「驚愕の事実」「~に驚愕した」とびっくりしたことや衝撃的な事柄を「驚愕」の語を使って表現することがあります。本記事では「驚愕」の意味と読み方をはじめ、その使い方を例文で詳しく解説します。また、「愕然」や「驚嘆」といった類語との違いや言い換え表現、英語訳といった関連用語についても見ていきましょう。
「驚愕」の意味とは
「驚愕」とは「非常に驚くこと」という意味
「驚愕」とは「非常に驚くこと」という意味です。単に「驚くこと」よりも、強いニュアンスを持ちます。
「驚愕」の読み方は「きょうがく」
「驚愕」は「きょうがく」と読みます。「けいがく」と読む場合もありますが、「きょうがく」という読みが一般的です。
「驚愕」の「驚」と「愕」は、いずれも「おどろく」の意味を持つ漢字です。「おどろく」という意味を重ねることで「非常に驚くこと」という強い驚きを示す熟語となっています。
「驚愕」の使い方と例文
「驚愕する」「驚愕した」という表現が一般的
「驚愕」は「驚愕する」「驚愕した」の表現で用いられることが多いでしょう。特に、思いもしなかった突然の出来事や予期せぬ事態に対して、大きく驚く様を言い表す際に使用します。
- 突然の訃報に驚愕した。
- 社長の急な退任には誰もが驚愕していた。
「驚愕させた○○」という使い方も
「驚愕」は「驚愕させた○○」と形容詞的な使い方をすることもあります。たとえば「世間を驚愕させた事件」「家族を驚愕させた息子のニート宣言」といった使い方が挙げられます。
「驚愕の事実」とは衝撃的な事実を表す
「驚愕の事実」とは「衝撃的な事実」という意味にとることができます。「驚愕の事実が発覚!」という見出し記事はセンセーショナルな内容を思い起こさせるでしょう。
このように、「驚愕の○○」の形で用いられる例はほかにもあり、「驚愕の真相」「驚愕の展開」などといった使用も可能です。
「驚愕」は良い意味と悪い意味どちらにも使う
「驚愕」は良くない知らせや事件に対して使われることが多いですが、喜ぶべきことや良い事柄に対しても使用することができます。内容を問わず、目の当たりにした事柄や耳にした知らせが「予期せぬもので非常に驚いた」という場合に使用できる表現です。
アイドルの突然の結婚報告に世間は驚愕した。
「驚愕協奏曲」はハイドン作曲の交響曲の俗称
「驚愕協奏曲」とはオーストリアの作曲家「ハイドン(フランツ・ヨーゼフ・ハイドン)」による交響曲第九十四番ト長調の俗称です。第二楽章で突然、不意打ちのように強く演奏されるシーンがあることにちなんで、「驚愕」あるいは「驚愕協奏曲」と呼ばれるようになりました。
「驚愕」の類語や言い換えとは
「驚愕」の類語は「愕然」
「驚愕」と似た意味の語では「愕然」が挙げられます。「愕然(がくぜん)」もまた「非常に驚く様」を意味する語ですが、「驚愕」に比べるとややネガティブな印象を与えます。予想外のことに驚き、がっくりとするようなイメージが合うでしょう。
「仰天」も類語として使える表現
強い驚きを表現するフレーズに「びっくり仰天!」がありますが、この「仰天(ぎょうてん)」もまた、強い驚きを意味する熟語です。「驚愕」は深刻な驚きを意味するのに対し、「仰天」は想定外の事柄に単純に驚く、という軽快なニュアンスが特徴です。
「驚嘆」は良い意味で驚く様を表す
「驚嘆(きょうたん)」とは「びっくりして感心すること、驚き感心すること」という意味です。たとえば自分の予想よりも美しいものを目の当たりにし感心した際、想定よりも素晴らしい様に感心した際に「驚嘆する」「驚嘆した」と使います。この「感心する」というニュアンスが特徴で、「驚嘆させる演奏」というフレーズでもよく耳にします。
「驚愕する」の言い換えに使える慣用表現
「驚愕する」を言い換える際には、「腰を抜かす」「目を疑う」などの慣用表現が使用できます。いずれも予想だにしない出来事に驚く様を表し、「腰を抜かす」は「驚きやおそれのあまり立ち上がれなくなる」こと、「目を疑う」は「見間違いかと思うほどに信じられない様」を意味します。
「驚愕」の英語訳とは
「驚愕」の英語訳は「suprise」「astonishment」
「驚愕」の英語訳では「suprise」や「astonishment」といった単語が使用できます。いずれも「驚き」という意味を持つ単語です。また良い事柄に「驚愕」したという意味では「amaze(ひどくびっくりさせる)」を使うこともあります。
- I couldn’t hide my astonishment.(わたしは驚愕を隠せなかった)
- I was amazed.(私は驚愕した)
「驚愕の○○」の英語訳は「shocking」を使うことも
「驚愕の事実」「驚愕の知らせ」などの「驚愕」は「shocking」という英単語があてられます。日本語でも「ショッキングなニュース」と使う例がありイメージしやすいでしょう。たとえば「a shocking sight」は「驚愕の光景」と和訳することが可能です。
また、先述の「astonishment」を形容詞の形で使い「an astonishing facts(驚愕の事実)」とする例もあります。
まとめ
「驚愕」とは「非常に驚くこと」という意味の語で、「強い驚き」を表したい場合に使用します。「驚愕する(した)」や「驚愕の事実」などの表現でよく用いられますが、ネガティブな事柄だけでなく、「良い意味で非常に驚いた」という場面でも使える表現です。良くも悪くも、予期せぬ事柄に強い驚きを覚えた場合に使ってみてください。