「ヘカトンケイル」とは?ギリシャ神話での登場シーンを解説

「ヘカトンケイル」とはギリシャ神話に登場する3体の巨人です。奈落「タルタロス」の門番を務める彼らですが、実は幽閉される側だったことを知っていますか?

この記事では「ヘカトンケイル」のギリシャ神話での登場シーンを解説します。加えて「ヘカトンケイル」と「ゼウス」「キュモポレイア」との関係も解説しましょう。

「ヘカトンケイル」とは?

「ヘカトンケイル」とは”ギリシャ神話の巨人”

「ヘカトンケイル」とは、“ギリシャ神話に登場する3体の巨人”です。「コットス」と「ブリアレオース」「ギューゲース」の3体の総称が「ヘカトンケイル」であり、「ブリアレオース」は「アイガイオーン」とも、「ギューゲース」は「ギューエース」とも呼ばれます。

3体の巨人は兄弟で、大きな体にみあった強大な力を持っていました。そのため、彼らの名前には「強く大きな者」や「強い手足をもつ者」という意味が込められています。

「ヘカトンケイル」3兄弟のそれぞれの特徴

「ヘカトンケイル」3兄弟のそれぞれの特徴をご紹介しましょう。

  • コットス…一撃・突撃・怒る者を意味する。
  • ブリアレオース(アイガイオーン)…強く大きな者・力あふれる者を意味する。
  • ギューゲース(ギューエース)…強い手足をもつ者・大地を意味する。

「ヘカトンケイル」は50の頭と100の腕をもつ

3兄弟であるヘカトンケイルは、それぞれが50個の頭と100本の腕を持っています。「ヘカトンケイル」の名前には「100の手」という意味が込められており、その姿から「百腕巨人(ひゃくわんきょじん)」とも呼ばれています。

ヘカトンケイルは「ウラノス」と「ガイア」の子

「ヘカトンケイル」は天空の神「ウラノス」と、母なる神「ガイア」の間に生まれました。ガイアはヘカトンケイルを生む以前に多くの神や女神を生んでいます。そのため、古い神である「ティーターン神族」や、ギリシャ神話で最強と恐れられる怪物「テューポーン」などと同じ血を引いています。

衛星「アイガイオン」はヘカトンケイルの別名

宇宙に浮かぶ惑星や衛星には、ギリシャ神話に登場する神々の名前が付けられています。2008年に発見された土星の53番目の衛星には、「アイガイオン」という名が付けられました。「アイガイオン」はヘカトンケイルの1体である、ブレアレオースの別名「アイガイオーン」が由来しています。

「ヘカトンケイル」の神話での登場シーンとは?

ヘカトンケイルは生まれてすぐ幽閉される

「ヘカトンケイル」は生まれてすぐ、奈落である「タルタロス」へ幽閉されます。ヘカトンケイルのあまりの醜さを父であるウラノスが嫌い、奈落へ追いやったのです。ヘカトンケイルの幽閉を悲しんだガイアは、ヘカトンケイルの兄にあたる「クロノス」へ彼らの解放を依頼します。

クロノスは原初の神々の王であるウラノスを倒し、2代目として王の座を獲得します。しかし、ヘカトンケイルの怪力を恐れたクロノスは、ガイアとの約束を破ってヘカトンケイルを幽閉し続けたのです。

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タルタロスからの解放を条件に戦争へ参加

ウラノスが倒されてもなお、幽閉され続けているヘカトンケイル。クロノスに約束を破られたガイアは、ゼウスにヘカトンケイルの解放を依頼します。その時、地上ではクロノスが率いる巨人族「ティーターン」と、ゼウスが率いる「オリュンポスの神々」との戦争が行われていました。

長い間決着がつかない戦いに対し、ガイアは「ヘカトンケイルを戦争に参加させればいい」とゼウスに勧めます。結果として戦争に加わることを条件に、ヘカトンケイルはタルタロスから解放されたのです。

勝利後、ヘカトンケイルは門番を務める

戦争へ参加したヘカトンケイルは100ある腕で大岩を投げ、多くの敵を倒します。10年続いた争いでしたが、ヘカトンケイルが加わったことでゼウスが率いるオリュンポスの神々が勝利しました。

ゼウスはクロノスに代わって神々の王となり、敗者であるティーターン神族はタルタロスへ幽閉されます。そして元々幽閉されていたヘカトンケイルたちが、タルタロスの門番としてティーターン神族を監視する役目を与えられました。

「ヘカトンケイル」と他の神との関係とは?

「ゼウス」はヘカトンケイルを助けた神

「ゼウス」はヘカトンケイルを助けた神様です。ガイアの助言もあり、彼らをタルタロスから救出しました。ゼウスへの恩があるヘカトンケイルは、ゼウスがオリュンポスから追い出されそうになった時、海の女神「テティス」の要請に応じてゼウスを護衛したとも言われています。

「キュモポレイア」はブリアレオースの妻

海の女神「キュモポレイア」は、ヘカトンケイルの1人「ブリアレオース」の妻です。キュモポレイアの父「ポセイドーン」はオリュンポス十二神の1柱であることから、結婚をきっかけにブリアレオースもオリュンポス神族の一員となりました。

結婚の理由には諸説あり「ブリアレオースが神々の揉め事からゼウスを助けたから」という説や、「ブリアレオースの美しさにキュモポレイアが惹かれたから」という説があります。

まとめ

「ヘカトンケイル」とはギリシャ神話に登場する巨人の総称です。「コットス」と「ブリアレオース(アイガイオーン)」「ギューゲース(ギューエース)」の3兄弟をヘカトンケイルと呼び、50個の頭と100本の腕を持ちます。

神話のなかでは生まれてすぐにタルタロスへ幽閉されますが、ガイアとゼウスにより解放され、持ち前の怪力によってオリュンポスの神々を勝利へ導きました。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。