「青は藍より出でて藍より青し」の意味とは?類語や四字熟語も

「青は藍より出でて藍より青し」という故事成語を知っていますか?「藍より青し」という響きが美しいので、引用されたりタイトルに使われたりします。

しかしその言葉のそもそもの意味はあまり知られていないかもしれません。原語である漢文をひもときながら、「青は藍より出でて藍より青し」の意味を解説します。



「青は藍より出でて藍より青し」とは?

まずはじめに「青は藍より出でて藍より青し」の意味を説明し、次に出典と原文を紹介します。

意味は「努力によって修養を高めることができる」

「青は藍より出でて藍より青し」は「努力によって修養を高めることができる」という意味です。染料となる藍から染められた青い色が、もとの藍よりも青くなることのたとえです。

出典は『荀子』

出典は『荀子』という、およそ二千三百年前の戦国時代の中国の書物です。『荀子』32篇のうちの「勧学篇」に「青は藍より出でて藍より青し」のもととなった文が記されています。

「青は藍より出でて藍より青し」の漢文

全文と書き下し分

漢文の全文と書き下し分は次の通りです。

君子曰、學不可以已。青取之於藍、而青於藍、冰水爲之、而寒於水。

君子いわく、学は以てやむべからず。青は之れを藍に取りて、藍よりも青し。氷は水これをなして、水よりも寒し。

「青は藍より出でて藍より青し」の現代語訳

全文の現代語訳は次の通りです。

君子が言われた。学問は永久に継続して修めなければならないものだ。青い色は藍という草から取ってできたものだが、それはそのもとである藍よりもさらに青い。氷は水からできるが、水よりもさらに冷たい。

以上が一文となっており、「學不可以已」「青取之於藍、而青於藍」「冰水爲之、而寒於水」の3つの文がそれぞれ独立した格言としてつたわっています。

「青取之於藍、而青於藍」に書かれている「青い色は藍という草から取ってできたものだが、それはそのもとである藍よりもさらに青い」という言葉は、門人が師よりも一歩進んだ修養ができていることをたとえたものです。

そのことから、「青は藍より出でて藍より青し」の意味は「努力によって修養を高めることができる」ということを表しています。

『荀子』の著者は「荀子」

『荀子』は、「荀子」という学者が書いたものです。荀子は、終生学び続けることによってすぐれた人間を目指すことや、また自分勝手に学ぶのではなく信頼できる師のもとで学ぶことが重要だということを説いています。

そしてまた、荀子は「性悪説(せいあくせつ)」を唱えた人としても有名です。人間の生まれながらの本質を「悪」として、後天的に続ける努力、すなわち生涯学び続けることによって善に向かい、すぐれた人間になることを勧めました。

四字熟語では「出藍之誉」

四字熟語では「出藍之誉(しゅつらんのほまれ)」と書きます。次の「類語」で「出藍の誉れ」について説明します。

「青は藍より出でて藍より青し」の類語

「出藍の誉れ」の意味

「出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)」とは、「青は藍より出でて藍より青し」の言葉から派生したもので、生まれたものが、そのもとのものよりすぐれていることから、「弟子がその師よりもすぐれていること」をいいます。師を超えるすぐれた弟子をたたえるときなどに使われる言葉です。

「氷は水より出でて水よりも寒し」の意味

原文で紹介した「冰水爲之、而寒於水」は、「氷は水より出でて水よりも寒し」という故事成語となっています。水からできた氷が水よりも冷たいということから、「門人が師よりもすぐれたものになる」というたとえです。

「鳶が鷹を生む」の意味

「鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)」とは、平凡な親がすぐれた子を生むとのたとえのことわざです。

「出藍の誉れ」の例文

「青は藍より出でて藍より青し」と同じ意味である「出藍の誉れ」を使った例文を紹介します。

  • 藤井聡太プロ棋士は師をやすやすと超え、まさに出藍の誉れである。
  • 出藍の誉れである選手をコーチがないがしろにするとはもってのほかだ
  • 出藍の誉れがある門人は、生涯にわたる師弟関係を大切にするものだ
  • 子供の頃は神童と呼ばれ、のちに出藍の誉れをほしいままにした人物がいる
  • この道を究めて出藍の誉れをあずかり、師に恩返しをしたいものだ
  • いずれ出藍の誉れとなれるよう、努力を尽くしてゆきたい

まとめ

「青は藍より出でて藍より青し」とは、青い色は藍という草から取ってできたものだが、それはそのもとである藍よりもさらに青い、という意味で、門人が師よりも一歩進んだ修養ができていることをたとえた言葉です。その格言としての意味は「努力によって修養を高めることができる」ということです。

この言葉を残したのは古代中国の「荀子」という人で、人は弱い存在として生まれるが、学問を修めることによって善へ向かい、立派な人間になれるという性悪説を唱えた人としても知られています。

絶え間なく学ぶ姿勢をもたなければ立派な人間にはなれないという荀子の教えが、「青は藍より出でて藍より青し」という美しい一文にこめられています。