「今年度」とはいつまでか?「年度」の意味や「今年」との違いも

「今年度も決算の時期が近付いてきた」「今年度も残すところあとわずか」とビジネスには「今年度」と呼ばれる期間があります。この「今年度」は「今年」とは異なる意味を持つのはもちろん、企業によって時期が異なる場合もあります。「今年度」や「年度」の意味をはじめ、「今年」との違い、使い方について解説します。

「今年度」の意味とは?

「今年度」の意味は”会計や事務のために区切ったこの1年”

「今年度」の意味は、“会計や事務処理のために区切られた、この1年の期間”です。「こんねんど」と読み、行政や学校、企業などあらゆる組織で「今年度」という表現は用いられます。

「年度」は暦と別に区分された期間

そもそも「年度」とは”会計や事務処理のために区切られた期間”のことで、「暦とは別に区分された期間」を指します。この「年度」のうち、「今年の年度・今の年度」が”今年度”で、「来年度(次の年度)」や「昨年度(ひとつ前の年度)」といった表現でも用いられます。

「年度」の区切りは4月~翌年3月が一般的

「年度」の区切りは、4月1日~翌年3月31日が一般的です。これは、法律によって定められた国や地方自治体の「会計年度」に相当します。また、学校も法律で4月~翌年3月末までを「年度」の区切りとしています。

たとえば、令和3年2月15日における「今年度」とは、”令和2年4月1日~令和3年3月31日”までの一年間を意味します。「今年度」はスタートした年にちなんで西暦や和暦で「2020年度・令和2年度」と表現することも可能です。

「今年度はいつまで?」ビジネスでの定義とは?

「今年度」がいつなのかは決算日から分かる

企業によって異なる「年度」は、その企業の決算日から割り出すことができます。決算日はその企業の「事業年度」の最終日にあたります。そのため、決算日の翌日から1年間が新しい事業年度となるのです。たとえば、3月31日を決算日とする企業の場合は「4月1日~翌3月31日」までが「年度」です。

反対に「令和2年9月期決算」として報告書を作成している企業の場合、決算日が(令和2年)9月30日ということになるため、事業年度の最終日は9月30日です。つまり、10月1日から翌年9月30日が「年度」ということになります。

法人企業の「事業年度」は自由に決められる

行政にならい4月スタートとして「年度」を決める企業も多いですが、法人企業の「年度」は企業が自由に決めることができます。企業の場合、会社の経営状態を明らかにするために、収入や支出を整理する期間として「事業年度」というワードを用いるのが通例です。

「事業年度」は4月1日~3月31日までとする法人が多い一方で、海外との取引が多い企業の場合は1月1日~12月31日を「事業年度」とするところもあります。また、10月1日~翌年9月30日までを「年度」とするなど、様々な例が挙げられます。

「今年度」の使い方と例文とは?

「今年度中・今年度いっぱい」と表現することも多い

「今年度」というワードは、”今年度中”や”今年度いっぱい”などの表現でも用いられます。また、「今年度」というと具体的にはいつを指すのか分かりにくいこともあるため、ニュースなどでは「令和4年度予算」など具体的な数字と共に使用することも多いです。

例文
  • 今年度中には結果を出したい。
  • 今年度中の契約成立を目指す。
  • 今年度いっぱいで退職することにした。

「今年度」と「本年度」は同義

「今年度」と似た表現に、「本年度」が挙げられます。「本年度」もまた”今の年度”という意味の表現ですが、「本年度」の方がやや厳格で、丁寧な表現として紹介されることもあります。とはいえ、かしこまった場でも「今年度」とする例も多く、「今年度」が特段失礼に当たるというわけではありません。

「今年度もよろしくお願いします」は年度初めの挨拶

「今年度もよろしくお願いいたします」は、年度初めの挨拶です。たとえば、期初のミーティングなどで「今日から当社は2021年度に入ります。みなさん、今年度もよろしくお願いします」と使うと、”今日から始まる新しい年度もよろしく”という意味合いになります。

ただし、年度途中やあるいはお正月の挨拶としては不適切です。年明けに「今年度もよろしくお願いします」とした場合、3月末までの中途半端な表現にもなりかねません。

「今年度」と「今年」の違いとは?

「今年」の意味は”1月1日から12月31日までの1年間”

「今年(ことし)」とは、”1月1日から12月31日までの1年間”を意味します。2021年2月15日に「今年」というと、2021年1月1日から12月31日までのことです。カレンダー通りの「今の年」を意味するワードです。

「今年度」と「今年」は期間の区切りが異なる

「今年度」と「今年」は期間の区切りが異なります。「今年度」は組織や目的によって区切りが変わりますが、「今年」は単純に暦上の「年」を意味する表現です。そのため、「今年」という場合に年をまたぐことはありませんが、「年度」は年の途中からスタートすることも多いため、年をまたぐことの方が多いでしょう。

「年末調整」の対象は「今年」

行政では4月から翌年3月を「会計年度」とする例を紹介しましたが、税金の計算は「年」で行われます。そのため、税金にかかわる「年末調整」も「年度」ではなく「年」で考えます。

「年末調整」の書類は「今年の税金」を調整するためのものなので、「令和3年」の年末に記入するのは「令和3年分」と書かれた書類です。ただし、企業によっては「来年の見込み」を知るために便宜上「令和4年分」と書かれた書類を渡すところもあります。

「今年度」の英語表現とは?

「会計年度」を意味する英語は”fiscal year”

「会計年度」を意味する英語表現は“fiscal year”です。決算月の翌月からの1年間を「fiscal year」と呼び、2021年度を指して「今年度」という場合には”the fiscal year in 2021″と表現できます。

このほか、単に「this year」と表現されたり、学校における「年度」は”school year”の表現が用いられることもあります。

「今年度(年度)」の英訳例文

「今年度(年度)」の英訳例文をご紹介しましょう。

  • She was promoted to management this year.(彼女は今年度から管理職に昇進した)
  • A new school year began today.(今日から新年度が始まる)

まとめ

「今年度」とは”今の年度”を意味する表現です。「年度」とは、会計や事務処理のために区切られた期間を意味する表現で、カレンダーとは異なります。行政では4月1日から翌年3月31日と定めがありますが、企業の場合は独自に「事業年度」を決めることができます。企業の「年度」は決算日の翌日からスタートするため、決算月や決算日から判断することも可能です。