「予断」の意味とは?「予断を許さない」や「油断」との違いも解説

「予断を許さない」とは先行きが不透明な様を伝える常套句ともいえるフレーズです。本記事ではこの「予断」の意味をはじめ、「予断を許さない」「予断する」「予断を挟む」など様々な使い方を例文で解説します。また、「予断を許さない」と「油断できない」の違いや類語、英語訳など関連用語も紹介します。

「予断」の意味とは

「予断」とは「前もって判断すること」という意味

「予断」とは、「前もって判断すること、事前に判断を下すこと」を意味します。「予断」の「予」には「あらかじめ・前もって」という意味があり、「断」には「きめる・さだめる」などの意味があります。そこから、「予断=あらかじめ判断すること」という意味になるのです。

「予断を許さない」「予断が許されない」とは予測不能な状況を意味する

「予断を許さない」とは、「前もって判断することが許されない」つまり「前もって判断できない」ことを意味します。「予断を許さない状況」あるいは「予断が許されない状況」は、「前もって判断できない予測不能な状況」「先行きが不透明である様」に対して用いられます。

一般に、「予断を許さない状況です」というと良くない状況に使われることが多いですが、意味としては良し悪しに関係なく使用できる表現です。

「予断を許す」とは言わない

「予測不可能」という意味で「予断を許さない」とは言いますが、「予測できる」という意味で「予断を許す」という使い方はしません。「予断=前もって判断する」という意味なので、「予測可能」の意味で「許す」という動詞と共に用いるのは誤りです。

「予断」の使い方と例文

「予断する」「予断を持つ」は「前もって判断する」の意味

「予断」は先述の「予断を許さない」の表現でよく用いられますが、単に「予断する」と使うことも可能です。「予断する」とは、「前もって判断する」という意味です。さらに「予断を持つ」と使うと、「前もって判断した上で行動する」という意味になります。

例文
  • 何でもかんでも予断するのは悪い癖だ。
  • 予断を持つことでより効率的に仕事ができる。
  • 予断を持つことは早合点につながる懸念もある。
  • 予断を持たずに、情報を吟味したうえで判断したほうが賢明だ。

「予断を与える」は判断材料を相手に与えること

「予断を与える」とは、「判断材料(判断に必要な根拠や手がかり)を与える」という意味です。たとえば、相手に予測させることが望ましくない場合に「予断を与えるようなことはするな」と否定的に用いられることが多いでしょう。誤った判断を招きたくない場合、臨機応変な判断を期待したい場合などにも用いられます。

例文
  • 人事は機密事項だ。予断を与えるような発言は控えなさい。
  • 予断を与えないよう、慎重に言葉を選ぶ。
  • 予断を与える可能性のある文章だ。差し替えよう。

「予断を挟む」は「予断する」を否定的に捉えた表現

「予断を挟むと正しい判断ができない」「予断を挟まずに対応すべきだ」のように、「予断」を否定的に捉えた言い回しでは「予断を挟む」と使うこともあります。

例文
  • 予断を挟まずに調査する。
  • 予断を挟むと公平公正な判断に支障をきたす。

「予断」の類語とその違い

似た意味の表現は「予測」「推測」「予見」

「予断」と似た意味の表現は「予測」や「推測」「予見」などが挙げられます。「予測」とは「前もって結果を推測すること」を、「推測」とは「ある事柄をもとに推量すること」を意味します。また、「予見」とは「まだ起こらないうちに、そのことを見通すこと」という意味です。

「憶断」とは「推測のみで判断すること」

「憶断(おくだん)」とは「根拠もなしに推測のみで判断すること」を意味します。「憶断」と「予断」の大きな違いは、根拠の有無です。「憶断」は確実な根拠のない判断であることを暗に含む表現です。

「予断を許さない」を「油断ができない」に言い換えるのはNG

「予断を許さない」と似たシーンで用いられる表現に「油断ができない」があります。「油断」とは「気を許し注意を怠ること」という意味で、「油断ができない」とは「気が抜けない」という意味です。

一方、「予断を許さない」は、「予測不能な状況」を意味します。「油断ができない」という局面で用いられる例があるものの、必ずしも「気が抜けない」という意味ではありません。「予断を許さない」を言い換えるのであれば、「見通しがつかない」「今後の展開次第」などといった言い回しがベターです。

「余談」とは「本筋を離れた話」のこと、類語ではない

「余談」とは「用件以外の話、本筋を離れた話」のことです。話を切り替える際や付け加える際に「余談ですが…」と使うことが多いでしょう。「予断」と「余談」は同じ読みの単語ですが、意味は全く異なります。

「予断」の英語訳

「予断」の英語訳では「prediction」が用いられる

「予断」は英語では「prediction(予測)」や「prejudgment(予測、予断)」となります。動詞はそれぞれ「predict」「prejudge」です。また、「予断を許さない状況」を英訳する際は、「予測できない」という意味の「unpredictable」を使ったり、「critical(危機的)」や「knife-edge」という慣用表現を使ったりする例もあります。

例文

<予断を許さない状況>

  • in unpredictable situation
  • in critical condition
  • knife-edge situation

まとめ

「予断」とは「前もって判断する」という意味です。緊迫した状況を伝える際に「予断を許さない(状況)」という表現がよく用いられることから、「予断を許さない=油断できない」という意味に誤解されがちですが、「予断を許さない」は「予測不能な状況」を意味します。必ずしも「気が抜けない状況」を意味する表現ではないため、言い換えには注意が必要です。