「見積依頼書」とは?書類の意味から書き方・メール文例も解説

取引に先立って使用されるビジネス文書のひとつに「見積依頼書」があります。この「見積依頼書」は文字通り「見積書を依頼するための書類」です。本記事では「見積依頼書」の意味と書き方・テンプレートのほか、メールで見積もりを依頼する際の文例についても紹介します。

「見積依頼書」とは?

「見積依頼書」とは”商品・サービスの代金算出を依頼する書類”

「見積依頼書」とは、“文字通り見積もりを取引先などに依頼するための書類”のことです。もう少し詳しく言うと、商品やサービスの料金が知りたい場合にその販売者に代金の算出を依頼する文書を指します。

「見積依頼書」は、発注先の検討材料として「見積書」が欲しい場合に用いられることもありますが、依頼することを前提として「見積依頼書」を発行することもあります。

「見積書」は単に”いくらになるのか?”という注文数と金額を提示する以外に、支払条件や納品予定などを正確に記載することで思い違いを避ける役目も担います。ビジネスでは「見積書」を基に発注するため、”見積依頼書”や”見積書”を通して共通認識を持つことで取引の信頼性を高めることにもつながります。

「見積依頼書」の読み方は”みつもりいらいしょ”

「見積依頼書」の読み方は”みつもりいらいしょ”です。

英語表記を略して「RFQ」とも呼ばれる

「見積依頼書」は英語では”Request For Quotation”と表現されます。「quotation」には引用・相場・時価などの意味があります。

「Request For Quotation」を略して、”RFQ”と表現されることもあります。

「見積依頼書」の必要性・重要度は企業によって異なる

「見積書」は打ち合わせの内容を反映して作成されるなど、実際には「見積依頼書」を使用しないケースもあります。一方で、システム開発など要望が詳細化するシーンでは、細かい要求事項を添えた「見積依頼書」を発行することも多いものです。

また注文が大量の場合や前提条件が多い場合などは「見積依頼書」を発行したほうが、お互いの認識の違いもなくなります。

「見積依頼書」の書き方のポイントとは?

何をいつまでにほしいのかを正確に記載する

「見積依頼書」では、何をいつまでにほしいのか、相手に伝わるような記載が必要です。思い違いがないように、箇条書きや表で分かりやすく記載します。

商品・サービスについて細かく記す

商品・サービスの名称は、曖昧にならないよう正式名称で記載します。品番がある場合には併記することで誤解を防ぐことができます。工事やサービスなどの場合は「一式」という表現を用いることも多いですが、その際は「一式」に含まれる内容に食い違いがないようにすることが重要です。

また、「見積書」には納期や納品場所、支払方法なども記載されるため、「見積依頼書」でもこれらの項目を記載します。

システム開発では仕様書を添付するなどより細かい配慮が必要に

システム開発などでは、見積依頼書に仕様書を添付することが多いのが特徴です。別紙を添付することで作業の内容をより具体的にし、正しい金額での「見積書」を取得するためでもあります。

このほか、工事や作業など「○○一式」と記載する場合には、細かい内容・条件を添付することが多いでしょう。

「見積依頼書」はワード・エクセルのいずれでも可

「見積依頼書」の作成・フォーマットに細かいきまりはありません。ワード、エクセルのいずれかで作成することが多いでしょう。一般に、「見積依頼書」は社内フォーマットがすでにある場合が多く、それを流用する形で作成するのが通例です。

「見積依頼書」のフォーマット・テンプレートとは?

「見積依頼書」の一般的な作成例

「見積依頼書」は会社の仕入先、発注先にあてて作成します。「見積依頼書」あるいは「見積書送付のお願い」というタイトルの下に簡単な挨拶文を入れて書きだします。

令和◯◯年◯◯月◯◯日

◯◯株式会社
営業部 ◯◯◯◯ 様

株式会社◯◯◯◯
総務部 ◯◯◯◯

見積依頼書

拝啓 貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、このたび、貴社の下記商品の購入を検討しております。
つきましては、下記により見積書をご送付くださいますようお願い申し上げます。
なお、お取引の条件などがございましたら、あわせてお知らせください。

以上、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

1.品名:○○○○
2.数量:5ケース
3.納品場所:弊社新宿オフィス(東京新宿区**ー** ○○ビル8階)
4.納期:令和○年○月○日まで
5.支払方法:銀行振り込み

以上

見積依頼書

令和○年○月○日

株式会社○○
○○様

株式会社○○
担当○○
TEL:**-****-****

時下ますますご清栄のことと御喜び申し上げます。
下記により、お見積もりの程よろしくお願いいたします。

1.見積依頼品内容

  • ***(品名・型番) 2
  • ***(品名・型番) 5

2.取引条件
納品期日:令和○年○月○日
納品場所:弊社本社
支払条件:銀行振り込み

3.見積書送付条件
送付期限:令和○年○月○日
送付方法:郵送

4.備考

自社宛ての「見積依頼書」の例

「見積依頼書」は自社から取引先に提出するもの以外に、自社宛てのフォーマットを作成しておくケースもあります。「見積依頼書」に記載してほしい内容をあらかじめこちらで指定できるため、「見積書」の作成もスムーズです。この場合、自社宛てであることから宛先や依頼文に配慮が必要です。

例文

株式会社○○ 行

見積依頼書

下記商品につきまして、記載の条件で見積書の発行を依頼します。

依頼日 令和○年○月○日

1.依頼主情報
社名:
住所:
電話番号:
FAX:   MAIL:
部署名:
担当者:

2.納品条件
納品期日:
納品場所:
納品先住所:
電話番号:

3.見積依頼品詳細

品名数量単位
商品A5ケース
商品B3ケース

4.見積書提出条件
提出期限:令和○年○月○日/至急
提出方法:郵送・FAX・MAIL

5.備考

「見積依頼」はメールの場合どうすればいい?

メールで見積書を依頼する場合は、見積り依頼書を使わない

「見積依頼書」を使用せず、メールで「見積書」を依頼することもあります。メールで「見積依頼」を行う場合は、「見積依頼書」と同様に、相手に正確に伝わるよう品名や依頼数、見積書発行の条件や支払い条件等を記載します。

「見積依頼」のメール文例

「見積依頼」のメール文例をご紹介しましょう。

例文

件名:見積書ご送付のお願い

株式会社〇〇〇〇
営業部 **様

平素より大変お世話になっております。
株式会社△△ 営業部の△△です。

さて、先日ご提案いただきました件につきまして、見積書を発行していただきたくご連絡いたしました。
つきましては下記条件にて作成いただき、ご送付くださいますようお願い申し上げます。

■依頼内容
商品名:〇〇〇〇
品番:az-〇〇〇〇
数量:1箱
納期:令和○年○月○日希望
支払方法:翌月末日銀行振込

なお、ご不明点等ございましたら、お手数ですがご連絡くださいませ。
またお忙しいところ恐縮ではございますが、○月○日までに見積書を送付いただけますと幸いです。

お手数をおかけしますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

まとめ

「見積依頼書」は文字通り「見積書」を依頼するための文書です。「見積書」に記載する内容は「見積依頼書」で提示するのが一般的で、依頼する商品・サービスの名称や数量をはじめ、支払条件や納期、「見積書」の提示期日についても記載します。

なお、入手した「見積書」の内容は他社には漏らさないのがマナーです。信用にもかかわるため、相見積もりを取る場合にはくれぐれも注意しましょう。