「満年齢」の意味とは?「満○歳」の計算法と「数え年」との違い

「満何歳ですか?」と問われた場合、自分の年齢はどう答えればよいのでしょう。「満○歳」という年齢の表現は「満年齢」と呼ばれ、履歴書をはじめとして公的なシーンで用いられます。本記事では、「満年齢」の意味とその計算方法、また「数え年」や「早生まれ」との違いや関係性についても解説します。

「満年齢」の意味とは?

「満年齢」の意味は”誕生日ごとに年齢を加える方法”のこと

「満年齢」とは、“生まれた時点を0歳として、毎年誕生日がくるごとに年齢を加える方法”のことです。「満年齢」の”満”には「満ちること・その年月を満たしていること」という意味があり、「満年齢」は”生まれてから満たした年月”つまり「生まれてからこれまでに経過した年数」を表しています。

なお、「満年齢」は公的な年齢として法律にも定めがあります。法律上は、誕生日の前日の午後12時を迎えた時点で年齢を加えるとされています。たとえば、5月5日生まれの人の場合、「5月5日午前0時」ではなく「5月4日午後12時」にひとつ年を取ります。「5月5日午前0時」と「5月4日午後12時」は表現が違うだけで実際には同じ時刻を意味しますが、法律上は後者に年齢を1つ加えることになっているのです。

「満何歳」は端的に言うと”現在の年齢”

「満何歳」とは、”現在の年齢”のことです。「満年齢」を問われた場合には、”現在の年齢”を答えれば問題ありません。「自分の今の年齢=満年齢」と認識しておくとよいでしょう。

「満年齢」の計算方法と書き方とは?

「満年齢」は西暦と誕生日をもとに計算する

自分の「満年齢」や家族の「満年齢」を確認したい場合は、西暦と誕生日を基に計算することができます。まず、現在の西暦から生まれ年の西暦を引きます。すでに今年の誕生日を迎えている場合はこの数字がそのまま「満年齢」になります。今年の誕生日はまだ迎えていない場合には、この数字から1を引いた数が「満年齢」となります。

  • 例1
    現在:2020年11月10日
    生年月日:1990年12月10日

計算式:2020-1990=30
*この場合誕生日をまだ迎えてないため30-1=29 満29歳
12月10日の誕生日を迎えたら、満30歳

  • 例2
    現在:2020年11月10日
    生年月日:1990年10月1日

計算式:2020-1990=30
*誕生日はすでに迎えているため満30歳

「満年齢」の計算方法に早生まれは関係ない

「満年齢」は誕生日を基にした年齢のカウント方法ですが、この計算に「早生まれ」や「遅生まれ」は関係ありません。

「早生まれ」とは1月1日~4月1日に生まれた人を、「遅生まれ」とは4月2日~12月31日生まれの人を指す表現で、日本では学年に大きくかかわることで知られています。しかし、満年齢を計算する際には特に問題になることはありませんので、その計算で気に留めることはありません。

「満年齢」の記入時は作成日を明確にする

「満年齢」は誕生日をまたぐと変わってしまうため、書類等に記入する際にはその書類の作成日がポイントになります。提出日に誕生日を迎えているようであれば、作成日=提出日として、誕生日を迎えた後の「満年齢」を記載してもよいでしょう。

一方で、作成日と書類の記載内容が合わない場合には、「不備」として差し戻される懸念もあります。記入の際には、必ず作成日との整合性をとるようにしましょう。

履歴書の「満年齢」は郵送のタイミングに合わせることも

就職活動の履歴書でも「満年齢」の記載が求められることが多いです。履歴書の場合、作成日=郵送する日とするのが一般的で、場合によっては数日~1週間程度先を見越した記入が求められます。

たとえば、作成日の11月20日現在は「満20歳」だが、履歴書の提出予定日(郵送日)の12月1日には「満21歳」である場合には、履歴書の作成日を12月1日として「満年齢」も「満21歳」とすることが多いでしょう。また、中には「入社時の年齢」と但し書きをしたうえで「満年齢」を書かせる例もあります。この場合は今年の誕生日をまだ迎えていない場合でも、入社予定時期に合わせた記載が求められます。

「満年齢」と「数え年」の違いとは?

「数え年」とは生まれた年を1歳とし元日に年齢を加える数え方

「数え年」とは生まれた年を1歳とし、元日に年齢を加える数え方のことです。つまり、「数え年」ではお正月に一斉に年をとることになります。たとえば「数えで30になります」というと「数え年」で30歳という意味です。

この「数え年」は旧暦時代の慣習で、現在では七五三や長寿のお祝い、また亡くなられた人の享年表示などに用いられます。

「満年齢」と「数え年」は生まれた時からカウント方法が違う

「満年齢」は生まれた年を0歳とカウントしますが、「数え年」では生まれた年を1歳とします。つまり、「満年齢」と「数え年」では生まれた時からのカウントの方法が違うのです。また、年齢を加えるタイミングも異なり、「満年齢」では誕生日、「数え年」では元旦です。

たとえば、2020年12月1日に生まれた赤ちゃんは「数え年」では生まれたときに1歳なので、2021年1月1日にはすでに2歳ということになります。このように、「数え年」は場合によっては「満年齢」よりも1~2歳高いのが特徴です。

現代では「満年齢」が公的な数え方

「数え年」は七五三などの特別な行事などを除いて、平時ではほぼ用いられることはありません。日本では戦後「年齢計算に関する法律」が誕生してから「満年齢」の考えが主流となっているためです。法律上は、「誕生日の前日午後12時」に年齢を加えることとなっていますが、一般には「誕生日に年を取る」という考えで問題ないでしょう。

まとめ

「満年齢」とは、”満○歳”という年齢の表示方法で、生まれた年を0歳とし毎年誕生日の前日夜12時に1歳ずつ年齢を加える方法です。「満年齢」というと特別な年齢表示のようですが、一般には「今現在の年齢」ととらえてよいでしょう。ただし、履歴書等では提出日の「満年齢」を記載するなど配慮が必要な場合があります。