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「荘厳」の意味と読み方とは?例文解説と類語・対義語も紹介

「荘厳な雰囲気」「荘厳な佇まい」はよく、神社や仏閣などの様子を言い表す際に用いられますが幅広い分野で使用できる表現です。この「荘厳」とは具体的にどういった意味を持つのでしょう。「荘厳」の意味と正しい読み方について、また「荘厳な○○」「荘厳さ」などといった例文や類語、対義語についても解説します。

「荘厳」の意味とは

「荘厳」とは「重々しく、厳かで立派なこと」という意味

「荘厳」とは「重々しく、厳かなこと」「厳かで立派なこと」という意味です。そのものの様子や雰囲気が「重々しく威厳がある様」や「立派で気持ちが引き締まるような様」をさして「荘厳」といいます。

読み方は「そうげん」ではなく「そうごん」

「荘厳」の読み方は「そうごん」です。「荘」の字も「厳」の字も、どちらも「おごそか」という意味で用いられています。「厳」の字は「げん」と読むこともできますが、「荘厳」は「そうげん」ではなく「そうごん」というのが正しい読み方です。

「しょうげん」の読みでは仏教用語に

「荘厳」は「そうごん」と読むのが一般的ですが、「しょうげん」あるいは「しょうごん」と読むことも可能です。ただしこの場合、先述の意味ではなく「仏像などを美しく飾ること」という仏教用語としての意味になります。

この仏教用語としての「荘厳」は、サンスクリット語の「アランカーラ」の訳語でもあり、「仏像などを飾ること」のほか「その装飾具である冠や天蓋」をさしても用いられます。

「荘厳」の使い方と例文

「荘厳な雰囲気」は「厳かで張り詰めた雰囲気」

「荘厳な雰囲気」とは「厳かで張り詰めた雰囲気」「重々しい雰囲気」という意味になります。神秘的な空間に対して用いられることもあれば、緊張感漂う張り詰めた空気感に対しても用いられる表現です。

例文

会場の荘厳な雰囲気に早くも飲まれそうだ。

「荘厳な佇まい」は建造物によく使われる

「荘厳な佇まい」は歴史的な建造物などに使用される例をよく見聞きします。「佇まい(たたずまい)」とは、そこにあるもののあり様、醸し出す雰囲気という意味です。「荘厳な佇まい」と使うことで、「厳かで立派な様」や「重々しい雰囲気をまとった様」がイメージできます。

例文

その荘厳な佇まいは国内外を問わず多くの人を魅了している。

大自然の素晴らしさを「荘厳な自然」ということも

「荘厳な自然」とは、単なる風景ではなく、たとえば「元日に拝む初日の出」のようになかなか見ることのできない自然風景に使うことが多い表現です。気持ちが引き締まるような非日常的な自然を目の当たりにした際、あるいは神秘的な様を目にした際などに用いられます。

そのほか「荘厳な美しさ」など「荘厳な○○」の例

「荘厳」は上記以外にも「荘厳な美しさ」など「荘厳な○○」の形でよく用いられます。たとえば「荘厳な式典」「荘厳な演奏会」などが良い例です。

一方で、「荘厳な人」の表現で用いられることは一般的ではないようです。人の様子、雰囲気に対して「荘厳である」という場合は「~する姿は荘厳であった」と使う例が挙げられます。

例文

彼女が演奏する姿は荘厳で、神秘的ですらあった。

「荘厳さ」と名詞で使う例も

「荘厳」は「荘厳さ」と名詞の形で使う例もあります。たとえば「日本の神社仏閣の中でも○○の荘厳さは群を抜いている」などと使うことができます。

「荘厳」の類語とは

類語は「荘重」

「荘厳」の類語では「荘重」が挙げられます。「荘重(そうちょう)」とは「おごそかで重々しいこと、その様」「重々しくて近づきがたいこと」などの意味を持ちます。

「荘厳」も「荘重」も非常に似た意味で類語関係にありますが、宗教的なニュアンスを伴って用いられることが多いのは「荘厳」です。

「荘厳」と似た意味の語では「厳粛」も

「厳粛(げんしゅく)」とは「厳かで心が引き締まる様」を意味します。たとえば「厳粛な式典」「厳粛に受け止める」などの表現で用いられます。

他にも、「尊厳」や「壮大」などの語が言い換えに使える場合もあります。「尊厳(そんげん)」は「尊く厳かであること、気高く犯しがたいこと」という意味、「壮大(そうだい)」とは「規模が大きく、立派であること」という意味です。

「荘厳」の対義語とは

「荘厳」に明確な対義語はない

「荘厳」にはこれといった明確な対義語はありません。「重々しく、厳かで立派なこと」という意味の「荘厳」とは反対の意味を持つ語を、一語で定義付けすることは難しいようです。

類語「荘重」の対義語は「軽快」

一方、「荘厳」の類語「荘重」の対義語では「軽快」が挙げられます。「軽快(けいかい)」とは「身軽ですばやい様」「心が弾むような軽い感じであること」という意味です。

また、「荘厳」の持つ「重々しい」というニュアンスでは「軽々しい(言動に慎重さを欠く様子)」が、「立派なこと」というニュアンスでは「粗末(上等ではないこと)」が反対の意味を持つ表現として挙げられます。

「荘厳」の英語訳とは

英語では「solem」を使う

「荘厳」の英語訳では「solemn」という英単語が使用できます。「solemn」とは「荘厳な、厳粛な」という意味です。また「立派な、高潔な、素晴らしい」という意味の「noble」や、「神秘的な」という意味を持つ「mystic」が英語訳に用いられる例もあります。

「荘厳」の英文例

  • It has a solemn atmosphere.(荘厳な雰囲気をまとっている)
  • The ceremony began with solemn music.(荘厳な音楽とともにセレモニーは始まった)
  • a noble temple(荘厳な寺院)

まとめ

「荘厳」とは「重々しく、厳かな様」「厳かで立派な様」という意味です。「そうごん」と読むのが一般的ですが、「仏像などを美しく飾ること」という仏教用語としては「しょうげん」とも読まれます。神社仏閣などの佇まいや神秘的な雰囲気をさして「荘厳」と表現することが多いほか、式典の雰囲気、自然の美しさに対して「荘厳」の語を使った表現も良く見聞きします。