書類を送るときに「書類送付状」を同封するのがビジネスマナーですが、その役割を理解しておけば、あまり時間をかけなくても書類送付状は作れます。今回は、「書類送付状」の意味と役割のほかに「書類送付状」のマナーも解説します。また、書類送付状の書き方の説明ではテンプレートも紹介します。
「書類送付状」とは?
「書類送付状」とは”同封されている内容を伝えるため文書”
「書類送付状」とは、“書類を郵送またはファックスで送るときに同封する文書”です。書類送付状には、挨拶文や同封されている書類の内訳の他に、同封書類に関する補足説明などが記されます。
「書類送付状」の3つの役割
「書類送付状」には主に3つの役割があります。
- 送付先への挨拶
同封されている書類を送ることが目的なのですが、書類だけを送ったのでは、相手に対して不親切であり失礼になります。そこで、書類送付状に手紙のように挨拶文を書き挨拶をすることで、相手に対して丁寧な印象を与えられます。 - 同封されている内容を伝える
書類送付状に同封している書類の内訳を書いて相手に伝えます。書類のタイトルや枚数、送付の目的などを記しておけば、封筒を受け取った相手はその中にどのような書類が入っているのかを簡単に把握できます。 - 説明を補足する
相手が書類を受け取っただけでは用を足さないときの補足説明をします。送付した書類を返送してもらわなくてはならない場合の返送締め切り日を伝えられますし、不足書類があればそれは後日送付されることなどを記します。
「書類送付状」の別称は”送り状”や”添え状”など
「書類送付状」は「送り状」や「添え状」、また「カバーレター」など様々な呼び方があります。どの呼び方であっても、その役割は書類送付状と同じです。
参照:「送り状」とは?その目的と履歴書・請求書などシーン別書き方
「書類送付状」のマナーとは?
ビジネス書類の送付に「書類送付状」は付きもの
ビジネス書類を送付するときに「書類送付状」を同封することはビジネスマナーです。書類を手渡しできれば相手に対して丁寧なのですが、それができないため申し訳ないという気持ちから、書類送付状を添付して挨拶文や同封書類の内訳を記します。
請求書や契約書などどのような文書を送る場合でも「書類送付状」は同封されます。また就職活動で履歴書など必要書類を送る場合も「書類送付状」を添付することが、社会人としてのマナーです。
個人宛に書類を送るときも「書類送付状」は同封する
書類の送り先が企業ではなく個人だったとしても「書類送付状」を同封します。
個人宛と企業宛ての書類送付状の違いは、挨拶文の言葉使いの使い方です。企業宛ての書類送付状の挨拶文には「繁栄」など企業の経営状態を形容する言葉が使われてもいいのですが、個人宛の書類送付状にはこうした言葉は使われません。
個人宛には、相手を気遣うような表現、例えば「ご健勝」や「ご清祥」といった言葉がよく使われるでしょう。
「書類送付状」の書き方と注意点とは?
「書類送付状」の基本構成
書類送付状をPCで書く場合には横書きで、下記の事柄を書いていきます。
- 送付年月日:書類送付状のはじめに記される日付は、書類送付状を書いた日付ではなく、送付する日付を書きます。
- 宛先の会社名と氏名:宛先の社名や個人名を省略せずに書きます。
- 差出人の会社名と氏名:差出人の社名や氏名、住所に併せて、電話番号やメールアドレスなどすぐに連絡が取れる連絡先も書いておくと、相手に対して親切です。
- 書類送付状のタイトル:「〇〇のお知らせ」「〇〇のご案内」等
- 頭語:「拝啓」「謹啓」など
- 挨拶文と本題:送り先を気遣う文や時候の挨拶などの挨拶文に続き、書類を送る旨の文を書きます。
- 結語:頭語に合わせた結語を使います。例:「拝啓」に対して「敬具」など。
- 送付内容を「記」と「以上」でまとめる:「記」に続けて、同封書類を箇条書きにして、「以上」で締めます。
「書類送付状」は用紙1枚にまとめる
「書類送付状」は用紙1枚に、前述した構成内容を簡潔に書いてまとめます。必要以上の情報はかえって相手に時間を取らせて失礼になるので、簡潔にまとめるように心がけましょう。
「書類送付状」は手書きでもOK
「書類送付状」は手書きで書いても構いません。手書きの場合は、縦書きの白無地便箋を使い、手紙の形式で書きます。頭語、時候の挨拶、同封した書類についての情報を含む本文、結語、日付、自分の名前、宛名の順番で書いていきます。
また書き損じた場合には、新しい便箋に書き直します。
「書類送付状」のテンプレ―トと例文とは?
会社宛ての「書類送付状」のテンプレート
ここでは、請求書を送る場合の会社宛ての書類送付状のテンプレートを紹介します。詳細は、個々の案件に合わせて変えてお使いください。
個人宛の「書類送付状」の例文
個人宛の書類送付状の書き方は会社宛ての書類送付状とほぼ同じですが、挨拶文に違った表現が使われます。ここでは個人に宛てた書類送付状に書く挨拶文の例を紹介します。
拝啓
平素より格別のご厚情をいただき御礼申し上げます。〇〇様におかれましてはますますご清祥のことと存じ申し上げます。
早速ではございますが、下記の書類を送付いたしましたので、ご確認いただきますようお願い申し上げます。
敬具
まとめ
「書類送付状」とは書類を郵送かFAXで送るときに同封する文書で、送り状やカバーレターなどとも呼ばれています。書類だけを送るのではなく、書類送付状を付けることが受け取りに手に対して丁寧で社会人のマナーでもあるので、忘れずに添付するようにしましょう。
令和〇〇年〇月〇日
株式会社〇〇
〇〇部〇〇様
(送り主の郵便番号)
(送り主の住所)
(送り主の社名と氏名)
(送り主の電話番号等)
請求書送付のご案内
拝啓
時下ますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。ひごろより格別のご愛顧を承り厚く御礼申し上げます。
さて、〇〇案件の請求書を送付いたしますので、ご査収のほどよろしくのお願い申し上げます。
敬具
記
・請求書1通
以上