「倦怠」の意味や読み方とは?「倦怠期」など類語・対義語も紹介

「倦怠期」というと恋愛関係や夫婦の間柄でよく用いられる表現ですが、「倦怠感」とすると体調に言及するワードになります。本記事ではこの「倦怠」について、その意味や読み方、使い方について解説します。また、「倦怠」の類語、対義語や英語訳についても紹介します。

「倦怠」の意味と読み方とは?

「倦怠」の意味は”飽きて嫌になること・だるいこと”

「倦怠」の意味は、“飽きて嫌になること、飽き飽きすること・心身が疲れてだるいこと”です。「人や物が嫌になって怠ける(なまける)こと」を指して”倦怠”することもあれば、「疲れやだるさ」を指して”倦怠”とすることもできます。

「倦怠」の読み方は”けんたい”、「けだい」とは読まない

「倦怠」の読み方は“けんたい”です。「怠けること」を意味する”懈怠”という単語は「けたい」あるいは「けだい」と読まれますが、「倦怠」の読み方は”けんたい”です。

「倦怠」の「倦」には”あきる、疲れる”という意味が、「怠」には”おこたる、なまける”などの意味があります。この二字を重ねることで、「飽きて嫌になる・だるい」という2通りの意味を持つ単語になっています。

「倦怠」の使い方と例文とは?

「倦怠感」とは”だるい、疲れたと感じる状態”のこと

「倦怠感」とは”倦怠を感じている状態”つまり、”だるい、疲れたと感じること”を意味します。単に「疲れた」という意味で使うこともできれば、風邪症状など病的なだるさを指して「倦怠感」と使うことも可能です。

なお、「倦怠を感じる」という言い回しも”心身の疲れやだるさを感じる”という意味になります。ただし「~に倦怠を感じる」とすると”~に飽きて嫌になる”という意味になり、異なるニュアンスとなる点がポイントです。

「倦怠期」は結婚生活、恋愛に使うことが多い

「倦怠期」は、一般に結婚生活や恋愛関係において”飽きや慣れから(関係に)嫌気がさすこと”を意味します。長い間一緒にいると刺激がないと感じたり、気持ちが覚めたように感じたりすることがありますが、そうした時期を指して「倦怠期」といいます。

ただし、同じ人間関係の慣れや嫌気でも、「仕事に慣れが生じチームの人間関係がうまくいかない」というような場合には使用しません。恋愛感情のある間柄に使う表現と覚えておきましょう。

「倦怠」を使った例文

「倦怠」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 昨日から言いようのない疲労と倦怠を感じている。風邪だろうか。
  • 忙しさのせいか、最近倦怠感が続いている。
  • 結婚してまだ半年だが、最近彼に倦怠を感じてしまう。
  • 最近小さな喧嘩が絶えない。倦怠期だろうか。

「倦怠」の類語と例文とは?

「怠惰」の類語は”飽き飽きする・うんざりする”

「倦怠」と似た意味の表現は“飽き飽きする・うんざりする”が挙げられます。「飽き飽きする」とは単に”飽きる”という意味ではなく「十分すぎて嫌になる、くどくてうんざりする」という意味です。たとえば「倦怠を感じる」や「倦怠期」を言い換える際に上記の表現を言い換えとして使用できます。

「怠惰」の類語を使った例文

  • 休憩中のくだらないうわさ話には飽き飽きだ。
  • 彼にはもううんざりしている。

「だるさ」という意味では「疲労・無気力」も類語

「倦怠」の”だるさ、だるいこと”という意味では「疲労・無気力」などが類語として挙げられます。肉体的、精神的に疲れたと感じる場合や活力不足を意味する単語です。他にも似た意味では「所労・気疲れ・惰気(だき)」などもあります。

また、「倦怠」の「倦」の字を使った「倦む(うむ)」という単語も言い換えに使える表現です。「倦む」には”退屈する、嫌になる”という意味の他「疲れる」という意味もあり、「倦怠」と同じように使うことができます。

「怠惰」の類語”疲労・無気力”を使った例文

  • 運動の後の心地よい疲労が好きだ。
  • 大きな仕事がひと段落して無気力に襲われている。

「怠惰」の対義語と例文とは?

反対の意味を持つのは「熱中」や「没頭」

「倦怠」と反対の意味を持つ単語では「熱中」や「没頭」が挙げられます。いずれも物事に集中すること、夢中になってすることを意味します。

「怠惰」の対義語を使った例文

  • 仕事に没頭してしまい、気づけば終電だった。
  • この頃の妻は韓流スターに熱中している。

「倦怠」の英語訳とは?

「だるさ」は英語では”fatigue”や””dullで表現

「倦怠」のもつ「だるさ」の意味では“fatigue”“weary”を使って英訳します。「fatigue」には”疲労、疲れ”という意味が、「weary」にも”疲れた、疲労した”という意味があります。また”鈍い”という意味を持つ「dull」や”重い”という意味の「heavy」も、「体が重い」というニュアンスで「倦怠感」という意味を表現することが可能です。

例文
  • I feel a bit weary for a while.(このところ倦怠を感じている)
  • I feel dull. (体がだるい)
  • I feel it was fun but there is also a sense of fatigue…(とても楽しかったけど、倦怠感もある)

「飽き飽きする」は”get tired of”で表現

「飽き飽きする」という意味は“get tired of”と英訳できます。たとえば、「I got tired of waiting for him.」は”私は彼を待つのにはもう疲れた”と和訳されます。また「grow tired of」も”~嫌になる、~に飽き飽きする”という意味を持つため、「倦怠」や「倦怠期」の英訳として使用できる表現です。同じく「倦怠期」を意味する表現では「rough patch」もあります。

例文
  • They’ve grown tired of their married life.(彼らの結婚生活も倦怠期に入った)
  • We are going through a rough patch. (今は倦怠期だ)

まとめ

「倦怠」とは「飽きて嫌になること、うんざりすること」と「だるいこと」という2通りの意味を持ちます。「嫌になる、飽き飽きする」という意味では「倦怠期」、「だるい」という意味では「倦怠感」の表現でよく用いられますが、「倦怠期」は一般に夫婦や恋愛関係において用いられるのが特徴です。「倦怠」は、「疲労」や「無気力」「うんざりする」などの表現に言い換えることができますが、「倦怠」の「倦」を使った「倦む(うむ)」という表現はどちらの意味でも使える類語です。やや難しい表現ですが覚えておくと便利でしょう。