「相成りました」の意味とは?ビジネスでの使い方や言い換えも解説

「弊社は令和3年3月をもちまして創業20周年と相成りました」「2月末日をもって閉店することと相成りました」という風に、ビジネスシーンでは「相成りました」の表現を用いることがあります。この「相成りました」とはどういった意味で、またどう使うのが正しいのでしょう。例文や言い換えに使える類語と共に解説します。

「相成りました」の意味と読み方とは?

「相成りました」の意味は”~になりました”

「相成りました」の意味は、“~になりました”ということです。ビジネス文書やスピーチなど、言葉に重みをもたせたい場合、重要な報告をする際など改まったシーンで用いられます。

「相成る」が原型・読み方は”あいなりました”

「相成りました」の読み方は、“あいなりました”です。元々の形は「相成る」です。「相成る(あいなる)」の「相」には、動詞につき意味を強める働き、語調を整える働きがあり、「確かにそうなる」というニュアンスになります。「相成る」と似た例では「相分かった(よくわかった)」が挙げられるでしょう。

「相成る」は一般には「なる」と同じ意味ととらえて問題ありません。「結果として成立する・ある状態に至る・(~することに)決まる・(違う状態へと)変わる」などの意味を表現する場合に用いられます。

「相成りました」の使い方と例文とは?

ビジネスシーンでの使い方

「相成りました」はスピーチのほか、ビジネス文書やビジネスメールでよく目にする表現です。たとえば、周年のおしらせや新規サービスのリリース(あるいはサービス終了)、社名変更、本社移転など、会社規模の出来事に使うことが多いのが特徴です。一方で、日常的な報告の際や会話表現として用いることはしません。

例文
  • おかげさまで弊社は本年3月をもちまして、創業10周年を迎えることと相成りました。
  • 新たに、宅配事業を立ち上げることと相成りました。
  • 本年5月に本社を移転することと相成りました。

ビジネス文書やビジネスメールでは、「~することと相成りました。これもひとえに、皆様方のご支援ご配慮の賜物と心より感謝申し上げます。」などと続けることも多いでしょう。感謝の文言とセットで使われることが多いのも特徴です。

「相成りました」を連続で使用するのはNG

「相成りました」は重要な知らせを伝える際に用いる文言であるため、同一の文書、メッセージ内で最も伝えたい事柄に対して使う程度にとどめましょう。「相成りました」を続けて使用したり、何度も使ったりすると、読みにくい文書になるだけでなく大げさで意味が伝わらない懸念もあります。

「~する運びと相成りました」の形でも用いられる

「相成りました」は、「~する運びと相成りました」の言い回しでもしばしば用いられます。この場合の「運び」とは”物事の進んでいく具合”を意味し、「~する運びと相成りました」は”~することになりました”というニュアンスにとることができるでしょう。

例文
  • ○○サービスについては、この度10周年を機にリニューアルの運びと相成りました。
  • 皆様のご尽力により、この度初の会報誌発行の運びと相成りました。

「相成りました」の言い換え・類語とは?

「相成りました」の言い換えは”なりました・決定しました”

「相成りました」は”なりました”や”決定しました”などと類義関係にあります。「相成りました」の方が改まった表現ですが、ビジネスシーンでも報告内容によっては「なりました」の表現でも問題ありません。

また、「相成りました」は頻繁に使う表現ではないので、適宜「決定しました」などに言い換えて文章を組み立てるのもおすすめです。

「なりました・決定しました」を使った例文

類語「なりました・決定しました」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 来週の全体会議は中止となりました。新しいスケジュールに関しては追って連絡します。
  • この度、新規サービスとして「○○」のリリースが決定しました。

「運びになりました」は意外性のニュアンスを含む

「~する運びと相成りました」という表現を先に紹介しましたが、「運びになりました」と表現することもあります。この「運びになりました」もまた”~になりました”という意味ですが、「物事が意外な方向にすすんだ」というニュアンスを持つのが特徴です。なお、「運びとなりました」と使うと”無事に~の結果となりました”の意味になります。

「運びになりました」と「相成りました」や「~する運びと相成りました」に明確な使い分けはありませんが、ニュアンスに微妙な違いが出る点は覚えておきたいポンとです。

「相成りました」の英語訳とは?

「相成りました」の英訳は意訳する

「相成りました」を英語にする際には、文脈に応じて意訳するのが一般的です。たとえば、「本社を移転することと相成りました」という場合には「The head office will be relocated to the following address.(本社を下記住所に移転します)」と英訳します。

「相成りました」という日本語にこだわらずに、事実をそのまま英訳するのが一般的です。また、「decide(決定する)」を使用して「相成りました」のニュアンスを出すことも可能です。

「相成りました」の英語を使った例文

「相成りました」の英語を使った例文をご紹介しましょう。

  • It was decided that we will hold a party celebrating the 20th anniversary.(創立20周年パーティを開催することと相成りました)
  • It was decided that at the end of next month we will stop our service.(来月末を持ちましてサービスを終了することと相成りました)

まとめ

「相成りました」は”なりました”の改まった表現として用いられます。主に、新サービスリリースや本社移転など企業としての報告に用いられることが多く、業務の進捗などを報告する際には不適切です。また、「~の運びと相成りました」として使うこともありますが、「~の運び”に”なりました」は意外性のニュアンスを含む表現です。微妙な違いですが、うまく使い分けられるとよいでしょう。