「情景」の意味とは?「情景描写」や類語「風景・光景」との違いも

「情景が浮かぶようだ」と感想を述べたり、「情景描写が優れている」と評価したり、「情景」は様々なシーンで用いられます。ここでは、「情景」の意味と使い方を例文で解説するとともに、類語である「風景」や「光景」との違いについても詳しく解説します。

「情景」の意味とは

「情景」とは「心に何かを感じさせる場面」

「情景」とは「心に何かを感じさせる場面」という意味です。心を通じて感じ取る景色や心に感じさせる場面を指して「情景」といいます。

「情景」の「情」の字は「気持ちや感情」という意味、「景」の字は「有り様や景色」という意味があります。

簡単に言うと「心を動かすような場面、深く残る場面」

「情景」とは簡単に言うと、「人の心を動かすような場面」や「心に深く残るような場面」ということができます。単なる景色や風景ではなく、人の心に訴えるような場面や心を揺さぶるような場面が「情景」です。

「情景」は良い意味にも悪い意味にもなる

「情景」は良い意味で心に感じさせるものだけでなく、ネガティブな意味で深く心に残る場面を指して使われることもあります。たとえば「この世のものとは思えない程美しい景色」を指して「情景」と使うだけでなく、「事故現場の燦々たる有り様」を指して「情景」と使うことも可能です。

「情景」の使い方と例文

「情景が浮かぶ」とは「ある場面がよみがること」

「情景が浮かぶ」とは「ある場面が脳裏によみがえってくること、思い浮かべること」を意味します。たとえば、過去の記憶や思い出がフラッシュバックする様は「あの時の情景が浮かんだ」と表現し、あるキーワードや文章から頭の中に具体的なイメージが想像できた場合は「情景が浮かんだ」と使うことも可能です。

例文
  • 久しぶりに旧友と会い、あの日の情景が浮かんだ。
  • 新進気鋭の高校生作家と評価されるだけあって、彼の言葉からは次々と情景が浮かんでくる。

「情景を感じる」「情景を想像する」という表現も

「情景」は「感じる」「想像する」などの語とともに用いられることもあります。いずれも「情景が浮かぶ」と似た表現ですが、自然と頭の中にそのシーンが映し出されるというよりは、主体的で意図的なニュアンスになるでしょう。

例文

実際に行った事があるという彼女の話を聞き、その情景を想像する。

「情景描写」の意味と使い方とは

情景描写とは「登場人物の眺める光景や心情を表す景色」

「情景描写」とは、小説などにおいて登場人物が眺める光景や景色を指します。登場人物のセリフや単なる風景や景色に関する描写ではなく、登場人物の視点を通して「登場人物の気持ち」が映し出された部分や気持ちが読み取れる部分を指して「情景描写」と使うこともあります。

たとえば、主人公の不運が重なる中での「土砂降りの雨」や状況がひと段落した後の「空には虹がかかっていた」という一節。それぞれの記述は、主人公の心に通じる描写として取ることができる「情景描写」のひとつです。

「情景描写」を読み取る力は国語学習でも重要

「情景描写」は場面のイメージだけでなく、物語の展開予測のカギになることもあります。そのため、「情景描写」を読み取る力は国語学習でも重視になります。

文章を正しく読み取れているかを判断する目安として、「情景描写」に関する問題が出題されるのもそのためです。

「情景を描く」や「情景を表現する」に言い換えも

「情景を描く」「情景を表現する」は景色をただ文字や絵にするのではなく、「人の心を通じて感じられるもの」にすることを指します。「情景描写」の言い換えとしても使える表現です。

例文
  • 的確で、かつ鋭い表現で情景を描く画家。
  • 情景を表現するような写真が撮れるようになりたい。

「情景」と「景色」「風景」「光景」の違いとは

「景色」とは「自然なおもむきや眺めのこと」

「景色(けしき)」とは、「山や川、海といった自然なおもむき」という意味です。「自然の眺め」を指して「景色」と表現します。

「情景」は「景色」に含まれ、なかでも心を動かすようなものが「情景」と呼ばれます。

「風景」とは「目に映る広い眺め」を表す類語

「風景(ふうけい)」とは「目に映る広い眺め、景色」という意味です。「景色」の中でも心地よい眺めや好感が持てる様など「見ていたい」と思うものに対して使うことが多いでしょう。自然に限らず、人や町の様子に対しても使います。

「光景」とは「目に映る景色や様子」を意味する

「光景(こうけい)」もまた「目に映る景色、様子」を意味します。ただし「光景」は「目に映る景色」だけではなく、「具体的な有り様」や「人に何かを感じさせる場面、景色」というニュアンスがあるのがポイントです。

「情景」と似た意味の言葉として使えますが、「心を動かす」ほどの意味合いはありません。

「情景」その他の類語と言い換え表現

「情景」の類語には「状景」という表現も

「情景」のその他の類語に「状景(じょうけい)」があります。「心に何かを感じさせるような場面、有り様」を表す言葉です。

「情景」と同じ読み方、意味もほぼ同じ言葉として使えますが、「状景」という表現を使うことはあまりないでしょう。

「情景が浮かぶ」は「目に浮かぶ」と言い換えも

「情景が浮かぶ」は「目に浮かぶ」という表現に言い換えることができます。「光景が目に浮かぶ」「光景が瞼(まぶた)に浮かぶ」としても良いでしょう。いずれも、出来事や場面が思い出される様を言い表します。

また、「過去の記憶が思い起こされる」「思い出がよみがえってくる」という意味では「思いがよぎる」も言い換えに使える表現です。

「情景」の英語訳とは

「情景」の英語訳では「scene」を使う

「情景」は英語では「scene」や「sight」といった単語を使用します。「scene」には「場面、景色、情景」などの意味があります。「情景」の持つ「心にある感じをおこさせる」という意味を汲み、「moving scene」とすることも可能です。

また「感動的な光景」というニュアンスでは「touching sight」と英訳することも可能です。

例文
  • The scene of school life occurred to my head.
    (学校生活の情景が頭に思い浮かんだ)
  • The touching sight of the sea made him smile.
    (海の情景が彼を笑顔にした) 

まとめ

「情景」とは「心にある感じをおこさせる場面」という意味で、分かりやすく言うと「心を動かすような場面、心に残る場面」を指して用いられます。「情景が浮かぶ」と使うことが多い他、「情景」を表現する様は「情景描写」「情景を描く」などと表します。また、「情景」は良い意味で心に感じさせるものだけでなく、ネガティブな意味で心に残る場面を指しても使うことができます。