「洗礼」の意味とは?使い方と英語表現・キリスト教における意義

「洗礼」という言葉は、クリスチャンになるための儀式という意味で知られていますが、一般的には初めての経験という意味でも使われています。この記事は、「洗礼」という言葉の一般的な意味とその使い方や英語表現を解説したうえで、キリスト教での「洗礼」の意味も紹介します。

「洗礼」の一般的な意味とは?

「洗礼」とは「影響が残るような初めての経験をすること」

「洗礼(せんれい)」が日常会話で使われるときには、後々に影響が残るような初めての経験をすることという意味で使われています。経験そのものが初めてのため忘れられないということではなく、その経験が自分の人生に何かしらの影響を与えているような場合に使われます。

例文
  • 初めてビートルズを聞いたとき、ロックの洗礼を受けたと思った。
  • 〇〇さんにこっぴどく叱られたんだって?営業部の洗礼を受けたってわけか。

「洗礼」には「困難や災難」という意味も

「洗礼」は困難や災難という意味で使われることもあります。これは上記の意味の影響が残るような初めての経験に関連して起こった困難や災難のことで、そのような経験を通さない単なる困難や災難という意味では使われません。

また「洗礼」には、ある集団や社会に入るための試練という意味もあります。例えば、野球部員として入団しているものの正式なメンバーとして迎えられるために行われる厳しい訓練などです。

例文
  • 津波の洗礼を受けて、防波堤を高くするための工事が始まった。
  • 新入部員が特訓という名の洗礼を受けた。

「洗礼」はキリスト教の儀式に由来する

「洗礼」という言葉は、キリスト教でのクリスチャンになるための儀式である「洗礼」に由来しています。「洗礼」によりクリスチャンの信仰生活が始まることから、「後々に影響が残るような経験」という意味が派生しました。

「洗礼」の使い方と例文

「洗礼を浴びる」は誤用

時々「洗礼を受ける」と同じ意味で「洗礼を浴びる」という言い回しが聞かれますが、これは間違った表現です。正しくは「洗礼を受ける」なので言い間違えに注意しましょう。

「洗礼を受ける」とは「洗礼に応じること」

「洗礼を受ける」とは洗礼に応じることという意味の言い回しで、慣用句として定着しています。

「洗礼を受ける」を使った例文
  • プロ初登板の若手投手はプロの洗礼を受けて大失点をした。
  • この渓谷特有の強風の洗礼を受けてから、幼子は家から出ることを怖がるようになった。

「洗礼」の英語表現

「洗礼を受ける」の英訳には意味の解釈が必要

「洗礼を受ける」を英訳する場合は、その意味をよく考えてから訳す必要があります。「洗礼を受ける」を直訳すれば「to be baptized」となり、キリスト教での「洗礼」の意味になってしまうからです。

「洗礼」の英語表現を使った例文

例えば「ロックの洗礼を受けた」ならば「ロック音楽に衝撃を受けた」という意味ですから “I was excited by the rock music.” (そのロック音楽に興奮した)や“The rock music was shocking.”(そのロック音楽は衝撃的だった)のように訳されるでしょう。

「洗礼を受ける」を英訳するときはその意味を読み解いてから英訳するようにしましょう。

キリスト教における「洗礼」の意味とは?

「洗礼」は赤ちゃんにも行われる入信の儀式

「洗礼」とはキリスト教に入信して、クリスチャンになるための儀式です。洗礼を受けるためには、すでにイエス・キリストを信じている人だけが受けられます。

洗礼によって罪を償ったり救われたりすることはなく、洗礼により、イエス・キリストを信じていることを誓い、キリストに結ばれることが公式に宣言される儀式です。

洗礼を受けるのに年齢制限はなく、特に赤ちゃんや幼児が受ける洗礼のことを「幼児洗礼」と呼びます。

「洗礼」では水によって罪が清められる

「洗礼」において水の働きが大きく、水によって罪を洗い清められるとしています。古くは川に行き、川の水に全身を浸して洗礼を行いました。しかし現代では、小さなプールのようなものを用意して全身を水で浸すか、その略式として頭部に水に注ぐという方法で行われます。

またキリスト教における「原罪」については、下のページで詳しく解説してあるので参考にしてみてください。
「原罪」の意味とは?キリスト教における「贖罪」との違いも解説

洗礼を受けた後のクリスチャンの変化

洗礼を受けた後からクリスチャンの信仰生活が始まります。しかし洗礼前からイエス・キリストへの信仰心は始まっているので、洗礼を受けた後でも目立った変化を感じられない人もいれば、洗礼後に信仰心が強くなったと思えるなどの心境の変化を感じる人もいます。

ただクリスチャンになってからの大きな変化としては、洗礼後には洗礼を受けた教会に教会籍が置かれて、その教会のメンバーになります。教会との関わり合いが深くなり、教会での礼拝のお手伝い(奉仕)などを行うこともあるでしょう。しかし奉仕の仕方には個人差があり、必ず奉仕をしなくてはならないといったルールもありません。

洗礼者ヨハネによってイエスは洗礼を受けた

イエス・キリストはキリスト教の教祖であると同時に、キリスト教の教理の中心にある三位一体のひとつの位格に数えられます。キリスト教における三位一体は、「父」である神様、「子」であるイエス・キリスト、そして「聖霊」によって構成されています。

教祖とされるイエス・キリストですが、イエス・キリスト自身も洗礼を受けています。イエス・キリストが30歳ごろ、洗礼者ヨハネによってヨルダン川で洗礼を授けました。洗礼者ヨハネで、洗礼を意味するギリシア語を用いて「バプテスマのヨハネ」と呼ばれることもあります。

洗礼者ヨハネは、キリストに洗礼を授ける前から人々に悔い改めの説教をして洗礼も行っていた人で、イエス・キリストは洗礼者ヨハネの後を受け継ぐような形で人々に信仰を伝えていったと言われています。

「洗礼」の類義語は「受洗」

「洗礼」の別の言い方に「受洗」という言葉もあります。「受洗」は「洗礼」と同じ意味で、「受洗する」のように使います。

「受洗」の例文

彼は18歳の時に受洗した。

まとめ

「洗礼」とはキリスト教のクリスチャンのなるための儀式という意味の言葉で、そこから派生して後々に影響するような経験という意味で一般的な日常会話でも使われることがあります。「洗礼を受ける」という言い回しが慣用句になっているので覚えておきましょう。