「甚だしい」の意味とは?「甚だしいにも程がある」や類語と例文も

「勘違いも甚だしい!」「甚だしいにも程がある!」とはいずれも相手を非難するような表現ですが、この「甚だしい」とはどういった意味を持つのでしょう。「甚だしい」の意味をはじめ「甚だしい○○」など使い方を例文で詳しく解説します。また、「甚だしい」の類語や英語訳についても触れています。

「甚だしい」の意味とは

「甚だしい」の意味とは「程度が激しいこと」

「甚だしい」とはわかりやすく言うと「程度が激しい」という意味です。普通の度合いをはるかに超えている様や過度である様を言い表す際に「甚だしい」と使用します。

「甚だしい」は古文でも同様のニュアンスで用いられるワードで、古くから使われている表現ということができます。

「甚だしい」の読み方は「はなはだしい」

「甚だしい」は「はなはだしい」と読みます。読みはもちろん送り仮名もおさえておきたいポイントで、「甚だしい」が正しい表記です。「甚しい」とはしないように気をつけましょう。

「甚だしい」の使い方と例文

「甚だしい○○」「甚だしく○○だ」と使う

「甚だしい」は「甚だしい○○」と名詞の前において表現することができます。たとえば「甚だしい被害」は「ひどい被害、大変な被害」と被害の程度が激しい様を表します。また、「甚だしく低下している」というと「ひどく低下している、非常に低下している」という意味です。

例文

甚だしい被害状況に誰もが絶句した。

「○○も甚だしい」も度が過ぎた様を表す

「甚だしい」は、しばしば「並外れて○○だ」という意味合いで「○○も甚だしい」と表現されます。たとえば、「勘違いも甚だしい」とは「とんでもない勘違い、ひどい勘違い」と相手を責めるようなニュアンスです。

例文
  • 初対面の相手にそこまで言うとは非常識も甚だしい。
  • 多少褒められたからと言って威張り散らすだなんて、思い上がりも甚だしい。

「甚だしいにも程がある」には非難の意味も

「甚だしいにも程がある」とは、物事が通常の度合いをはるかに超えている様を表します。単に「甚だしい」と使うよりも強いニュアンスがあり、「限度を超えている、明らかにやりすぎである」と非難する意味合いで使われます。

「甚だしい」はいい意味で使われない

「甚だしい」は基本的にいい意味ではなく、ネガティブなニュアンスで使用します。非常に優れている、度を超えて素晴らしいといったニュアンスで「甚だしい」と使うことはありません。「悪い方に度を超えている」という意味合いで使う表現です。

「甚だしい」は「量」に言及できない

「甚だしい」は悪い事柄であっても、「量」に言及する意味では使用できません。たとえば弁当の大量廃棄などフードロスを問題にする際に「甚だしい量の弁当が…」ということはできないのもポイントです。

「甚だしい」の類語や言い換えとは

「甚だしい」の言い換え表現「おびただしい」

「おびただしい」とは「程度が甚だしい、ひどい、激しい」という意味を持つ語で、まさに「甚だしい」の類語です。ネガティブな意味で程度が激しい様を表す点も共通していて、「~することおびただしい」という言い回しでしばしば用いられます。

一方で、「おびただしい」には「数や量が非常に多い、ものすごい」という意味もあります。この意味での「おびただしい」はいい意味でもネガティブな意味合いでも使用することが可能です。

「著しい」は「目立つ様、顕著な様」の意味

「著しい(いちじるしい)」とは「はっきりと目立つ様、顕著である様」という意味です。「甚だしい」と似た使い方をされる例もありますが、「著しい」と「甚だしい」の意味は少し異なります。「著しい」は「度合いがはっきりと目立つ様」、「甚だしい」は「程度が激しい」という意味で使われます。

「すさまじい」「尋常ではない」などの類語も

「甚だしい」は、「すさまじい」や「尋常ではない」「とんでもない」などの語に言い換えることが可能です。たとえば「甚だしい被害に見舞われた」は「すさまじい被害」や「尋常ではない被害」のような表現になります。

また、「勘違いも甚だしい」は「とんでもない勘違いだ」「ひどい勘違いだ」のように言い換えるとよいでしょう。

「甚だしい」の英語訳とは

「甚だしい」は英語で「extreme」「enormous」

「甚だしい」の英語訳では「extreme」や「enormous」などの語が使用できます。「extreme」には「極度の、非常な」という意味が、「enormous」には「巨大な、ずば抜けた」という意味があります。

「甚だしい」の英語訳例文

  • an enormous difference.(甚だしい違い)
  • That is an extreme prejudice.(偏見も甚だしい)

まとめ

「甚だしい」とは「程度が激しい、度を超えている」という意味で、「甚だしい被害」「勘違いも甚だしい」などの表現で用いられます。同じ「度を超えている様」でもいい意味では使用できず、極端に悪い様を指すのが大きなポイントです。また「甚だしい量の~」のように数量に言及する意味で使うことができないことも覚えておきましょう。