「行動指針」の意味とは?「企業理念」との関係や作り方も解説

企業には「企業理念」と同時に「行動指針」があります。この「行動指針」はどういった内容を記載し、またどう活用するものなのでしょう。「行動指針」の意味や目的をはじめ、「行動指針」と「企業理念」の関係やその作り方について解説します。また、個人としての「行動指針」の作り方にも触れています。

「行動指針」の意味とは

「行動指針」とは「どう行動するかの基本方針、具体的計画」

「行動指針(こうどうししん)」とは、「どう考え、どう行動するのかの基本となる方針、具体的な計画」を意味します。「指針」とは、「物事を進めるうえでよりどころとなるもの、基本的な方針」という意味を持つ単語で、「行動指針=行動するための基本方針」と言い換えられるでしょう。

たとえば、何かを行う際の進むべき道やその導きとなるもの、目的を成し遂げるための具体的な行動内容、などを指して「行動指針」と言います。

「行動指針」は「クレド」とも、英語では「action agenda」

「行動指針」はカタカナで「クレド」とも呼ばれます。「クレド」とは、ラテン語で「信条、志」などの意味を持つ単語ですが、「従業員が心がけるべき信条」という意味で「行動指針」を指すカタカナ語として用いることがあるようです。ただし、「行動指針」だけでなく企業理念」「行動理念」などの意味でも「クレド」と使用されることがあります。

一方、「行動指針」の英訳では「action agenda」や「action guideline」など表現が一般的です。「guidelines for action」といった表現をされることもあります。

「行動指針」の例文

  • 行動指針を作成する。
  • 行動指針を見れば、社員に求められていることがわかる。
  • 行動指針も企業研究の重要な情報源だ。

企業における「行動指針」とは

企業において行動指針とは「企業理念達成のための規範となる行動」

企業の「行動指針」というと、一般にはその企業が掲げる「企業理念」や「経営理念」を達成するために、どう行動すべきかを表したものを指します。「企業理念」というやや抽象的なものを具体化したものが「行動指針」であり、「行動規範」とも呼ばれます。

なお、「企業理念」以外に、「行動理念」を掲げる企業もあります。ここでいう「行動理念」とは、「企業理念」を達成するためにどういった考えを持つべきかを記したものです。「行動理念」は考え方を、「行動指針」はそれを具体的な行動へと落とし込んだものという点で区別されます。

「行動指針」は従業員の行動の基準となる

「行動指針」には「ルール」というほどの強制力はありませんが、従業員の共通認識として、振舞い方の基準を示すものです。「行動規範」とも呼ばれるように、基準・手本として、従業員の向かう方向を統一する役目も担います。

「行動指針」の作り方:企業の場合

「行動指針」は企業理念達成のために必要な行動から作る

「行動指針」を作る際には、「企業理念」や「行動理念」の実現に必要な行動をリストアップするところからはじめます。「どうすれば企業理念を実現できるのか」という「HOW(どう)」の部分に焦点をあて、具体的な行動を挙げます。たとえば「顧客満足の獲得」の実現には、高品質の商品を生み出す・顧客ニーズにこたえる・顧客の声に耳を傾ける・接客レベルを上げるなどの行動案が出るでしょう。

このほか、自社の従業員に「こういった行動をとってほしい」というような「推奨される行動」を基に「行動指針」を組み立てる方法もあります。加えて、従業員の働きやすい環境づくり、福利厚生に言及する「行動指針」も持つ企業も多いです。

ユニークな言い回し、面白い言葉選びも参考に

「行動指針」では、自社の言葉で表現するのもポイントです。共感を得られるような「行動指針」を目指す際には、分かりやすさだけでなく読みやすさにこだわった言葉選びもひとつの方法です。

たとえば、「株式会社○○は~~します」のように文体をそろえるパターン、「法令順守」「環境保全活動」「研究開発」と熟語を並べる例もあります。いずれも、キャッチーな表現を掲げ、詳細を後述で補足します。

文末をそろえるパターン
  • ●●株式会社はすべてのお客様を大切にします。
    ー品質や安全性の確保、個人情報の保護に努めます。
  • わたしたちはすべての従業員が働きやすい環境を作ります。
    ー法令を遵守し、あらゆるハラスメントを防止します。ワーク・ライフ・バランスの実現を推進します。
単語で提示するパターン
  • 顧客満足の追求ー期待を超えるサービスの提供
  • 環境保全ー持続可能な開発、持続可能な社会への貢献
  • 安心、安全な取り組みー従業員が安心して働ける組織作り

「行動指針」の作り方:個人の場合

個人で「行動指針」を持つことのメリット

個人としての「行動指針」は、「この考えだけは貫く」という信念を具体化したものともいうことができます。簡単な例でいうと、「21時以降は残業をしない」というのも「行動指針」のひとつです。

自分で決めた「行動指針」を心に留め置くことで、行動の「軸」ができます。それによって自分の行動に自信が持てる、目標達成の励みとなる、安定感のある人材となれる、などのメリットにつながります。

目標のために「どうするべきか」を考えて作る

企業の「行動指針」がそうであったように、個人の「行動指針」も何らかの目標を前提として作成します。たとえば、「営業でトップを目指す」「3年以内にマネージャーを目指す」など、まずは何らかの目標を立て、そのために「どうするべきか」を考えながら「行動指針」を組み立てるのが有効です。

個人の「行動指針」の例

「3年以内にマネージャーとなる」ための行動指針

  • ○○の資格を取得する
  • 顧客へのヒアリング力を強化する
  • 一つ先のタスクまで明確にする
  • 広い視野を養うため、日々全体の進捗状況を追う

まとめ

「行動指針」とは「どう行動するかの基本的な計画、方針」のことです。一般に、企業が掲げる「企業理念」「行動理念」に対し「(その)理念を実現するための、規範的な行動」を挙げたものを指して「行動指針」と使われることが多いでしょう。「行動指針」はまず、「何を成し遂げたいのか」の目標を明確にしたうえで作成するのが基本です。「その目標に対してどう行動すれば達成できるのか」を具体的に考えながら行うと、「行動指針」作りもスムーズに運びます。