「排斥」の意味とは?「排除」との違いや使い方を例文で解説

「排斥運動」は歴史の学習で耳にしたという記憶を持つ人も多いのではないでしょうか。「排斥する(される)」や「排斥主義」など様々な表現で用いられる「排斥」の詳しい意味と読み方、その使い方について例文で解説します。また、「排斥」の類語や英語訳など関連用語にも触れていますので、参考にしてみてください。

「排斥」の意味とは?

「排斥」とは「おしのけ、しりぞけること」という意味

「排斥」とは「受け入れられないとして、押しのけしりぞけること」を意味します。特定の人や物、思想などに対して用いられることが多く、ふさわしくない・好ましくないなどの感情から拒むことを意味する単語です。

読み方は「はいせき」、「はいそ」とは読まない

「排斥」は「はいせき」と読みます。「排斥」の「排」には「おしのける、のけものにする」という意味が、「斥」には「退ける」という意味があり、似た意味の漢字を重ねた熟語ということができるでしょう。

なお、「排斥」を「はいそ」と読むのは誤りです。「斥」の字に「そ」という音読みはなく、「はいせき」と読むのが正解です。

「排斥」と「排除」の違いとは

「排除」は「取り除くこと、なくすこと」を意味する

「排除」とは、「強制的に取り除くこと、なくすこと」という意味です。主に、いらない物に対して使われる言葉ですが、人に対しても用いられることがあります。

「排除」の「除」には「とりのぞく」という意味があることからも、「取り除いたり、なくしたりすること」という意味が推測できるでしょう。

違いは「遠ざける」は「なくす」か

「排斥」と「排除」は似た意味を持ちますが、「排斥」は「しりぞける」、「排除」は「取り除く」というニュアンスを含む点でそれぞれ異なります。「排斥」は単に遠ざけることを意味するのに対し、「排除」はその場からなくすという意味になる点が大きなポイントです。

「排斥」も「取り除く」というニュアンスで用いられることがありますが、「使わないようにする、追い出す」といった意味合いに留まる点が特徴と言えるでしょう。

例文
  • 通りを塞いでいる人々を排除する。
  • 障害物を排除する。

「排斥」の使い方と例文

「排斥する」「排斥される」が一般的

「排斥」は「排斥する」「排斥される」の表現で用いられるのが一般的です。ふさわしくない、好ましくないなどの理由から拒むこと、遠ざけることを意味します。

例文
  • 日本の歴史には異国の文化を排斥する時代があった。
  • A国の製品は高品質・高性能なのだから排斥する理由はない。
  • 彼の主張は議会から排斥された。

「排斥運動」は「排斥しようとする動き」を指す

「排斥運動」とは「排斥しようとする社会や集団の動き」を意味します。ある物事を社会的に押しのけるような動きや、特定の思想を集団で拒むことを「排斥運動」と言います。

例文
  • B国の強行政策を受け、B国製品の排斥運動が巻き起こった。
  • 海外製品の排斥運動は国内の製造業者にはプラスに働くのだろうか。

「排斥運動」という表現は歴史学習でもしばしば用いられていて、1906年のサンフランシスコにおける「日本人移民排斥運動」もその良い例です。公立学校への日本人学童の入学拒否を定める市条例は当時、国内でも大きな反発を招いたとして知られています。「排斥運動」と似た表現では、外国の事物・思想を排斥しようとする「排外運動」もあります。

「排斥主義」は「他集団に対する排斥的、敵対的な思想」

「排斥主義」とは「他の集団に対する排斥的、敵対的な思想・イデオロギー」を意味します。たとえば人種差別のように、特定の人種や民族に対する差別的な思想は「排斥主義」ということができるでしょう。「排外主義」とも似たニュアンスで用いられることもあります。

「排斥」の類語とは

似た意味の単語「排他」

「排斥」と似た意味の単語には「排他」があります。「排他」とは「自分や自分の仲間以外の者をすべて退けること、受け入れないこと」を意味する単語です。特に、グループ内で異質なものを排除するようなシーンで用いられることが多いです。

例文
  • 悪い人ではないが、排他的な雰囲気を感じる。
  • 彼は分かりやすいほど排他主義だ。

「拒絶」も類語のひとつ

「拒絶」とは「相手の頼みや要求を断ること、受け付けないこと」を意味します。単に依頼を断ることを指して「拒絶する」と使うこともあれば、「頑なに受け入れない」という強い意味合いで「拒絶」と使うこともあります。

例文
  • A国の要求は拒絶された。
  • 不祥事を機に、企業そのものが社会から拒絶されることもある。

「排斥」の英語訳

英語では「exclusion」

「排斥」は英語では「exclusion」という単語を使用します。たとえば「排斥運動」は「exclusion movement」と英訳されます。他にも、「排斥」の和訳が宛てられる単語には「expulsion」や「rejection」も挙げられます。

また「排斥」の持つ「遠ざける」というニュアンスでは「keep ~ away from」の表現を使うことも可能です。たとえば、「Everyone keeps away from him.」は「誰もが彼を排斥している」と和訳することができるでしょう。

「排斥運動」は「boycott」を使うことも可能

「boycott」は「参加を拒否する、不買同盟を結ぶ」などの意味を持つ単語で、日本語でも「ボイコット」とカタカナで用いられることがあります。たとえば「the boycott of Japanese goods」は「日貨排斥運動」、「They are boycotting Japanese goods.」は「日本製品を排斥している」と和訳することができます。

まとめ

「排斥」とは「受け入れられないとして押しのけ、退けること」という意味です。「排斥する」「排斥される」などの言い回しのほか、特定の思想等を拒む運動「排斥運動」や「排斥主義」の表現でも用いられます。「排斥」と似た意味の単語では「排除」がありますが、「排除」は「(完全に)なくす」という意味合いを持つ点で異なると覚えておきましょう。