フランスの空港に降り立つと、さまざまな肌の色の人がいるのに驚かされます。誰がフランス人?それとも、みんなフランス人なの?そんな疑問にお答えするために、今回はフランスの人口や人種の割合のほかに出生率についても解説します。また、フランスの基本情報も紹介しますので、旅行前にお役立てください。
※この記事の担当:Light1(海外在住20年。クロワッサンとボルドーワインをこよなく愛しています)
フランスの人口とは?
フランスの人口は約6,700万人で世界順位22位
「フランスの人口」とは2019年時点では“約6,700万人”です。2020年の世界人口の国別統計ではフランスは22位です。1950年は11位だったのですが当時の人口は約4,200万人ですから、フランスの人口が増えているだけでなく世界的に人口が増えています。
フランスと日本の人口を比べると、日本の人口は約1億2,620万人で、フランスの人口は日本の約半分です。
農業大国フランスでは住環境は狭め
日本の人口の約半分の人口に対して、フランスの国土の面積は日本の約1.5倍あります。そのため広々した住環境を想像してしまいますが、フランスの平均床面積は約120㎡と日本の住環境に比べると広めですが、とんでもないほど広いわけではありません。その理由は、フランスは農業大国でフランスの半分以上の国土を農地で占めているからです。
フランス人口の約18%がパリのあるイル・ド・フランス集中していて、残りのフランス人は各都市に適度に分散しています。
フランスの人種の割合とは?
人種別統計を禁じているので人種の割合はわからない
フランスに訪れるとさまざまな肌の色をした人が一瞬にして目に入ってくるので、人種が混ざり合っていることが一目瞭然です。しかしどのような割合で人種が混ざっているのかはわかっていません。なぜならフランスでは人種別に統計を取ることが禁じているからです。
フランスでは、国税調査や人種に関する情報収集だけでなく、民族、政治、宗教に関する情報を集めることを1978年に法的に禁じました。人種に関する人口調査をすると人種差別を助長すると考えられているからです。
フランス国籍があればフランス人
フランスでは民族的な出自に関係なく、フランス国籍を持っていればフランス人として認められます。フランス国籍の取得には、主に下記のリストにある条件を満たしている場合に行政に申請することで国籍が取得できます。
フランスの人種差別は社会問題になっている
フランスには根強く人種差別があると言われています。具体的な差別が統計的に示されているのではないのですが、特にアラブ系と黒人に対する差別があり、警官による暴行などの事例なども報告されています。
フランスの出生率と結婚事情とは?
フランスの出生率は高水準が保たれている
1993年には1.6という低い出生率でしたが、政府が少子化対策を行った結果、2006年には出生率は2,0にまで上がりました。2017年以降、出生率はやや下降しましたが、2019年の出生率は1.8前後とヨーロッパでも高い出生率を誇っています。
フランスの出生率が高くなった少子化対策とは、行政による保育サービスの充実化と家族手当を増やしたことです。その結果、出産による経済的な不安が減って出生率も上がったと言われています。
6割は結婚をしないで出産している
日本とフランスの出産に関する大きな違いは、フランス人女性の約6割が結婚をしないで子供を産むことでしょう。でもシングルマザーというわけではありません。結婚はしませんが、パートナーとなる相手の男性と一緒に暮らして、子育ても一緒にします。
フランスではカップルが付き合い始めて間もなくすると同棲することが多く、法的に結婚しなくても子供ができたら家族として認めています。そのため結婚をしないまま家族として生活することが多く、結婚をしないで出産することも珍しくないのです。
フランスの基本情報と旅行前のお役立ち情報とは?
フランスの首都は「パリ」
フランスの首都は「パリ」で、フランスの人口が最も集中している都市です。日本からの直行便は、パリにあるシャルルドゴール空港に着陸します。
フランスの国旗は「トリコロール」
フランスの国旗は「トリコロール」と呼ばれる青・白・赤の3色の旗です。「トリコロール」はフランス語で三色のという意味の言葉ですが、フランス国旗を指す言葉としても使われます。
「トリコロール」はフランス革命で市民によって構成された革命軍の旗でした。「青」が自由、「白」が平等、「赤」が博愛を意味しています。
フランスの国歌は「ラ・マイセイエーズ」
フランスの国歌は「ラ・マイセイエーズ(マルセイユの歌)」と呼ばれ、フランス革命戦争でオーストリアへの出征時に軍隊を鼓舞するために作られた曲です。
フランスの公用語は「フランス語」
フランスの公用語は「フランス語」です。フランス語を公用語としている国は29ヶ国あり、さらに公用語ではないけれど日常的にフランス語を話している人も含めると、世界中で約3億人がフランス語を使っています。
フランスを旅行するときはフランス語が使えたほうが便利ですが、主な観光地では英語が通じますので安心して旅行に出かけましょう。
フランスは温暖で雨が多い
フランスの夏は短いですが20度を超える日が続いて過ごしやすいです。一方、11月ごろから3月までは寒く、気温が10℃を超えることはあまりないでしょう。また比較的雨が多く、雨が少ない時期は2月から3月までの2カ月程度です。
フランスに旅行する際には天候のいい夏場でも雨具は用意していった方がいいでしょう。
フランスの通貨は「ユーロ」
フランスはEU加盟国なので、通貨はEU共通の通貨「ユーロ」と補助通貨単位は「セント」です。フランス語では「ユーロ」はウーロ(Euro)、「セント」はサンチーム(Centime)と言います。
日本との時差は8時間
日本とフランスの時差は8時間で、夏はサマータイムが導入されるので7時間になります。
日本の方が時間は進んでいるので、日本で午前9時ならフランスは午前1時です。
フランスは漢字で「仏蘭西」と書く
「フランス」を漢字で書くと「仏蘭西」と書きます。「仏蘭西」は当て字で、1887年頃から使われています。それ以前は、「法蘭西」など別の字も使われていました。
参照:フランス観光のおすすめは?パリとパリ以外の都市・穴場スポット
まとめ
日本の約1/2の人口で、国土は日本の約1.5倍と広いフランス。人種差別が色濃く社会問題になっていたり、結婚をしなくても家族として生活していたりなど、日本とは社会的に大きな違いがあります。そうした違いも含めてフランスを知るというのも、おもしろいのではないでしょうか。
出生時にフランス国籍を希望する場合:
父母のどちらかがフランス国籍:
父母が外国人で、フランスで生まれた父か母を持つフランス生まれ。
婚姻してフランス国籍を希望する場合:
結婚してフランスに3年以上住んでいる正規滞在者。一定のフランス語の能力なども求められる。
婚姻以外の理由でフランス国籍を希望する場合:
結婚していないが5年以上住み、フランス語を話し、就労して安定した生活を送っていること。更に社会に関する知識なども求められる。
※特別な例:
人命救助など特別な社会貢献をした場合