「逸脱」の意味と類語・言い換え表現とは?”逸脱行為”等の使い方も

「逸脱」という語は、「業務を逸脱している」のほか「常識を逸脱している」などの表現で耳にします。本記事では「逸脱」の詳しい意味とその使い方、使用例を例文で解説します。また、「逸脱」の類語や良い意味でも使える言い換え表現、英語訳についても紹介します。

「逸脱」の意味と読み方とは

「逸脱(いつだつ)」の意味は「枠から外れること」

「逸脱」とは「決められた枠から外れること、本筋からそれること」を意味し、「いつだつ」と読みます。「逸脱」は悪い方、望ましくない方へと逸れる様を指すのが特徴です。

「逸脱」は似た意味の漢字を重ねた熟語

「逸脱」の「逸」とは「それる、はずれる」という意味を、「脱」は「ぬぐ」の他「はずれる」という意味を持ちます。

つまり「逸脱」は、似た意味の漢字を重ねた熟語ということができます。

「逸脱」の使い方と例文

使い方は「逸脱する」が一般的

「逸脱」は「逸脱する」「逸脱している」の形で用いられます。たとえば「コースを逸脱する」のように物理的に本来の枠から外れるという意味だけでなく、「常識から逸脱している」「目的から逸脱している」のように目に見えない事柄に対しても使うことができます。

「業務から逸脱した依頼」のように、ビジネスシーンでは「業務から逸脱する、逸脱している」という表現でよく耳にします。業務とは関係ない私的な依頼は「逸脱している」ということができるでしょう。

例文
  • 君の主張は常識から逸脱している。
  • 業務から逸脱した依頼まで受けていては仕事にならない。

「逸脱」は褒め言葉としては使わない

「逸脱」は「枠から外れている」という意味合いでも、褒め言葉として使うことはできません。たとえば「彼女のセンスは常識を逸脱している」を「常識では考えられない程ずば抜けて優れている」という意味で使用するのは誤りです。

「常識を逸脱している=非常識」という意味になり、望ましくない方に枠から外れる様を指すのが「逸脱」の正しい使い方です。

「逸脱行動」とは規則や基準に反する行動

「逸脱行動」とは文字通り「逸脱したおこない」を指します。もう少し詳しく言うと、組織のルールや社会の基準などに反する行動を指して「逸脱行動」と使用します。

また、介護においては認知症による多動や抑制欠如などに起因する行動を指しても用いられます。

「逸脱論」とは社会学での社会的事象の研究

社会学においては、異常とされる社会的事象の研究を行うものを「逸脱論」と呼びます。たとえば、ある社会で「逸脱している」とされる行動が、なぜ「逸脱」として扱われるのかを偏見を抜きに問うことで、どのようにして社会が機能しているのかを研究するのが「逸脱論」です。

「逸脱酵素」とは血流中に流出した酵素

「逸脱酵素」とは端的に言うと「血流中に流出した酵素」のことです。本来であれば細胞内ではたらくべき酵素が何らかの理由で血液中に流出したものを指します。「本来あるべきところ(枠)からはみ出ている」という意味で「逸脱」という語が使用されています。

「逸脱」の類語・言い換え表現とは

「逸脱」の類語は「脇道に逸れる・脱線する」

「逸脱する」と似た意味の表現では「脇道に逸れる(それる)」や「脱線する」が挙げられます。いずれも本筋とは外れた方向へと進んでいくことを意味し、「話が脇道に逸れる」や「話が脱線する」などと使用されます。

「異常」も「逸脱」の類語

「逸脱」の持つ「常軌を逸した様」というニュアンスでは、「異常」も類語と言えるでしょう。「異常」とは「正常ではないこと」という意味で、言動が逸脱している様に対し「彼は異常だ」と使うことも可能です。

「逸脱」を良い意味で言い換えるなら「秀逸」

「逸脱」は悪い意味でしか用いられないことは先述の通りですが、良い意味で「枠からはみ出ている」と言い表す場合には「秀逸(しゅういつ)」を使用します。

「秀逸」とは「外れるほどに秀でている、抜きんでて秀でている」という意味です。「秀逸な作品」は「抜きんでて優れている作品」、「秀逸だった」は「抜きんでて秀でていた」というニュアンスになります。

「逸脱」の英語訳とは

「逸脱」は英語で「deviate」や「stray」

「逸脱」の英語訳では「deviate」や「stray」という語が使用されます。「deviate」は「逸脱する、外れる」という意味を、「stray」は「道からそれる」という意味を持つ単語です。

たとえば「deviate from the standard」は「標準からはずれる」、「stray from the point」は「要点からそれる」といった和訳が可能です。

「逸脱」の英文例文

    • You should not deviate from the subject.(本題から逸脱するべきではない)
  • You stray from the right path.(君は正道から逸脱している[君は道を踏み外している])

まとめ

「逸脱」とは「本来の枠から外れること、はみ出ている様」を意味します。特に組織や集団の基準、ルールなどから、望ましくない方へと外れることを指して「逸脱」と使うのが特徴です。

一方で、「逸脱」は「枠からはみ出るほどずば抜けて優れている」というように良い意味で使うことはできません。優れている様を言い表したい場合には「秀逸」を使うとよいでしょう。