして伝わってしまう懸念があります。本人以外の口から「退職」の情報が入るのは失礼にも当たるため、必ず直属の上司への報告を優先します。

同僚等への「退職」の報告は、退職日や引継ぎなどの段取りがつき、上司の了承を得た後に行うのがマナーです。

「退職意思」の伝え方と例文

まず先に「退職」の意思があることをはっきりと伝える

実際に上司に話を切り出す際には、「退職」の意思があることをはっきりと伝えるのがポイントです。「退職しようかと考えていまして…」「退職を検討しておりまして…」と検討中を匂わせる発言をするとほとんどの場合引き留められます。そうなると、「退職」までの日が伸びてしまう場合がほとんどです。

例文
  • 突然で申し訳ないのですが、退職させていただきたくお時間を頂きました。
  • 突然ですが、退職させていただきたくお時間頂いた次第です。

理由を述べる前にまず「退職」の意思を伝えるのもポイントです。

精神的不調や体調不良が理由の場合は診断書を

「退職」の意思があることを切り出すと必ず、理由を聞かれます。この際、精神的な不調や体調不良が理由の場合には、診断書があると話がスムーズに進むでしょう。「業務の継続が困難である」ことを示すには、病名を明らかにするのも有効です。

例文
  • 以前からお話していた持病が思わしくなく、退職して治療に専念することを決めました。
  • 体調不良でしばしばお休みをいただいていましたが、診断書にもあるように、医師にも療養を勧められました。

なお、いかなる不調がある場合でも、「退職」を切り出す前に「調子が悪く業務の継続が難しい」ということを伝えておく必要があります。というのも、ある日突然に「体調が悪いから辞めます」では単なる言い訳にとられてしまう懸念があるからです。

転職が理由でも会社・待遇への愚痴は避ける

体調不良以外での退職となると、「今の労働環境に不満があり転職したい」という理由が大半ではないでしょうか。この場合でも、「退職理由」としてネガティブな内容を挙げるのは避けます。なお、転職先の会社名まで伝える必要はありませんが、すでに転職先企業が決まっている場合は「入社日が決まっている」ことが説得材料にもなるため、活用できます。

例文
  • 今のポジションに認めてもらい、また○○についても勉強でき非常に感謝しているのですが、**の開発に携わる仕事もしてみたいという思いが強くなり転職を決意しました。
  • 3年間非常にお世話になりましたが、システムコンサルだけでなくより総合的なコンサルティングに興味があり、他社で働くことを決めました。

「退職届」は退職日が決まってからでOK

上司に「退職」を切り出す際に早速「退職届」を持参する人もいますが、「退職届」は不要です。「退職届」には、退職予定日を記載するのが通例ですが、この退職日は上司と相談して決めるのがマナーです。

一般に、「退職」を切り出した流れで「いつ辞めるの?」や「○月末日で退職したいと考えています」など日程の相談を行います。「退職届」についても提出時期やフォーマットを相談するのが一般的です。

「退職」を伝える前に準備したいこと

「退職」までのスケジュールを立てておく

「退職」を伝える前に、あらかじめ「退職」までの流れを想定しておきましょう。実際の退職日は上司と相談の上決定しますが、引継ぎなどを考慮すると最低でも1ヶ月、できれば3ヶ月程退職日まで余裕があるのが理想です。そのため、「退職したい日」から逆算し、いつ動き出すのかをあらかじめ考えておくとよいでしょう。

また、繁忙期を避けた方が「退職」の交渉はスムーズに進みやすいものです。

「退職」後の生活の見通しも重要

「早く辞めたい」という思いから「退職」を急ぐ人もいますが、「退職」後の生活の見通しも重要です。特に、退職後の勤務先が決まっていない場合は、経済面も十分に検討しておく必要があります。失業給付などもらえるお金についても調べておくと安心です。

引き留めに合った場合についてもシミュレーションを

「退職」を切り出すと必ずと言っていいほど引き留めにあうものです。人間関係の不満がない人ほど、上司への情を感じ迷ってしまうことも少なくありません。そのため、「退職」を切り出すと決めた以上、揺らがない強い意志を持つことも大切です。一旦引き留めに応じてしまうと、「やっぱりやめたい」と思った時にもやめづらくなります。

「退職」について同僚・取引先への伝え方

社内でお世話になった人にはできれば直接伝えるべき

「退職」が正式に決まったら、社内外の関係者に「退職」の報告を行います。近年ではメールでの挨拶も主流となりつつあるようですが、できれば直接会って挨拶をしたいものです。丁寧に感謝の言葉を伝えることで、今後も良い関係を築くことができるでしょう。

なお、「退職」の報告・挨拶は、対面での挨拶やメール以外に挨拶状(はがき)の郵送という方法もあります。ややフォーマルな対応で丁寧な印象を与えることができるため、直接挨拶した人でも退職後に追って挨拶状を郵送することもあります。

一斉送信メールで挨拶する場合も

「退職」の挨拶は、一斉メールで行う場合もあります。たとえば、事業所内の全員に挨拶したい場合や頻繁に業務でかかわった部署の人全員にあてて送る場合など挙げられます。ただし、一斉メールで挨拶する場合は、宛先をBccとして受信者に送信者が分からないようにするのがマナーです。

なお、社内向けの「退職」の報告メールは、「最後の挨拶」として最終出社日に送ることが多いでしょう。ただし企業によって1週間前など風習が違う場合もありますので、企業のならわしに従うようにします。

取引先へは後任者とともに挨拶に

最後に、取引先への「退職」の報告は、後任者の紹介を兼ねます。引継ぎ等のやり取りもあるため、退職日の2~3週間前が良いでしょう。後任者と共に取引先を訪問する場合や、電話で報告後に後任者から改めて挨拶をするケースなどがあります。いずれの場合も、先方に業務上の不都合が生じないよう、確かな段取りが必要です。

まとめ

「退職」の意思が固まったら、まずは直属の上司に伝えるのがマナーです。直属の上司と退職日等の調整がついたら、追って部署の同僚や社内外の人にも報告するというのが一般的な流れですが、社内外への伝え方には企業独自のマナーがあるケースも少なくありません。