「緩慢」の意味と使い方とは?「緩慢な動き」や類語と対義語も紹介

「緩慢な動き」とはどのような動作を意味するのでしょう。「緩慢」はほかにも「緩慢な人」と人に対して使ったり、「緩慢加熱/冷凍」など調理の分野でも用いられたりと幅広い使い方をする単語です。「緩慢」の意味、使い方を例文で解説するとともに、類語・対義語や英語訳といった関連用語についても紹介しましょう。

「緩慢」の意味と成り立ち

「緩慢」の意味は「ゆったりしていること、手ぬるいこと」

「緩慢」とは「動きがゆったりしていること」の意味があり、読み方は「かんまん」です。「物事の処理が手ぬるいこと」という意味もあり、「厳しくない」「テキパキしていない」「いい加減」などといったニュアンスでも用いられます。

「緩慢」の熟語の構成

「緩慢」の「緩」の字は「ゆるい、ゆるやか」という意味です。一方の「慢」の字は「なまける」や「あなどる」という意味もありますが、「緩慢」の「慢」は「ゆるやか」という意味で用いられています。つまり、「緩慢」は「ゆるやか」という意味合いを二つ重ねた熟語です。

「緩慢」の使い方と例文

「緩慢な動き」とは機敏ではない様を表す

「緩慢な動き」とは「ゆっくりとした動き、ゆったりとした動き」を意味します。「機敏ではない動き」ともいえるでしょう。ほかにも「緩慢な○○」の表現で用いられる例は多く、「緩慢な変化(=緩やかな変化、ゆっくりとしていて進まない状態)」などもよく見聞きします。

なお、「緩慢な動き」は「動作が緩慢だ」、「緩慢な変化」は「変化が緩慢だ」に言い換えが可能です。

例文

パンダはおっとりしていて緩慢な姿が特徴的だが、実は素早い動きもするらしい。

「緩慢な態度」「緩慢な人」とはネガティブな評価

「緩慢」を人に対して使うと、「動作がゆっくりとした人」というニュアンスになります。個人に対する「緩慢」は「ゆっくりとした」という意味にもなりますが、特に組織や集団を指して使う場合には「いい加減な様」のように、よりネガティブな意味合いで用いられるのが特徴です。

例文
  • 彼の緊張感のない、緩慢な態度は周囲をいらだたせる。
  • 催促したのに緩慢な対応をされた。

「金融緩慢化」とは資金の調達が容易になること

「金融緩慢化」とは、金融市場において資金の供給が需要を上回り、資金が容易に調達できる状態にあることを言います。これに対し、資金の需要が供給を上回って資金不足となっている状態は「金融逼迫(きんゆうひっぱく)」と表現されます。

「緩慢冷凍(緩慢凍結)」「緩慢加熱」という表現も

「緩慢」は、調理の分野で「緩慢冷凍・緩慢凍結」または「緩慢加熱」の表現で用いられます。「緩慢冷凍・緩慢凍結」とは、ゆっくりと冷凍するという意味です。一方、「緩慢加熱」とはゆっくり加熱することを意味します。

「緩慢加熱」では食材の甘みを引き出すなど良い効果が期待できる例がありますが、「緩慢冷凍(凍結)」は一般的な冷凍食品では用いられない方法で、「冷凍食品」として市販する商品は「急速冷凍」であることが求められます。

「緩慢」の類語とは

「微速」はゆっくりした様を表す類語

「緩慢」の類語は「微速」です。「微速(びそく)」とは「非常にゆっくりとしたさま、低速であること」を意味します。

「粗略」「不精」はいい加減な様を意味する

「緩慢」の「手ぬるい、いい加減であるさま」という意味では「粗略」や「不精」が類語として挙げられます。「粗略(そりゃく)」は「物事に対しておろそかなこと、いい加減」、「不精(ぶしょう)」は「精を出さないこと、体を動かしてやることを面倒に思うこと」という意味です。

「だらしない」も類義的な表現

いい加減というニュアンスでは「だらしない」という語も類語表現として挙げられます。「だらしない」は「きちんとしていない、しまりがない」という意味です。厳格さ、厳しさを欠くニュアンスでも用いられます。

「緩慢」と「散漫」の違い

「緩慢」と似た語では「散漫」もありますが、「散漫」は異なる意味の語です。「散漫(さんまん)」とは「まとまりのないさま、集中力に欠ける様」という意味で「注意力が散漫だ」という言い回しでよく耳にします。

「緩慢」の対義語とは

「緩慢」の対義語は「敏速」

「緩慢」と反対の意味を持つ語では「敏速」があげられます。「敏速(びんそく)」とは「動作や仕事がすばやいこと」を意味し、「ゆっくりとしていること」という意味の「緩慢」とは対義的です。

また、やや難しい表現では「敏捷(びんしょう)」も「動作がすばやいこと」を意味するため、「緩慢」とは反対の意味を持つ語です。「敏捷」には「理解や判断が早い」という意味もあります。

「急激」も対義的な表現のひとつ

「緩慢」と反対の意味の語では「急激」や「活発」も挙げられます。たとえば、「緩慢な変化」と反対の意味では「急激な変化」「活発な変化」といった表現が可能です。「急激」とは「変化が急で激しいさま」を意味し、「活発」は「生き生きとしていて活動が盛んなさま」を意味します。

「緩慢」の英語表現とは

「緩慢」の英語訳には「slow」を使う

「緩慢」の持つ「ゆっくりとした、緩やかな」という意味を持つ英単語は「slow」や「sluggish」です。たとえば「slow-moving」は「緩慢な動き」と和訳できます。「a sluggish animal」は「のっそりとした動物(緩慢な動物)」という意味です。

「slack」を使った英語訳も可能

「緩慢」の持つ「いい加減な」というニュアンスを英訳する場合は「slack」を使った英訳が可能です。たとえば、「He’s slack in his duties.」は「彼は仕事がいい加減だ、怠けている」というニュアンスになり、「彼は仕事に緩慢だ」という和訳をあてることもできます。

まとめ

「緩慢」とは「ゆったりしていること」や「処理などが手ぬるいこと」という意味です。「緩慢な動き」「緩慢な人」など、一般には「ゆったりしている」というニュアンスで使うことが多いですが、組織や集団に対しては「手ぬるい、いい加減」という意味合いでも使用します。「緩慢な人」はどちらの意味にも取れるので、文脈から判断が必要な場合もあります。