「認識」の意味・使い方とは?「理解」「認知」との違いも解説

「~と認識しています」「認識不足でした」という表現は、ビジネスシーンでしばしば用いられます。この「認識」とは具体的にどういった意味を持つのでしょう。「認識」の意味と使い方について解説します。また、「認識」と似た表現である「理解」「認知」との違いや別の言い方についても触れています。

「認識」の意味とは

「認識」とは「本質・意義を理解すること」という意味

「認識」とは、「ある物事を知り、その本質や意義を理解すること」を意味します。また、「本質や意義を理解しようとする心のはたらき」という意味もあります。

「認識」には哲学用語、情報工学用語としての側面も

「認識」は、哲学の分野では「意識の基本的なはたらきのひとつ」とされ、「事物が何であるかを知ること」という意味です。また、情報工学においてはコンピュータが外部からの情報(音声や画像など)を判別し、意味づけをすることを「認識」と言います。「画像認識」「音声認識」がその良い例です。

「認識齟齬」は解釈がかみ合わないことを意味する

「認識齟齬(にんしきそご)」とは、「認識に齟齬がある」つまり「解釈がかみ合わないこと、食い違っている様」を意味します。「齟齬」とは「物事がうまくかみ合わないこと」を意味する単語です。

「認識齟齬」とは単に「互いの解釈がかみ合わない」という意味だけでなく、相手が間違っていることを遠回しに指摘したい場合に用いられることも多い表現です。相手に「間違っている」とは言いにくいシーンで用いられます。

例文
  • 認識に齟齬があるようですので、もう一度ご説明させてください。
  • 認識の齟齬がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

「認識」の使い方と例文

「認識する」「認識を深める」と使う

「認識」は、「(そのものが)どんなものであるかを知る、理解する」という意味で「認識する」の形で用いられます。また、「より理解する」という意味で「認識を深める」としたり、「考え方をあらためる」というニュアンスで「認識を改める」としたりすることもあります。

例文
  • 十数年音信不通だったが兄の姿は遠くからでも認識できた。
  • 新しい制度について認識を深める。
  • 過去に縛られずに認識を改めるべきだ。

「認識しています」の別の言い方は「~だと解釈しています」

ビジネスシーンでは「認識しています」と使うことが多いですが、この場合は「~だと解釈をしています」という意味です。より簡単な言い方をすると「~だと思っています」とも言い換えることができるでしょう。

たとえば、「納品は月末だと認識しています」は「納品は月末だと解釈しています(=月末に納品されると思います)」という意味です。ビジネスでは「~だと思います」という言い回しは個人的な考えに過ぎず、やや不確かな印象を与えることがあることから「認識しています」の表現がしばしば重宝されます。「~という認識でよろしいでしょうか」も「~という解釈(考え)でよろしいですか?」という意味です。

例文
  • 次回の定例会議は来週木曜日と認識していますが、よろしいでしょうか。
  • A議員の汚職が話題となっているが、私は事実ではないと認識している。

「ご認識ください」は敬語でも避けた方がベター

「認識」の敬語表現は「ご認識」です。ただし、「ご認識ください」と使うと「知っていてください、分かってください」という意味になり、上からの威圧的な表現となります。そのため、督促などを除き、余程緊迫した状況以外では避けた方がよい表現です。

例文
  • 従業員はみな不安に思っていることをどうぞご認識ください。
  • 次回期日までにお支払いいただけない場合、法的処置を取らせていただきますことをご認識ください。

なお、「知っておいてください」という意味では「ご承知おきください」「ご了承ください」「お含みおきください」などの表現が用いられるのが一般的です。

「認識が甘い」は「認識不足」を意味する言い回し

「認識が甘い」とは「十分に理解していない、認識が不十分である」という意味です。特に「(理解しているつもりだろうが)短絡的である、楽観的過ぎる」というニュアンスをも含む表現です。

例文
  • それだから君は認識が甘いと言われるんだ。
  • 僕の認識が甘かったようだ。

また、似た表現では「認識不足」も挙げられます。「認識不足」とは「物事を十分に理解していない様」をさし、適切な判断が行えないような状況を指します。

「共通認識」は「共通の意識を持つこと」

「共通認識」とは「共通の理解、意識を持つこと」を意味します。「複数の人が同じように理解している事柄」を指して用いられます。「共通認識を持つ」「共通認識を高める」などの言い回しで用いられます。

「認識」の類語とその違い

「認識」の類語は「認知」

「認識」と似た意味を持つ単語は「認知」です。「認知」とは「ある事柄をはっきりとみとめること」という意味です。

ただし、「認識」と「認知」にはニュアンスに違いがあり、一般に「認識」の方が深い意味合いを持つとされています。「認知」とは単に「知る、認める」という意味に過ぎませんが、「認識」は「物事の内容や意義まで深く理解する」という意味で用いられます。「認識が深い」「認識が甘い」などの表現が可能なように、知ることにによって得られた知識も意味する点も相違点と言えるでしょう。

「理解」とは「筋道がわかること、意味を飲み込むこと」

「理解」とは、「物事の筋道(道理)が分かること、意味を飲み込むこと」や「よくわかったと確信すること」を意味します。「理解」と「認識」はいずれも「知る」というニュアンスを持ちますが、「理解」は「人の気持ち、感情を察して確信する」という意味でも使える点が特徴的です。「認識」は人の心情に対して「気持ちを認識する」という使い方はしません。

「認識」の英語表現

英語では「recognition」

英語で「認識」を意味する単語は「recognition」です。動詞では「recgnize」となります。また「理解」を意味する単語「undestanding」に「認識」という和訳が宛てられることもあります。

例文
  • I recognize that fact.(私はその事実を認識する)
  • Is my recognition of that correct?(私の認識は正しいですか?)
  • My understanding of that was naive.(私の認識が甘かった)

まとめ

「認識」とは「物事の本質や意義を深く理解すること」を意味します。ビジネスシーンで耳にする「認識しています」とは「~と解釈しています」「~と思っています」などと言い換えることができるでしょう。ただし、「知っておいてください」という意味で「ご認識下さい」と使うのは、やや威圧的な表現になるため避けた方が無難です。目上の人には「ご了承ください」などの表現がベターです。