「ゴルゴン」とはギリシャ神話に登場する怪物です。ゴルゴンの目をみると石になることで有名ですが、メデューサとの違いが分からないという方もいるでしょう。
この記事では「ゴルゴン」の神話での登場シーンや、ゴルゴンの首を切った英雄「ペルセウス」について解説します。
「ゴルゴン」とは?
「ゴルゴン」とは”ギリシャ神話の怪物”
「ゴルゴン」とは、“ギリシャ神話に登場する3姉妹の怪物”のことです。ゴルゴンは海神「ポルキュース」と「ケートー」の子どもで、上から「ステンノー・メウリュアレー・メデューサ」という名前を持ちます。
ゴルゴンの目を見たものは石になる
ギリシャ神話では、ゴルゴンの目を見たものは石になると恐れられています。本来はあまりの恐怖に「体が石のように動かなくなる」というものでしたが、次第に「石そのものに変えられる」という話に変化しました。
ゴルゴンの3姉妹全員が石に変える能力をもっているとも言われていますが、メデューサのみが持っていたと力とも言われています。
「ゴルゴン」は蛇の髪や黄金の翼をもつ
「ゴルゴン」の3姉妹は同じ容姿をしていると言われています。頭には無数の蛇が髪の毛のように生えており、背中にもつ黄金の翼で空を飛び回っていました。口元には猪のようなするどい牙をもち、手は青銅でできています。
また、古代ギリシャの一部では、馬の下半身をもつ姿で描かれているレリーフが見つかったことから、ケンタウロスのような見た目をしているとも言われています。
「ゴルゴン」の意味は”恐ろしいもの
「ゴルゴン」という名前には”恐ろしいもの”という意味があります。頭から蛇が生える姿や、見たものを石に変える能力に恐れて「ゴルゴン」という名前が付けられました。また、ステンノーは”強い女”を、エウリュアレーは”広くさまよう女”を意味し、メデューサは「支配する女・女王」を意味します。
「ゴルゴン」と「メデューサ」の違いとは?
「ゴルゴン」と「メデューサ」の違いは集団か個人かどうか
「ゴルゴン」と「メデューサ」の違いとは、集団か個人かにあります。「ゴルゴン」は3姉妹の怪物をまとめた名称であり、その中の末娘にあたる怪物(1体の怪物)が「メデューサ」なのです。
ただ、「メデューサ」以外の姉妹はギリシャ神話に登場する機会が少ないため、「ゴルゴン」が「メデューサ」単体を指すこともあります。
「ステンノー」「メウリュアレー」は不死身
「ゴルゴン」は3姉妹が似た容姿・能力を持っていたとされています。しかし、「ステンノー」と「メウリュアレー」は不死身である一方で、「メデューサ」だけが不死身ではありませんでした。
そのため、ギリシャ神話では不完全なメデューサを狙って、ゴルゴンが退治された話が有名です。
「ゴルゴン」のギリシャ神話での物語とは?
ペルセウスはゴルゴンの首を切った英雄
「ペルセウス」はゴルゴンの首を切った英雄です。ある日、ペルセウスはゴルゴンの1人「メデューサ」の討伐を命じられます。メデューサはゴルゴンの中でも不死身の体を持たない怪物ですが、相手を石に変える能力があります。そのため、ペルセウスは知恵の女神「アテナ」と計略の神「ヘルメス」に助けを求めました。
神々の助言によって「青銅の盾」や「翼が生えたサンダル」を手にしたペルセウスは、ゴルゴンの元へ向かいます。目を見ると石に変えられるため、青銅の盾に反射したメデューサの姿を見ながら、見事首を切り落としたのです。その後、メデューサの異変に気付いたゴルゴン姉妹ですが、翼の生えたサンダルのおかげで無事に逃げることができました。
アテナがゴルゴンを倒したという話もある
知恵の女神「アテナ」が「ゴルゴン」を倒したという物語もあります。ゴルゴンは元々とても美しい三姉妹でしたが、末娘のメデューサが「わたしの髪の毛はアテナよりも美しい」と言ったことでアテナの怒りを買います。
メデューサに怒りを示したアテナは、罰としてメデューサを醜い怪物へと変えました。さらにメデューサを怪物にしたことに抗議した残りの姉妹も、怪物へと変えてしまいます。その後、不死身ではないメデューサだけが、アテナに首を切り落とされたと言われています。
ゴルゴンの首は魔除けに使われる
古代ギリシャではゴルゴンの首に魔除けの効果があるとされていました。「ペルセウス」によって首が切り落とされた「ゴルゴン(メデューサ)」ですが、体から離れた後も石化の効果は失われませんでした。
ペルセウスやアテナはゴルゴンの首を使って敵対者を脅したり、制裁として石に変えたりします。ゴルゴンの死後も恐ろしい物として使われたため、魔除けとして広まったのです。
まとめ
「ゴルゴン」とはギリシャ神話に登場する怪物です。「ステンノー」「メウリュアレー」「メデューサ」の3姉妹からなるゴルゴンは、目を見ると石に変えられるため恐れられます。ギリシャ神話ではペルセウスに討伐されるメデューサですが、死後も石化の能力は失われず、古代ギリシャでは魔除けとして用いられました。