「蹉跌」の意味と使い方とは?「蹉跌をきたす」や類義語と対義語も

「計画が蹉跌した」「蹉跌をきたす」とは、いずれもうまくいかなかったことを言い表しています。この「蹉跌」の詳しい意味や読み方、使い方を例文で詳しく解説します。また、「蹉躓(さち)」をはじめとした「蹉跌」の類語や対義語、英語訳といった関連用語も解説します。

「蹉跌」の意味と読み方とは

「蹉跌」とは「しくじること」を意味する

「蹉跌」とは「うまく進まずしくじること」という意味です。挫折や失敗を意味する語のひとつで、物事が計画通りに進まずにつまずく様、行き詰る様を指します。また、競馬用語として「走っている馬がつまずき、前のめりになる」様を指しても用いられます。

「蹉跌」の読み方は「さてつ」

「蹉跌」は「さてつ」と読みます。「蹉」と「跌」のいずれも、訓読みでは「つまずく」と読むことができる漢字です。

「蹉跌」の語源は漢字の意味「つまずく」

「蹉跌」の意味は、使用される漢字に由来を持つことは「つまずく」という訓読みからも明らかでしょう。元々はこの「つまずく」というニュアンスでの使用が多かった「蹉跌」ですが、現代では「物事につまずく=しくじる、失敗する」という意味での使用が多いようです。

「蹉跌」の使い方と例文

「蹉跌する」「蹉跌した」と使う

「蹉跌」はそのまま名詞としても使用できますが、「蹉跌する」「蹉跌した」のような使い方もよく見聞きします。「蹉跌」は大きな失敗ではなく、ちょっとした失敗・しくじりを意味するのが特徴です。

たとえば、「事業が蹉跌する」というと「事業に失敗した」というニュアンスにとりがちですが、厳密には「事業につまずく」のようにうまく進まない様を表しています。

例文
  • どうやら彼の計画は蹉跌したようだ。
  • 中途半端な気持ちで取り組んでいては蹉跌するのは目に見えている。

「蹉跌をきたす」もよく使われる表現

「蹉跌」は「蹉跌をきたす」という言い回しでもよく用いられます。「きたす」とは「物事をおこらせる、結果として招く」という意味を持ち、「蹉跌をきたす」で「つまずきが生じる」といったニュアンスになります。

例文

このままでは事業に蹉跌をきたすだろう。

「同じ蹉跌を踏む」とは「失敗を繰り返すこと」

「同じ蹉跌を踏む」とは「同じ失敗を繰り返す」という意味です。一部では「蹉跌を踏む」という使い方は古くからあるものではなく、「轍を踏む(てつをふむ:先人がした失敗を繰り返す)」の誤りではないか、という指摘もあります。「同じ蹉跌を踏む=同じしくじり、失敗を繰り返す」という意味での使用は浸透しつつあるため、許容範囲とされることが多いようです。

例文

前回と同じ蹉跌を踏むつもりはない。

「蹉跌」の類語・類義語とは

「挫折」は日常的に使える類語

「蹉跌」と似た意味の語では「挫折」が挙げられます。音の響きもよく似ていますが、「挫折」とは「途中で失敗しだめになること、くじけ折れること」という意味です。日常的にも頻繁に用いられる語で、「蹉跌」よりも身近な語でしょう。

ただし、両者には微妙にニュアンスの違いがあります。「蹉跌」は「つまずき」のようなちょっとした失敗を意味するのに対し、「挫折」は「折れる」という字にも表れているように完全にやる気をそがれるようなニュアンスです。「挫折した」のほうがややダメージが強い印象を与えます。

「蹉躓(さち)」はほぼ同義語

「蹉跌」と似た語では「蹉躓」も挙げられます。「蹉躓」は「さち」と読み、つまずいたり失敗したりする様をさします。「蹉跌」とほぼ同じ意味で使うことができ、単に「足元をつまずく」という意味でも、「計画のつまずき、失敗」などを指しても使える表現です。

ただし、「蹉跌」よりも知名度が高くなく「蹉躓」の語が用いられる例はそう多くはありません。

「蹉跌」の対義語とは

「蹉跌」に明確な対義語はない

結論から言うと、「蹉跌」にはこれといった対義語は存在しません。「つまずく」という意味から考えても、明確な対義語を定義づけすることは難しいことが推察できます。

「挫折」の対義語は「貫徹」

「蹉跌」の対義語はないものの、「蹉跌」の類語「挫折」でみた場合「貫徹(かんてつ)」が対義語として挙げられます。

「貫徹」とは「物事をやり通すこと、貫き通すこと」という意味です。この「貫徹」の「やり通す」というニュアンスは、「途中でしくじる」という意味の「蹉跌」とは反対の意味に近いといえるでしょう。

「蹉跌」の英語訳とは

「蹉跌」は英語では「failure」

「蹉跌」を英語で表現する場合は「failure」を使うことができます。「failure」とは「失敗、不成功」という意味の語で「his failure in business」は「彼の事業における蹉跌(失敗)」と和訳することができるでしょう。

また、「停滞、頓挫」という意味を持つ「setback」も「蹉跌」の英語訳として使用できる単語です。たとえば「He had a setback in ~」は「彼は~で挫折した(蹉跌した)」という意味です。ただし、「failure」「setback」のいずれも英訳も、場合によっては「蹉跌」というよりも大きな失敗のニュアンスにとられることもあります。

例文

His business ended in a failure.(彼の事業は蹉跌をきたした)

「蹉跌する」は「fail」を使う

「蹉跌する」の英語訳では「失敗する、しくじる」という意味の「fail」を使った表現が可能です。たとえば「I failed in business.」は「私は仕事で蹉跌した」と和訳できます。「fail」は「fail in ~ing」の形で「~するのに失敗する」という表現でもよく用いられます。

まとめ

「蹉跌(さてつ)」とは、「計画通りに進まずにつまずく様、行き詰る様」を意味します。大きな失敗というよりは、ちょっとした失敗やしくじりを指す表現として使うのが本来の使い方です。類語では「挫折」が挙げられますが、より具体的に言うと「挫折」のほうがやる気を完全にそがれるような強いニュアンスを持ちます。