「経験」の意味とは?「体験」との違いや「経験する」の類語も解説

何かをしたり、見たり、聞いたりすることを「経験」と言いますが、音の響きも似ている「体験」とはどのように違うのでしょうか。この記事では「経験」の意味や、「体験」や「見聞」など似た言葉との違いを解説します。また「経験する」の類語や英語表現も紹介します。

「経験」とは?

「経験」の意味は”行ったり見たり聞いたりすること”

「経験」の意味は、“実際に行ったり、見たり、聞いたりすること”です。「それによって獲得できた知識や技能」のことも「経験」と言います。

つまり私たちが日常生活で営んでいることのあらゆることを「経験」と表現できるため、「経験」という言葉は幅広く使われています。

「経験」を使った例文

「経験」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 一人旅は、いい経験になった。
  • 人生経験が豊富な人。
  • ボランティア活動の経験がある。
  • 挫折は早いうちに経験しておいた方がいい。

「経験」と「体験・見聞・知見」との違いとは?

「体験」は「経験」よりも行為が重視される

「経験」と「体験」は、実際に見たり聞いたり行ったりするという意味では同じですが、「体験」は「経験」よりも実際にした行為に重点が置かれます。

例えば、あるコースの受講前にコースに参加して試してみる「体験レッスン」があります。「体験レッスン」を「経験レッスン」と言わないのは、「体験レッスン」では実際のコースに参加するという行為が重視されるためです。

「体験」は経験するための行為に着目されていて、一方「経験」は何かに重点が置かれることなく、見たり聞いたりするなどの行為とそれによる知識全般をとらえた言葉です。

「体験」の例文

初めてのキャンプで、たくさんの貴重な体験をした。

「見聞」とは”見たり聞いたりすること”

「見聞(けんぶん)」とは”実際に見たり聞いたりする”という意味の言葉です。「経験」との違いは、「見聞」には行うことという意味がないことです。また「見聞」は、「見聞を広める」や「見聞が広い」という言い回しでしか使われません。

「見聞」の例文

見聞を広めるために、旅行に出かけた。

「知見」とは”見ることを通して知ること”という意味

「知見(ちけん)」とは”見ることを通して知る”という意味の言葉です。「経験」は見ることだけでなく、聞いたり行ったりすることも含まれますが、「知見」は見ることに限定されます。

参照:「知見」の意味とは?「知識」「見識」「経験」との違いと使い方

「経験」を使った言い回しとは?

「経験を活かす」とは”経験を活用する”という意味

「経験を活かす」とは”経験を活用する”という意味の言い回しです。「活かす」は有効的に使うという意味で、「経験を活かす」は経験によって得られた知識や技能を有効的に使うことを指しています。

「経験を活かす」の例文

アルバイトの経験を活かして会社に貢献する。

「経験を積む」とは”経験を増やしていく”という意味

「経験を積む」とは”経験を増やしていく”という意味で、一定の期間にあることを繰り返し行うことで自分の知識や技能が身につくといった状況で使われる表現です。

「経験を積む」の例文

老舗のレストランで何年も経験を積んで、やっと一人前の料理人として独立した。

「経験する」の類語(類義語)とは?

「身をもって味わう」とは”自分の体を通して経験すること”

「身をもって味わう」とは”自分の体を通して経験する”という意味です。特に自分自身の体験を強調するときに使われる表現で、友人から怖いと聞いていたジェットコースターに実際に乗ってみたら本当に怖かったというような状況で使われます。

例文

聞いていたジェットコースターに乗って、その怖さを身をもって味わった。

「感じる」や「受ける」は”精神的に経験すること”

「感じる」や「受ける」には”精神的に経験をする”という意味があります。外からの刺激で心が動かされることは「経験」と置き換えられます。

例文
  • 暑さを感じる。(=暑さを経験する)
  • カルチャーショックを受ける。(=カルチャーショックを経験する)

「なめる」とは”つらいことを経験すること”

「なめる」とは、”舌先で味をみる”という意味以外にも、”つらいことや苦しいことを経験する”という意味もあります。嫌な経験をしたときに使われる表現で、漢字では「舐める」や「嘗める」が使われますが常用外漢字なので、ひらがなで書いた方が読みやすいでしょう。

例文
  • 辛酸をなめる。
  • 苦杯をなめる。

「知る」や「わかる」は”知識がある”という意味

「知る」や「わかる」は”知識がある”という意味で、何らかの行為を通して知識を得られるときに使われる言葉です。「経験する」よりも「知る」や「わかる」の方がより一般的な言葉なので、「経験する」を分かりやすく言い換えたい時に使えます。

例文
  • 大人になって社会の大変さを知った。
  • 酒の味が分かるようになった。

「経験」の英語表現と例文とは?

「経験」は英語で”experience”

「経験」は英語で”experience”と言います。また「experience」は動詞としても使えますので、「経験する」という意味でも使われます。

「経験」の英語例文
  • “I have a working experience.”
    「働いた経験があります」
  • “He experienced a lot of difficulty in study abroad.”
    「彼は留学でたくさんの困難を経験した」

まとめ

「経験」とは”実際にやってみたり見たり聞いたりすること”という意味です。「経験を活かす」や「経験を積む」のような独特の言い回しもよく使われますので、その意味を正しく覚えて使ってみましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。