「至高」の意味とは?使い方・例文解説と「究極」との違いも紹介

「至高の技」「至高の逸品」あるいは「至高のミートソース」と料理の出来栄えを褒め称えることもありますが、「至高」とはそもそもどのような意味を持つのでしょう。また、「究極」や「至上」「最高」とはどう違うのでしょうか。「至高」の意味、使い方を例文で解説するとともに類語との違いや英語訳も紹介します。

「至高」の意味と読み方とは?

「至高」の意味は”この上なく高い、優れている”

「至高」の意味は、“この上なく高く優れていること”です。この上なく優れていて、他の何にも勝るような様を「至高」と言い表します。

「至高」の読み方は”しこう”

「至高」の読み方は“しこう”です。「至高」の「至」は”いたる、いきつく”という意味の他、”この上ない”という意味も持つ漢字です。「高」は文字通り”位置が高い事”を意味します。この二つの漢字を重ねることで「この上なく高く優れている」というニュアンスになるのです。

「至高」の使い方と例文とは?

「至高の逸品」など「至高の○○」と使う

「至高」は”至高の逸品”などの言い回しで用いられます。「逸品」とは”特に優れた品”という意味ですが、それに「至高の」を付け足すことで”この上なく優れた品”というニュアンスになります。まさに「逸品の中の逸品、最高の品」が”至高の逸品”と表現されます。

他にも「至高の技・至高の芸」と技巧の素晴らしさを表現する際に使ったり、「至高の味・至高の幸せ」と自分にとっての「この上なく優れた○○」を言い表す際に使ったりする例も多いです。

例文
  • 金曜夜の晩酌こそ、私にとっての至高の幸せであり、至高の時間だ。
  • この道のスペシャリストである彼の至高の技を継ぐ人物は現れるのだろうか。

四字熟語「至高至善」とは”最大の幸福も実現していくこと”

「至高至善(しこうしぜん)」とは道徳的に正しいことを実現するとともに、最大の幸福も実現していくこと、という意味の四字熟語です。人の生き方、生きていくうえでの信念に言及する四字熟語のひとつと言えるでしょう。

「至高者」とはコーランにおける87番目の章のこと

「至高」はイスラム教の聖典コーラン(クルアーン)の章の名称にも用いられます。それが第87番目の章「至高者」です。

コーランはイスラム教の唯一無二の神「アッラー」からの啓示をまとめたもので、全114章からなります。このコーランの87番目の章「至高者」は19の節によって構成されています。

「至高」の類語とその違いとは?

至高の類語①「至上」とは”この上ない事、最上ということ”

「至高」と似た意味の表現は“至上”です。「至上(しじょう)」には”この上ない事、最上、最高”という意味があります。「至上」は”これ以上はない、この上もない”という意味が特徴的で、「至高」よりも高い位置、一番高い位置に到達したというニュアンスです。

「至高」にも”この上なく高い”というニュアンスはありますが、「それ以上はない」というニュアンスを持つ「至上」の方が高い位置付けになります。

至高の類語②「究極」とは”つきつめて、きわめること”

「究極」とは”物事をつきつめ、きわめること”を意味し、その到達点を指して「究極」ということも可能です。「究極」はこの”つきつめて”というニュアンスがポイントで、「最後まで極めること、最後に到達するところ」という意味合いを持ちます。

また、「至高」が”優れている”と良い事柄にしか使われないのに対し、「究極」は”究極の悪人”のようにネガティブなニュアンスでも用いられます。

至高の類語③「最高」とは”一番高い事、程度が著しい様を表す”

「最高」とは文字通り”(地位や高さなどが)一番高い事”を意味します。また「程度が著しい様・最も望ましい状態」を指して「最高」と表現することもあります。

「至高」が並大抵の努力では達せない領域を指して用いられるのに対し、「最高」は日常会話でも頻繁に用いられるフランクな表現です。「この中での一番」という風に、特定の領域で最も高いものを言い表す際にも使用します。それに対し、「至高」は比べ物にならないくらい抜きんでているというニュアンスがポイントです。

「至高」の英語訳とは?

「至高」は英語で”supreme”を使う

「至高」の英語訳では“supreme”を使用します。「supreme」とは”最高の、最上の、この上ない”などの意味を持つ単語です。たとえば「supreme works」は”至高の作品”という意味に、「supreme happiness」は”至高の幸せ”を意味します。また、「the Supreme Court(最高裁判所)」という使い方も可能です。

この「supreme」は日本語の「至高」とは異なりネガティブな意味合いでも用いられます。たとえば「supreme folly」は”この上ない愚かさ”という意味です。

「supremely」や「extremely」を使った表現も

「supreme」を副詞にした「supremely(この上なく、最高に)」や「きわめて、非常に」という意味の副詞「extremely」を使って「至高」を表現することもできるでしょう。

例文

I am supremely happy when I am drinking.(お酒を飲んでいる時は最高に幸せだ)

まとめ

「至高」とは”この上なく高く、優れていること”という意味で「至高の○○」の形で主に用いられます。「至高の技」と使うと厳かな印象を受けますが、「至高の味」「至高の幸せ」と自分の好きな事柄に対して使うことも可能です。

似た意味を持つ「究極」は、「突き詰める」という意味を持つ点が「至高」との相違点と言えるでしょう。この他、「至高」よりも高い位置付けを表すワードでは「至上」があり、それぞれ微妙なニュアンスの違いによる使い分けが求められます。