「検証」の意味と使い方とは?類語「検討」との違い・使い分け

「現場検証」や「データを検証する」など物事を調べたり確認したりする動作を表す単語に「検証」があります。本記事ではこの「検証」の意味と使い方をはじめ、「検討」「実証」など類語との違いや使い分けについて解説します。また、関連用語として「検証」の英語訳についても紹介しましょう。

「検証」の意味と使い方とは?

「検証」の意味は”しっかり調べて事実を確認する”

「検証」の意味は、“しっかりと調べて、事実を確認すること・その確認作業のこと”です。たとえば、不確かな物事の真偽を確定させるための調査・考察や仮説を証明するための考察などを指して「検証」といいます。

「検証」の「検」の字には、”調べる・あらためる”という意味があり、とりわけ真偽や可否を調べる・確かめる場合に用いられます。一方「証」の字には”明らかにする・明らかである”という意味があります。このふたつの漢字を重ねることで、「真偽を調べて明らかにする・事実を確認する」といった意味になるのです。

「検証」を使った例文

「検証」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 事件現場を検証する。
  • このデータは再度検証する必要があるだろう。
  • 先の契約書と矛盾しないか検証を求める。
  • 検証結果からこちらに非がないことが明らかになった。
  • 検証結果を以下に要約します。

「検証」と「検討」の違いとは?

「検討」とは”よく調べて考えること”という意味

「検証」とよく似た単語に「検討」が挙げられます。「検討」とは”よく調べて考えること”を意味し、どちらかというと「考える」というニュアンスが強い表現です。「調べる」という意味がないわけではありませんが、「検証」のように”真偽を明らかにする”といった意味合いはありません。

「検証」はこれまでのことに、「検討」は未来のことに使うことが多い

「検証」は”よく調べて確認する”というその意味から、すでにある事柄やすでに起こった事柄に対して用いられることが多いでしょう。これに対し「検討」は、これから起こるであろう物事や行動に移す前に”よく考える”という意味で用いられるのが特徴です。

例文
  • プランの内容を検討する。
  • 検討を重ねた結果、今回は開催を見送ることとなった。

「検証」のそのほかの類語・類義語とは?

類語①「検査」とは”基準に照らして、異常の有無を調べること”

「検査」とは、”何らかの基準に照らし、異常がないかを調べること”という意味です。「精密検査を受ける」や「検査結果を待つ」など、日常生活でもよく使う単語でしょう。

この「検査」は”調べる”という意味では「検証」と似ていますが、”真偽を明らかにする”という意味はありません。また、”定められた基準と比較する”という意味を含む点も「検査」の大きな特徴です。

類語②「確認」とは”確かだと認めること”

「確認」とは”確かにそうだと認めること、はっきりと確かめること”という意味です。「確認する」というワードは日常生活でもよく使用します。「事実を確認する」「正誤を確認する」のように、「目で見て確かめる」というニュアンスを含むのが特徴です。

一方の「検証」は、「(仮説を)証明する」というニュアンス持つ点が相違点と言えるでしょう。

類語③「実証」とは”確かな証拠をもって証明すること”

「実証」とは、”確かな証拠や事実を基に証明すること”という意味です。このほか、”確実な証拠・確証”の意味もあります。「検証」は調査することによって事実を明らかにしますが、「実証」は事実によって物事を証明するという意味であるのが大きな特徴です。

「実証」は「実証実験」の表現でもよく用いられますが、「実証実験」とは実際の使用シーンに合った環境で行う、実用化に向けた実験を指すことが多いでしょう。製品開発の現場でよく用いられる表現です。

類語④「立証」とは”証拠を挙げて証明すること”

「立証」とは、”証拠を挙げて、事実を証明すること”という意味です。「有罪を立証する」や「科学的に立証する」などの表現で用いられます。「検証」のように「調査」を基にした証明ではなく、「証拠」をもとに証明するという意味を持つ表現です。

「検証」の英語訳とは?

「検証」は英語で”verification”

「検証」は英語では“verification”を使用します。「検証する」は”verify”を使用します。たとえば、「We will verify if that theory is correct.」で”その理論が正しいのかを検証する”という意味になります。「verify」は”正しいかどうかを確認する”というシーンで用いられることが多いのが特徴です。

このほか、「検査」を意味する”inspection”も「検証」の和訳が宛てられることがあります。たとえば、「An inspection of a crime scene」は”事件の現場検証”の意味になります。

まとめ

「検証」とは、「よく調べて事実を確認すること」を意味し、とりわけ「真偽を確定させるための考察」や「仮説を証明する」という場合に用いられることが多いでしょう。一方「検討」は「(これから先のことを)よく考える」という意味です。このほかにも、「(物事を)確認する・証明する」という意味の単語は複数存在します。それぞれニュアンスの違いを理解して最適なものを使用しましょう。