「カンファレンス」は、「経営カンファレンス」や「院内カンファレンス」という形でよく聞くワードですが、厳密にはどのような意味を持つのでしょう。「カンファレンス」の一般的な意味とあわせて、使用シーンおよび業界別に詳しい意味を解説します。
「カンファレンス」とは?
「カンファレンス」は次のような意味の言葉です。類語である「ミーティング」との違いも解説します。
英語の「conference」が語源で、意味は「会議」
「カンファレンス」の意味は、「会議」「協議」「相談」です。
日本で使われる「カンファレンス」という言葉は、元々は、英語の「conference」に由来します。日本で使用されている意味同様に、会議・協議(会)・相談などという意味の単語です。また、競技連盟という意味もあります。
日本語の「カンファレンス」も、スポーツの分野では同盟・連盟という意味で使われることもあるようです。
「コンファレンス」も同義
「カンファレンス」と似た響きの言葉で「コンファレンス」がありますが、どちらも英語の「conference」からきた言葉です。イギリス英語の発音では「コンファレンス」と聞こえることから、カタカナ語としても「コンファレンス」が使われることがあります。
同様に、「カンファランス」も聞こえ方の違いによる「カンファレンス」と同じ意味の言葉です。複数の言い方がありますが、いずれも使い方には変わりはありません。
「ミーティング」よりも大規模
「会議」という意味のカタカナ語としては、「ミーティング」という言葉もよく使用されます。両者の違いは、その「規模」にあります。
一般に、「ミーティング」はスタッフ数名~数十名で行う会議です。「社内ミーティング」がその代表的な例です。一方の「カンファレンス」は、数十人~数百人、さらには数千人まで大規模な会議にも使えます。
もちろん、社内会議でも慣習的に「カンファレンス」という言葉を使っている企業もありますが、一般的には大規模なニュアンスを含むという点は覚えておきたいポイントです。
ビジネスにおける使用例
実際に、「カンファレンス」という言葉はどのように使われているのでしょう。まずは一般的なビジネスシーンでの使用例を紹介します。
「○○会議」の意味で幅広く使える
日々、様々な会議に出席している人も多いかと思いますが、企業内の会議でも「カンファレンス」を使用する例はたくさん見られます。たとえば以下のように、「会議」という単語に置き換えて使用することができます。
- 経営カンファレンス(経営に関する会議)
- セキュリティカンファレンス(安全管理分野の会議)
- ITカンファレンス(ITに関する会議)
比較的小規模の会議にも用いられる例が増えていますが、重役が参加するようなあらたまった場や、重要事項を検討するオフィシャルな会議としての使用例が多いことがポイントです。
学会も「カンファレンス」のひとつ
「カンファレンス」には数百人から数千人規模の会議といったニュアンスがあることは先述しましたが、そのような大規模な会議の例に「学会」が挙げられます。
「学会」とは、研究者らが集まり研究成果を発表したり、その妥当性について公に検討、議論したりする場のことをいいます。注目度の高い分野や国際的な場になると、多くの研究者が集まり、規模も大きいのが特徴です。
「カンファレンスセンター」は会議専用ホテル
「カンファレンスセンター」は、複数の会議室を備えた「貸会議室」ビルや「会議専用ホテル」を意味します。就職希望者を集めた企業説明会や各種セミナーで使えるようなスクリーンを備えた会議室のほか、懇親会会場として利用できるような大広間(バンケットルーム)を備えた「カンファレンスセンター」も一般的です。
また、「会議専用ホテル」は、宿泊を伴う社員研修などでも利用されることが多いため、会議室だけでなく、客室にもデスクが用意されているのが特徴です。
医療用語としての「カンファレンス」
医療現場は一般企業よりも「カンファレンス」が身近です。病院など医療施設における「カンファレンス」の使用例を紹介します。
医師や看護師の「院内カンファレンス」
医療現場では、医師や看護師が患者の病状や治療方針などについて話す場を「カンファレンス(院内カンファレンス)」と言います。「ケアカンファレンス」というと、患者のケア(医療サービス)についての会議という意味です。他にも、「術前(術後)カンファレンス」など、様々なシーンで使用されています。
そもそも、病院では「会議」という名称が使われることのほうが少なく、医師・看護師・患者・その家族など、メンバーを問わず「協議」の場を「カンファレンス」と呼ぶのが特徴です。病院によって言葉の運用には多少差があるため、同席するメンバーなども異なります。
病院では「カンファレンス室」が一般的
「会議」という言葉のなじみが薄い病院では、会議室という言葉もあまり用いられません。「カンファレンス室(カンファレンスルーム)」といった呼び方が一般的になっています。
また、院内に備えられた「カンファレンス室(カンファレンスルーム)」は、設備面で充実した施設が多く、収容人数の多い広い部屋に、巨大スクリーンを備えた空間などが特徴です。
介護業界の「カンファレンス」とは
介護業界でも、「カンファレンス」という言葉はよく使われます。介護の現場では、様々な立場の担当者が協議するのが特徴です。詳しく解説します。
要介護者の状態・サービスの適性を検討
介護の現場における「カンファレンス」は、要介護者本人の状態・その変化を共有し、現状の介護サービスが適切かどうかを協議・検討する場を指します。
要介護者が抱える問題はもちろん、新しい課題の有無を確認し、より適切なサービスに変更する、あるいは新しく介護サービスを追加する、といった協議を行う場が「カンファレンス」です。
参加者は医師・ケアマネ・家族など
要介護者の状況を正しく見極めるためにも、介護の「カンファレンス」には様々な担当者がかかわるのが特徴です。担当主治医・ケアマネージャー(介護支援専門員)に加え、要介護者本人やその家族が同席することもあります。
要介護者本人はもちろん、身近で介護する家族の意見は、介護方針を検討する上での重要事項です。そのため、家族を交えた「カンファレンス」も介護の現場ではよく見られます。
まとめ
「カンファレンス」は会議・協議という意味の言葉で、「会議」という言葉に置き換えて幅広く使うことができます。医療や介護の現場では日常的によく使われる言葉である一方で、病院特有の「カンファレンス」があるなど、使い方には若干の差が見られるのも特徴的です。一般的なビジネスシーンでも広く使用できる言葉ですので、是非活用してみてください。