「感情論」の意味とは?例文・対義語や「感情論」がNGな理由も

「感情論で話をするな」と発言を制されることがありますが、「感情論」とはそもそもどういった物言い・議論を指すのでしょう。「感情論」の意味や使用文例のほか、対義語についても解説します。また、ビジネスシーンで「感情論」が嫌われる理由や「感情論」への対応についても触れています。

「感情論」の意味と使い方とは?

「感情論」の意味は”感情によってなされる意見・議論”

「感情論」の意味は、“理性や理屈ではなく、感情によってなされる意見・議論”です。「感情からでた主観に偏った意見・理性的ではなく、個人の感情をもとにした議論」が「感情論」と呼ばれます。たとえば、単なる「好き嫌い」や「やりたいやりたくない」などの主観的な意見が挙げられるでしょう。

「感情論」は意見に言及するときに使う

「感情論」は意見(の内容)に言及する際に使用します。そのため、「イライラして大声で怒鳴る」「不安にかられ話の途中で泣き出してしまう」などといった”言い方・口調”を指して「感情論」と使うのは誤りです。怒鳴るなどの物言いは「感情的」と表現します。

「感情論」とは意見や議論の中身を指して使う表現と覚えておきましょう。

「感情論」を使った例文

「感情論」を使った例文をご紹介しましょう。

  • すぐ感情論に走るのは君の悪い癖だ。
  • 部長が言ってるのは、古臭い感情論だ。
  • 感情論で話すのはやめてほしい。君の主観ではなく客観的な意見が欲しいんだ。
  • 主観ばかりの感情論ではビジネスは成り立たない。

「感情論」はなぜ悪い?正しい対応とは?

偏った意見・主張が多く、周囲の人には理解できない

一般に、ビジネスシーンで「感情論」で物を語ることは嫌われます。「感情論」と呼ばれる意見はどれも、主観に偏ったものであるのが特徴です。客観的な理屈なしに語られる意見は、周囲の人間には理解できないことも多く、納得や共感を呼ばないのです。一方的な意見を聞かされている感覚に近いため、不快感を覚える人も少なくありません。

「感情論」で話す人とは議論がしにくい

「感情論」で話す人は、自分の感情を第一位に考えています。そのため、他の人の意見に耳を傾けることは少なく、「それは違うんじゃない?」とこちらが反論した場合にも議論にならないことが多いようです。また、すぐに自分の感情を軸にした話にすり替えてしまうため、論点がずれることも多いのが特徴です。このように「議論がしにくい」「話にならない」というのも「感情論」が嫌われることの理由です。

「感情論」は論破せず冷静に対応

「感情論」で語る人に真っ向から正論をぶつけて、理路整然と論破しようとするのは逆効果になることが多いでしょう。「感情論」で話す人の多くは、議論が進むにつれて感情的になりやすいものです。否定されたと感じると逆上する懸念があるため、相手のペースに飲まれないように注意した、冷静な対応が求められます。

「感情論」の対義語とは?

「感情論」と反対の意味①理論

「感情論」と反対の意味を持つ表現では「理論」や「客観論」が挙げられるでしょう。

「理論」とは、”法則的・統一的に説明するために組み立てられたもの・説明するための体系的な知識”を意味し、筋道立てられた論理的な知識を指します。学問の分野でよく用いられるワードですが、自分の感情によってなされる「感情論」とは異なり、「理論」は知識をまとめた体系的なものです。

「感情論」と反対の意味②客観論

「感情による」という主観的な「感情論」の性質を考えると、”客観的な意見・議論”という意味で「客観論」という言葉が対義的表現として挙げられることもあります。

「感情論で話す人」の対義は「論理的・理性的な人」

「感情論で話す人」と反対の人というと、「論理的な人(論理的に話す人)・理性的な人(理性的に話す人)」が挙げられます。

「論理的な人」とは個人的な心情ではなく、理屈で客観的に議論を展開する人を、「理性的な人」は本能ではなく冷静に理性の判断に従う人を指します。いずれも「感情論で話す人」とは真逆の人間ということができるでしょう。

「感情論」の英語訳とは?

「感情論」は英語で”emotionally”を使って表現

「感情論」を英訳する際には、「感情的に」という意味を持つ“emotionally”を使い「an emotionally‐charged argument」あるいは「an emotionally‐loaded argument」と表現することができます。また、「感情で動く人」は「to act emotionally」との英訳が可能です。

「感情論」はしばしば「感情的に」議論されることが多いことから、単に「speak emotionally」と表現することもできるでしょう。

まとめ

「感情論」とは客観的な理屈なしに個人の感情によってなされる意見・議論を指します。個人的な感情にすぎず、周囲の人には理解できない主張が多いこと、また、筋道だった議論ができないことからビジネスシーンでは「感情論」は嫌われます。ただし、「感情論」を真っ向から批判するのも逆効果となることが多く、互いに冷静な判断・議論が求められます。