「アステカ神話」とは?登場する神々や最高神・生贄について解説

「アステカ神話」とはアステカ文明で語られた神話を指します。人間の心臓を生贄にしていたことから、怖いイメージを持っている人もいるでしょう。

この記事では「アステカ神話」に登場する神「テスカトリポカ」や「ケツァルコアトル」を紹介します。くわえて、炎をつかさどる女神や最高神、死神についても解説しましょう。

「アステカ神話」とは?

「アステカ神話」とは”中央メキシコの神話”

「アステカ神話」とは、“中央メキシコで発展した「アステカ文明」のなかで語られた神話”です。アステカ文明は14世紀以降に栄えたと言われていますが、それ以前にもマヤ文明やトルテク文明を継承して文明が発達していました。

多くの神々が登場する神話体系や石の巨大建造物など、数々のものをつくり上げたアステカ文明ですが、1521年にスペイン人の侵略により滅亡します。それにより多くの遺産が壊され、アステカ神話の神々への信仰も弾圧されました。

「アステカ神話」では創造と破壊をくり返す

「アステカ神話」では創造と破壊をくり返す様子が描かれています。今あるのは第5の世界であり、これまでに5度の創造と4度の破壊が行われたと言われています。たとえば第1の世界はジャガーの化身である「テスカトリポカ」という神が創造しました。

人間ではなく巨人が住まう世界でしたが、ジャガーに変身したテスカトリポカによって世界は滅亡します。また、今ある5度目の世界は太陽神「トナティウ」により創造されましたが、地震によって大地は崩れ、人間は怪物に食べられて滅亡すると言われています。

「アステカ文明」では太陽へ生贄を捧げていた

アステカ文明では太陽と農業を重要視しており、崇拝のために人間を生贄として捧げていました。神話のなかでは、世界が滅亡するたびに神々は自らを生贄として捧げ、太陽となることで世界を創造します。

このことからアステカの人々の間では、神が行ったように自らの心臓を捧げることで、太陽の滅亡を先延ばしにできると信じられていたのです。

「オメテオトル」とはアステカ神話の最高神

「オメテオトル」とは、アステカ神話の最高神と言われる神です。神のなかの神として「万物の神」と呼ばれており、世界を生み出した創造神でもあります。

また、世界を創造する役目を他の神に譲ってからは、その世界を創りだした神が最高神と呼ばれるようになりました。そのため、第1の世界を創りだした「テスカトリポカ」や、今ある世界を創りだした「トナティウ」も最高神だと言われているのです。

「アステカ神話」に登場する神々とは?

「テスカトリポカ」とは悪魔と呼ばれた神

「テスカトリポカ」とは神々の中でもとくに強大な力を持っていたことから、キリスト教の宣教師から悪魔と呼ばれていました。戦闘神や闇の神として怖い一面をもつ「テスカトリポカ」ですが、第1の太陽となって世界を創造した神でもあることから、アステカ神話のなかでは重要視されています。

「ケツァルコアトル」とは文化や農耕の神

「ケツァルコアトル」とは文化や農耕をつかさどる神です。神話のなかでは第1の太陽となった「テスカトリポカ」を地へ落とし、自らが第2の太陽となって世界を創造する様子が描かれています。また、「人類に火を与えた神」や、神への生贄をやめさせた「平和の神」としても知られています。

「ミクトランテクートリ」とは死神

「ミクトランテクートリ(ミクトランテクトリ)」とは、アステカ神話に登場する死神です。北の果てにある冥府「ミクトラン」の王であり、妻とともに死者を支配しています。「ミクトランテクートリ」はずる賢い性格をしており、眼球が飛びでたような姿や鮮血のついた頭蓋骨を持っている姿で描かれます。

「ウェウェコヨトル」とは歌と舞踊の神

「ウェウェコヨトル」とは歌と舞踊をつかさどる神です。自分の楽しみのために神々を騙し、ときには人間同士が争うように仕向けることもあります。欲望のままに生きる身勝手な神のように見える一方で、芸術家などからは守り神として信仰されていました。

「アステカ神話」に登場する女神とは?

「コアトリクエ」とは炎と肥沃の女神

「コアトリクエ」とはアステカ神話に登場する地母神です。「全ての天の者を生む地球の大母神」や「炎と肥沃(ひよく)の女神」など、多くの肩書をもちます。アステカ神話では豊穣や多産をつかさどる地母神が複数登場しますが、「コアトリクエ」は最高位の地母神と言われています。

「アステカ神話」に登場するその他の神・女神

「アステカ神話」に登場するその他の神・女神をご紹介しましょう。

  • トラロック…雨と雷の神。第3の世界を創造した神で、広く信仰されていた。
  • トナティウ…太陽神。第5の世界を創造した神。
  • シペ・トテック…穀物の神。死と再生をつかさどる神でもある。
  • テテオ・インナン…大地と豊穣の女神。癒しや妊婦の女神でもある。

まとめ

「アステカ神話」とはアステカ文明で語られた神話を指します。世界は創造と破壊をくり返し、今ある世界は5度目に創られたとされています。神話のなかでは太陽が何度も滅んでいることから、滅亡から逃れるために人々は生贄を捧げていたのです。

ABOUT US
hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。