「ケルト神話」とは?「クーフーリン」や最高神・女神について解説

「ケルト神話」とはケルト人の間で伝えられた神話です。最高神「ダグザ」を中心に英雄「クーフーリン」や「三女神」、影の国の女王「スカサハ」など多くの神や女神が登場します。

この記事では「ケルト神話」に出てくる神や妖精、魔女を紹介します。加えて、ケルト神話と北欧神話の違いや馬との関係も解説しましょう。

「ケルト神話」とは?

ケルト神話はケルト人の間で伝えられた話

「ケルト神話」とはケルト人の間で伝承されてきた神話です。現代の「アイルランド」やイギリスの南西部にある「ウェールズ地方」で伝えられており、自然信仰であったため多くの神が登場します。

また、「ブリテン島」や「ガリア(現代のフランスやベルギーの一部)」でもケルト神話が言い伝えられていました。しかし、文字ではなく口頭で広まっていたことや、キリスト教への改宗が行われたことが原因で現代では失われています。

ケルト神話は4つのサイクルに分けられる

アイルランドに伝わるケルト神話は、4つのサイクルに分けられます。「神話サイクル」「アルスターサイクル」「フェニアンサイクル」「歴史サイクル」の4つに分かれており、それぞれ何を中心に物語が進むのかが異なります。

  1. 神話サイクル…神々の物語を中心としたサイクル。
  2. アルスターサイクル…英雄「クーフーリン」を中心としたサイクル。
  3. フェニアンサイクル…フィアナ騎士団を中心としたサイクル。
  4. 歴史サイクル…アイルランドの王を中心としたサイクル。

一方で、ウェールズ地方のケルト神話は、「マビノギオン」という書物に集録されている物語を指します。11話ある物語のなかでも、「マビノギ四枝(しし)」と呼ばれる4つの物語が有名です。

ケルト神話は「馬」と深く関係している

ケルト神話に登場する神々は、「馬」と深い関係にあります。たとえば、アイルランド語の「馬」から派生した「Eochaid(エオハズ)」という単語は、最高神「ダグザ」の別名です。また、ケルト神話の女神「エポナ」は馬やロバを司る女神として乗馬姿で描かれている他、「エポナ」という名はケルト語の「Epos(馬)」に由来します。

ケルト人の間で「馬」は狩猟や戦で必要なだけでなく、権力の象徴として特別視されていたのです。

「ケルト神話」と「北欧神話」は別物

「ケルト神話」と「北欧神話」は別物です。「北欧神話」はノルウェーやスウェーデンで広まった神話で、最高神を「オーディン」が務めています。一方で「ケルト神話」はアイルランドやウェールズ地方、ブリテン島で広まった神話で、「ダグザ」が最高神に定められています。

神話が伝わった地域や登場する神々、物語の内容も全く違うため、混同しないようにしましょう。

「ケルト神話」に登場する神・女神一覧

「ケルト神話」の最高神「ダグザ」

アイルランドで伝わっているケルト神話では、「ダグザ(ダグダ)」を最高神と定めることが多くあります。「ダグザ」はケルト神話に登場する神の一族「ダーナ神族」を統べており、豊穣と再生を司ります。

神話のなかでは、神々から頼られる戦士としてや、魔術を操る魔法使いとしての一面が描かれる一方で、神らしくない奔放さや醜さも描かれています。

「クーフーリン」は半神半人の英雄

「クーフーリン(クーフラン)」はケルト神話に登場する半神半人の英雄です。太陽神「ルー」を父にもつクーフーリンはとても美しい男性ですが、興奮すると両目の間に7つの目が現れ、筋肉が肥大化して怪物のような姿になります。

アイルランドに伝わるケルト神話では、クーフーリンを主人公とする「アルスターサイクル」という物語があります。アルスターサイクルではクーフーリンの青年時代を描いた「クーリーの牛争い」という話が有名です。

三女神の「モリガン」「マッハ」「ネヴァン」

ケルト神話に登場する三女神が「モリガン」「マッハ」「ネヴァン」です。3柱が「戦」や「破壊」「殺戮」などを司っていることから、「勝利をもたらす三女神」とも呼ばれます。神話の中では「モリガン」「マッハ」「ネヴァン」が姉妹であることが記されており、そろって戦の神「ヌアザ」の妻を務めます。

彼女たちの名前はいくつもあり、「モリガン」は「モリグー」や「モーリアン」、「マッハ」は「ヴァハ」、「ネヴァン」は「バズヴ」や「バイヴ」とも呼ばれるため、混同しないよう注意しましょう。

神話に登場する神・女神一覧

  • ルー…太陽神。英雄「クーフーリン」の父であり、魔術や医術などを得意とした。
  • バロール(バロル)…全てを破壊する魔眼をもつ神。孫であるルーに殺される。
  • シロナ…泉の女神。天文の女神。医療と生命を司るとも言われる。
  • ブイ…氷の女神。太陽神「ルー」の妻。
  • アヌ(アナ)…豊穣を司る大地の女神。
  • アリアンロッド…美しい女神(または女性)で、マビノギオンに登場する。
  • ケリドウェン…月と冥界の女神。魔女としての一面も持つ。

「ケルト神話」の魔女や妖精を紹介

「九人の魔女」はアーサー王伝説に登場する

「九人の魔女」とはケルト神話のアーサー王伝説に登場する、魔女の集団です。九人の魔女は「モーガン・ル・ファイ」を長女とした九姉妹であるとも言われており、魔女や巫女、妖精など様々な側面を持ちます。

当初はアーサー王の傷を癒す善良な魔女として描かれたモーガンですが、後の物語ではアーサー王の暗殺を計画するなど、敵として描かれるようになります。

「オェングス」は妖精国の王

ケルト神話に登場する多くの妖精を纏めているのが、妖精国の王「オェングス」です。オェングスは妖精王であるとともに、愛と美を司る神でもあります。オェングスが登場する物語では、彼の恋模様を描いた「オェングスの夢」が有名です。

「スカサハ」は影の国の女王

「スカサハ」とはケルト神話のアルスターサイクルに登場する、影の国の女王です。「スカアハ」や「スカハ」とも呼ばれ、名前には「影の者」という意味が込められています。神話の1つ「エルメへの求婚」では武芸に優れていたスカサハへ、英雄「クーフーリン」が弟子入りする様子が描かれています。

まとめ

「ケルト神話」とはケルト人の間で伝わった神話であり、現代では主にアイルランドやウェールズ地方に伝わる物語を指します。多くの神や女神、妖精や魔女が登場するケルト神話は、文字ではなく口頭で伝承されてきました。そのため、現代でも明らかになっていない部分が多く存在します。

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大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。