「経済への影響は不可避だ」という風にニュースで耳にすることもあれば、ネット上でも「不可避」というワードを耳にすることも多いものです。本記事では、「不可避」の詳しい意味とともに、ネットスラングとしての使い方も例文で解説しました。また、「不可避」の類語・対義語や英語訳についても触れています。
「不可避」の意味とは?
「不可避」の意味は”避けられないこと”
「不可避」の意味は、“避けられないこと・避けようがない状況”です。「不可避」の「不可」には”~できない”という意味があることから、「不可避=避けることができない」という意味になります。転じて”必ず起こること”という意味で「不可避」と用いることもあります。
「草不可避」の草は”w”、「神回不可避」もある
ネット上では「草不可避」の表現でよく知られています。この場合の「草」とは、”笑い”を意味する略語「w(アルファベット)」を「草」に見立てた表現で、”草不可避=笑わずにはいられない(大爆笑)”の意味です。
「草不可避」以外でも”神回不可避(神回=アニメなどの最高に素晴らしい回になること間違いなし)”の表現で用いられるなど、様々なシーンで「不可避」の表現が見受けられます。
「不可避」の使い方と例文とは?
「不可避的」は”避けられない様”を表現する
「不可避」は「不可避だ(である)」の他、「不可避的」という表現でも使用できます。この場合の「的」は、名詞について形容動詞の語幹を作る役割を持ちます。たとえば、「不可避的事故」と使うと”避けられない事故・起こるべくして起こった事故”という意味に、「不可避的義務」というと”避けられない義務”という意味にとることができるでしょう。
また、「不可避的」というワードは、腎臓が不要物質を排出するのに最低限必要な水分の排出量を表す表現「不可避的尿量」でも用いられます。「不可避である様」を言い表す際に便利な表現です。
「不可避」はネットスラングでもよく用いられる
「不可避」はネットスラングとしても頻繁に用いられる表現で、この場合も「避けられないこと・避けることができない」という意味で間違いありません。このネット上での使用が広まり、定着したことから、最近では個人間のくだけたやり取りで使用される例も増えているようです。
「不可避」を使った例文
「不可避」を使った例文をご紹介しましょう。「不可避だ」あるいは「不可避である」といった表現が一般的です。
- 両者の関係悪化は不可避である。
- 出生率の改善がなければ、我が国の人口減少が不可避だということは言うまでもない。
- 今回の役員人事は実務への影響が不可避と考えられる。
- 関係修復は不可避と判断した彼は、離婚に向けて動き始めた。
「不可避」の類義語(類語)とは?
類義語(類語)は「やむを得ない」や「詮方ない」
「不可避」と似た意味の表現では、”避けられないこと”を意味する単語が挙げられます。たとえば”やむを得ない(やむを得ず)・そうするしかない・仕方ない”などが代表的な例です。他にも、「余儀なくされる・詮方ない(せんかたない)・免れ得ない(まぬがれえない)」などといった言い換えが可能です。
「必ずそうなる」の意味では”必至・必然的”
「不可避」の意味するところの「避けることができない」とは、言い換えると”必ずそうなる、絶対にそうなってしまう”と解釈することもできます。この場合、「必至(ひっし)」「必然的」なども似た意味を持つ表現にあたります。
「不可避」の対義語とは?
対義語は「忌避」
「不可避」と反対の意味を持つ単語では”忌避(きひ)”が挙げられます。「忌避」とは、”嫌って避けること”を意味する単語です。「不公平な裁判を避けるためにその裁判官を訴訟の当事者が断ること」という特殊な意味もあります。
また、「不都合な事態にならないようにする・物事を避けてぶつからないようにする」という意味を持つ「回避(かいひ)」も「不可避」とは反対の意味を持つ単語のひとつです。
「不可避」の英語表現とは?
「不可避」は英語では”unavoidable”
「不可避」は英語では”unavoidable”を使用します。「unavoidable」には”避けられない・やむを得ない”などの意味があります。また同様の意味を持つ単語には、「inevitable」も挙げられます。
「不可避」の英語表現を使った例文
「不可避」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。
- an unavoidable accident(不可避の事故)
- A confrontation between them is inevitable.(両者の衝突は不可避だ)
まとめ
「不可避」とは”避けることができない”という意味です。「避けようがない様=必ず起こると想定されること」に対して”不可避だ・不可避である”などと用いられます。元々はニュースや文書などで使用されるやや硬いニュアンスを伴う表現でしたが、ネットスラングとして広く用いられるようになったことから、日常的にもよく見聞きするワードとなりました。使用シーンが変わっても、基本的には同じニュアンスで用いることができます。