「暫定」の意味と使い方とは?「暫定版」など例文と類語・対義語も

「暫定トップ」「暫定政府」「暫定版」など「暫定○○」の表現は、日常的にもよく見聞きします。幅広く用いられる「暫定」の意味と使い方について、例文で詳しく解説します。また、「暫定」の類語や対義語、「恒久」などとの関係についても紹介します。

「暫定」の意味とは

「暫定」とは「仮に決定している状態」を意味する

「暫定」とは、「現段階では仮に決定している状態」を指します。正式、本式な決定ではない臨時の措置や一時的な取り決めを意味する表現です。わかりやすくいうと「とりあえず決めること」です。「とりあえず」なので、今後変わってしまう可能性があるというニュアンスを含みます。

ただし、必ずしも変わるとは限らないのもポイントで、実際には「暫定」がそのまま本式の決定として採用されることも少なくありません。

「暫定」の読み方は「ざんてい」

「暫定」は「ざんてい」と読みます。「暫定」の「暫」は「しばらく、わずかな間」という意味、「定」は「さだめる、物事を変えない」という意味です。そこから、「暫定」と二つの漢字を重ねることで「しばらくの間は(物事の内容や形などを)変えない」という意味にとることができます。転じて「とりあえず決めること、一時的に(仮に)決定している状態」という意味で用いられています。

「暫定」の使い方と例文

「暫定○○」の表現で使うことが多い

「暫定」は「暫定○○」の形で用いられることの多い表現です。たとえば、「暫定トップ」とは「今のところはトップ」という意味になり、まだ競争段階であることを示唆します。「正式な政府が決定するまでの政府」という意味で「暫定政府」と使うこともあります。他にも「暫定版」や「暫定値」「暫定金額」などの表現で用いられます。

「暫定版」は「正式ではない、一時的な形式」

「暫定版」とは「今だけの一時的な形式」を指します。たとえば、「契約書の暫定版」というと「正式ではない内容の契約書」のことです。また、ソフトウェアの分野では試用のためのバージョンを指して「ベータ版」や「暫定版」といった表現を使います。

「暫定値」は「目安となる値」のこと

「暫定値」もまた「一時的な値」を意味し、この場合は「正式ではないものの目安となる値」に対して用いられることが多いでしょう。

たとえば最初に公表される値を「速報値」と呼び、最終確定された値を「確定値」と表現することがありますが、両者の間に位置するのが「暫定値」です。「確定値」ほどの正確性はないものの、ある程度精査された値に対して使用されるのが特徴です。

「暫定金額」は「後日精算が必要になる金額、料金」

「暫定金額」「暫定料金」とは「とりあえずの額、料金」のことです。たとえば、豪雪地帯では冬期の検針が難しいこともあり、一旦は「暫定金額」で請求し、雪が解けた5月ごろに正式な使用量を基に精算するという方法がとられています。

「暫定対策」には「応急処置」の意味合いも

「暫定対策」とは主に「一時的な対応」を意味します。とりあえずの「応急処置」といった意味合いが強く、のちに正式な対応があることを暗に含む表現です。たとえば、原因の解明に時間がかかるような場合には、「暫定対策」でまず対応し、十分な検証を経て正式な対策をする例があります。

「暫定的に~する」とは「一時的、仮に~する」の意味

「暫定」は「暫定的」の表現でも用いられます。たとえば「一時的に」「仮に」何かをする際に「暫定的に~する」と使用します。また、「暫定的な○○」の表現も可能です。

例文
  • 暫定的にわたしがプロジェクトリーダーを務めることになった。
  • 暫定的には開催見合わせとなったが、延期か中止かはまだ決まっていない。
  • 首相はあくまでも暫定的な措置だと念押しした。
  • 暫定的な考えとは述べているが、おそらく本決まりだろう。

「暫定」の類語とは

似た意味の単語は「一時的」

「暫定」と似た意味では「一時的」が挙げられます。「一時的」とは、「しばらくの間である様、長続きしない様、その場限りである様」などの意味を持つ表現です。この「一時的」と「暫定的」は似た意味ですが、「一時的」の方が「特定の期間」というニュアンスが濃いのが特徴です。「暫定的」は「仮」ではあるものの、期間に言及した表現ではありません。

例文
  • 一時的に運行中止となった。
  • 先輩が不在の間は、私が一時的に対応することとなった。

「臨時」も「暫定」の類語表現

「臨時」とは「あらかじめ決めた時ではなく、その時々の事情に応じて行うこと」を意味する表現で、「暫定」と似た使い方をします。この「臨時」は「前もってではなくその場の事情に応じて」というニュアンスを含むのが大きな特徴で、「急に」という意味を伴う点で「暫定」とは異なります。

例文
  • 臨時の取締役会を開く。
  • 最近では臨時休業の措置をとる店も多い。

「暫定」の対義語とは

「暫定」と反対の意味は「確定」

「暫定」と反対の意味を持つ表現は「確定」です。「確定」とは「はっきりと定まること、定めること」を意味します。また、「制度や計画をしっかりと打ち立てること」を意味する「確立」も「暫定」とは対義的表現です。

例文
  • プランを確定する。
  • ワークフローを確立する。

「恒久的」も反対の意味を持つ表現

「暫定」の「一時的である様」と反対の意味では「恒久」「恒久的」が挙げられるでしょう。「恒久」とは「不変であること、ずっと同じである様」を意味します。たとえば、「恒久的な対策」は「暫定的な対策」とは反対の意味になります。

「暫定」の英語訳とは

「暫定」は英語で「interim」

日本語の「暫定」は英語では「interim」を使用して表現することができるでしょう。「interim」は形容詞で「当座の、臨時の、仮の、暫定的な」といった意味を持ちます。たとえば「the interim CEO」は「暫定CEO」という意味です。

また、「一次的な、暫定的な」という意味を持つ単語では「provisional」もあります。主に法律や政治の分野で用いられ、「provisional tariffs」で「暫定税率」を意味します。他にも、「 at present(今のところ)」や「provisional(仮の、暫定的な)」なども英訳として使用できます。

「暫定」の英語例文

  • She is the best one at present.(彼女が暫定トップだ)
  • a provisional government(暫定政府)
  • This contract is provisional. (この契約は暫定的なものです。)

まとめ

「暫定」とは「仮に決定している状態」を意味する単語で「暫定○○(暫定政府、暫定版、暫定値など)」という表現のほか「暫定的に~する」「暫定的な」など幅広く使用されます。「暫定」とされる状態は「一時的なもの」であり変わる可能性があることを示唆しますが、一方で必ずしもその内容が変わるとは限りません。実際には「暫定=ほぼ確定」のニュアンスで使用されることもあるようです。ただし、誤解を招かないためには、「暫定」とした後に何らかの正式な対応をとることが望ましいでしょう。