「覚悟」の意味とは?「覚悟を決める」の言い回しや類義語の例文も

「覚悟を決める」や「覚悟を持つ」「覚悟の上で」など、「覚悟」は複数の表現で用いられるように、複数の意味を持つ熟語です。「覚悟」の詳しい意味をはじめ、その使い方を例文で解説します。また、「覚悟」の類義語や言い換え表現、英語訳についてもみていきましょう。

「覚悟」の意味とは

覚悟の意味とは「困難を予想し、心構えをすること」

覚悟とは「危険や困難を予想して、それを受け止める心構えをすること」という意味です。悪い事態が予想される場合に、その事態を受け止める心づもりをすることを「覚悟」と言います。

「覚悟」には「あきらめること」の意味も

一方で「覚悟」には「これから起こる辛い事態を避けられないものとして、あきらめること」という意味もあります。どんな手を講じても避けられないと悟りあきらめる様や観念する様を指し、「覚悟する」と使用するのが良い例です。

また「覚悟」には仏教用語としての一面もあり、「迷いを脱し、真理を悟ること」という意味でも用いられます。

「覚悟」の言い回しと例文

「覚悟する」「覚悟した」はよく使う言い回し

「覚悟」は「覚悟する」「覚悟した」という言い回しで使うことが多いです。困難を受け入れる心構えをする様、避けられないこととしてあきらめる心の動きを指して用いられます。

例文
  • いよいよ会社が危ないという噂が絶えず、私は減給を覚悟した
  • 大口の取引先で大失態をおかし、わたしの会社員人生ももはやここまでと覚悟した

「覚悟を決める」とは受け止める心構えを表す

「覚悟を決める」とは「困難などを受けとめる心構えをする」という意味です。困難や危険に対し心の準備をすること、心の中でしっかりとした意思を持つことを「覚悟を決める」と言います。

また、「覚悟が決まる(決まった)」と使うと、「心構えができる(できた)」というニュアンスになります。

例文
  • いい加減君も覚悟を決めたらどうだ
  • 彼の覚悟が決まったようで、来週実家に挨拶に来てくれるそうだ

「覚悟を持つ」「覚悟の上で」と心の準備を表す

予想される困難に対し相応の心構えをし、その困難を認識した上で何かをする様や事前に心構えができている様は「覚悟を持って~する」や「覚悟の上で~する」と表現します。

例文
  • 相応の覚悟を持ってのぞむつもりだ
  • 社運を大きく左右することは覚悟の上で業務にあたってほしい

「覚悟がある人」の特徴は強い意志でブレない

「覚悟がある」と言われる人は、端的に言うと「これから起こる事柄に心構えがある人」です。その特徴は、困難に立ち向かう強い意志を持っていること、またその意思が揺るがない強いものであることが挙げられます。

加えて、困難を超えてでも成し遂げたいことが明確にあること、明確なゴールを持っていることも特徴と言えるでしょう。

「覚悟」を含む名言

大きな事柄を成し遂げるにはそれなりの「覚悟」が必要なことは多く、偉大な功績を残した人物の中には「覚悟」を名言として残している人も少なくありません。

たとえば、宗教家でインド独立の父とも呼ばれた「マハトマ・ガンジー」は「私には人に命を捧げる覚悟がある。しかし、人の命を奪う覚悟をさせる大義はどこにもない」という言葉を残しています。

「覚悟」の類語・類義語とは

「覚悟」の類語は「決意」「決心」

「覚悟」と似た意味の語は「決意」や「決心」が挙げられます。いずれも「強く心に決めること、決めた心」を意味する語です。「覚悟」は「予測される困難な事態に対して、心を決める」というニュアンスですが、「決意」や「決心」は困難が待ち受けていない場合でも使える表現です。

また、「意志をはっきりと決定すること」という意味を持つ「決断」も類語のひとつです。

「諦観」「お手上げ」も類語として使える

「覚悟」の「あきらめること」というニュアンスでは、「諦観」「観念」「お手上げ」といった語が類語にあたります。「諦観(ていかん)」とは「諦め、悟って超然とすること」を、「観念(かんねん)」とは「あきらめて、状況を受け入れること」を意味します。

また、「もうお手上げだ」などの言い回しで用いられる「お手上げ」も「どうにもしようがないこと、解決手段がないこと」という意味で、あきらめざるを得ない状況を指す表現です。

「覚悟を決める」の類義語は「腹をくくる」

「覚悟を決める」という意味の慣用表現では「腹を決める」や「腹をくくる」「腹を固める」なども挙げられます。いずれも困難が予想される際に何らかの決心をする、心構えをする、という意味で用いられる表現です。「ようやく覚悟を決めた」は「ようやく腹をくくった」と表現できます。

「覚悟」の英語訳とは

「覚悟する」は英語で「be prepared」

「覚悟する」は英語では「be prepared」と表現します。「be prepared」は直訳すると「準備をする」という意味ですが、心の準備をするという意味で「覚悟する」の英訳として使用されます。他にも、「be ready for(用意をする)」や「make up one’s mind(決心する)」といった表現も「覚悟する」の英訳の一例です。

例文

I am prepared for it.(私は覚悟ができています)

「determination」を使った英語訳も

「determination」は「決意、決心」などの意味を持つ語で、「be determined to do」の形で「心に決めている」という意味になります。たとえば「I have no determination.」は「私には覚悟がない」という和訳が可能です。また、「I am determined to push through this project.」は「このプロジェクトを押し通す覚悟だ」と和訳できるでしょう。

また、「あきらめる、観念している」というニュアンスの「覚悟」は「give up」や「be resigned」などを使った英訳が可能です。

まとめ

「覚悟」は「困難や不利な状況を予想し、それを受け止める心構えをすること」という意味です。「覚悟する」「覚悟を決める」といった表現のほか、「覚悟の上で~する」の表現でも用いられます。

また「覚悟」には「諦める」という意味もあり、「これから起こる事柄が避けられないものとして諦める」というニュアンスでも使用可能です。