「総括」の意味と使い方とは?「統括」との違いや書き方も解説

「イベントの総括をする」「総括を書く」など、物事の締めくくりや報告書の末尾に「総括」があります。「総括」を求められたら、何をどう書けばよいのでしょう。「総括」という単語の意味、使い方をはじめ、「総括」の書き方について紹介します。また、類語「統括」との違い、英語訳についても触れています。

「総括」の意味とは?

「総括」の意味は”ひとつにまとめること”

「総括」の意味は、“ばらばらのものをひとつにまとめること”です。「全体をとりまとめること」を意味したり、「考えなどを整理してひとつにまとめること」を指して「統括」と言います。

ビジネスシーンでは「成果や反省点を評価すること」を指す

「統括」には労働運動や政治運動において、“その活動の内容や成果などを評価・反省すること”という意味もあります。そこから、ビジネスシーンでは「物事の全過程を評価すること、成果や反省点を評価すること」の意味で用いられることも多いです。また、活動の報告から評価までをすべてひっくるめて「総括」ということもあります。

「総括」の使い方と例文とは?

「総括する」は”とりまとめる・評価する”の2通りの意味

「総括」は”総括する”の形で用いられることが多く、この場合は「ひとつにとりまとめる」と「成果等を評価する」の2通りの意味にとることができます。たとえば、「意見を総括する・会議を総括する」などは”ひとつにとりまとめる”の意味になりますが、「今期の活動を振り返り、総括する」と使った場合は、「評価する」のニュアンスになるでしょう。このほか「ひとつにとりまとめて、評価する」のように、どちらの意味にもとれる場合もあります。

例文
  • 会議で出た意見を総括するのは私の役目だ。
  • 議論を総括するまでもなく、この案件の難しさは際立っている。
  • 来週の面談までに各自、自分の業績を総括しておくように。
  • 活動内容を総括し、理事会で報告する。

「総括的」とは”取りまとめて扱う様”を指す

「総括的」とは、”全体をひとつにまとめて取り扱う様、大きく一括りとしてまとめて扱う様”を指す表現です。たとえば、「総括的な意見」とは”全体の考えをまとめた意見”という意味です。

「総括原価方式」とは”供給原価に基づき料金を決める方法”のこと

「総括原価方式」とは”供給原価に基づいた料金決定の方式”のことです。安定した供給が求められる電気やガス、水道の料金に適用されている料金決定方法で、それぞれの料金は法律によっても定められています。公共性の高いサービスに対して適用されるのが特徴です。

「総括表」は給与支払報告書の表紙となるもの

「総括表」とは”総括した表”のことですが、一般には企業が市区町村に提出する「給与支払報告書」の表紙となる書類を指します。

「給与支払報告書」とは従業員ひとりひとりの年間の給与額を報告する「個人別明細書」とそれらを区分しまとめた「総括表」から構成されます。この「給与支払報告書」は事業主の義務であり、「総括表」には事業所のうち何人の従業員の「個人別明細書」を提出するのか、住民税の徴収内訳などが記載されています。

「総括」の書き方とは?

ビジネスでは報告書や企画書の末尾に「総括」を書く

ビジネスシーンでは、報告書や企画書など様々な文書の末尾に「総括」を記載することがあります。これまで記載した内容について、反省点や今後の課題を記載する他、提案書や企画書では全体の内容を簡単にまとめたものを記載することも多いです。その内容は文書の種類によって変わってきます。

仕事の成果と課題の両方を書くのが通例

一般に、報告書における「総括」では成果と課題の両方を書きます。いずれも要旨を簡潔に記載するのがポイントです。

記載例
  • チーム全体としての達成率は前期比**%アップと健闘したが、期初の目標にはあと一歩及ばなかった。
    AやBについては、特にひとりあたりの予算の見直しや効率化を図る必要がある。
  • 売り上げ目標は達成したものの、内訳で見ると**の部分が弱い。今期における社会情勢の変化やそれに伴う生活様式の変容に伴うものと判断されるため、当社も===へとシフトするのが望ましい。

「総括」と類語「統括」との違いとは?

「統括」とは”上の人が下の人を取りまとめる”という意味

「統括」もまた”まとめる”という意味を含む表現ですが、「統括」とは”上の立場の人が下の人をとりまとめる”という意味です。人や組織に対して用いられるのが特徴で、「支配的にまとめる」という意味合いを持つ点で「総括」とは異なります。

例文
  • 彼はこのエリアを統括するマネージャーだ。
  • 統括する人によって組織は大きく変わる。

「総括」のその他の類語は”包括”

「総括」と似た意味を持つ単語では”包括”も挙げられます。「包括」とは”全体をひっくるめてまとめること”という意味を持ちます。「総括」と似た意味ではありますが、「総括」には”結論を出すためにまとめる、まとめあげ何らかの結論を出す”というニュアンスを含む点で異なります。

その他には、「総まとめする・要約する」などの表現も「総括する」の言い換えに使える表現です。

「総括」の英語訳とは?

「総括」は英語で”summarization”が用いられる

「総括」は英語では“summarization”の単語が用いられます。「summarization」には”総括”のほか”略述・要約”などの意味を持ちます。また、ほかにも「sumary」や「generalization」も”総括”の和訳が宛てられる単語です。

「総括する」と動詞にした場合は「summarize」や「generalize」「sum up」を使用します。

例文
  • generalization of problems(問題の総括)
  • summarization of the discussion(議論の総括)
  • Please summarize the information thus far.(これまでの情報を総括してください)

まとめ

「総括」とは「ひとつにまとめあげること」「(活動などの)成果や反省点を評価すること」という意味を持つ単語で、ビジネスシーンでは両方の意味を込めて「総括」と使用することもあります。また、単に「まとめる」だけでなく「結論付けをする、結論を出す」というニュアンスを含んで用いられるのも「総括」の特徴です。報告書や会議棟で「総括」を求められたら、成果と課題の両方を簡潔に提示することで次につながる「総括」とすることができるでしょう。