「相変わらず」の意味とは?敬語やいい意味で使う際の例文と類語も

「相変わらず」は「相変わらず美しい」と使うと誉め言葉となりますが、「相変わらずですね」と使うと悪い意味、皮肉めいた意味にとれる言い回しになります。様々なニュアンスに変化する「相変わらず」の詳しい意味とその使い方を例文で解説します。併せて、「相変わらず」の類語・対義語や英語訳についても紹介しましょう。

「相変わらず」の意味とは

「相変わらず」の意味は「変わった様子がない様」

「相変わらず」とは「変わった様子がない様」という意味です。これまでと変わった様子が見られない様、以前と同じである様を指して「相変わらず」と使用します。いい意味でも悪い意味でも「変わった様子がないこと、普段と変わりないこと」を指す語です。

「相も変わらず」は「相変わらず」を強調した語

「相変わらず」と似た表現に「相も変わらず」があります。「相も変わらず」は「相変わらず」を強調した表現で、「まったく変化がない」とネガティブな意味で用いられることが多いのが特徴です。

そのため「まったく変わりない」という意味でも、好意的なニュアンスを出したい場合には「相変わらず」を使うのが適切でしょう。

「相変わらず」の使い方と例文

「相変わらず可愛い」「相変わらず美しい」はいい意味

「相変わらず」は容姿を褒める際にしばしば用いられます。「相変わらずかわいい」や「相変わらず美しい」といった表現です。「かわいい」や「美しい」という語がそもそも誉め言葉として用いられるため、この場合の「相変わらず」もまたポジティブな印象になります。

例文
  • 久しぶりに会った後輩たちは相変わらず可愛い
  • 部長の奥様は相変わらずお美しいですね

「相変わらず」が悪い意味になる例

「相変わらず」は、「予想に反して変わっていないこと」に対して使用するとネガティブな印象を与える表現となります。たとえば、「相変わらず業績が伸びない」などがいい例です。「本来であれば業績が上がってほしいのに、伸びないままである」というニュアンスになります。

また、「相変わらずですね」というフレーズもネガティブな意味合いで用いられることが多いでしょう。「成長していない、代り映えがしない」といったニュアンスが含まれています。

例文

部長の酒癖の悪さは相変わらずだ

「相変わらずです」と近況を述べる

久しぶりに会った人と挨拶を交わす際に「最近どう?」「お元気でしたか?」と近況を尋ねられた場合に、「相変わらずです」と返す例もあります。「特に変わりないですよ、変化はありません」というニュアンスです。

ただし、いい意味で変わりなく過ごしているのか、それとも状況が好転せずつらい状況下にあるのかは声のトーンなどから読み取る必要があります。

「相変わらずの○○」と使うことも

「相変わらず」は「相変わらずの○○」と名詞の前で用いることもあります。たとえば「相変わらずの様子だ」「相変わらずの不景気」などの言い回しが挙げられます。

例文

甲子園を目指したこともあるという彼は、相変わらずの野球好きを露呈している

「相変わらず」はビジネスシーンには不向き

「相変わらず」はいい意味にも悪い意味にも使えるため、ビジネスシーンで使う際には配慮が必要です。「相変わらずお美しいですね」と明確な褒め言葉を添える場合は問題ありませんが、「相変わらずですね」と使ってしまうと「代り映えがしない」とネガティブなニュアンスにとられる懸念もあります。

ポジティブな語と組み合わせて使う、あるいは「相変わらず」の表現自体をほかの言葉に言い換えるのが無難です。

「相変わらず」の類語とは

「相変わらず」の類語は「依然として」

「相変わらず」の類語は「依然として」です。「依然として(いぜんとして)」とは、「前と変わらず、元のままで」という意味があります。「依然」の形でも用いられ、「依然として~だ」「依然~だ」といった言い回しで用いられます。

「やはり」も「依然と変わらない様」の意味

「相変わらず」と似た意味の語では、「やはり」も挙げられます。「やはり」とは「前の状態と変わらないこと、予想・期待通りであること」を指します。加えて、「Aもやはり」のように「他のものと変わらないこと」を指しても使う表現です。

「相変わらず」の敬語表現は「お変わりない」

「相変わらず」は人に対して「相変わらずですね」と使うと皮肉めいたネガティブな意味合いとなることは先述した通りですが、目上の人に「変わってないですね」といい意味で使いたい場合は「お変わりないようで」とするとよいでしょう。

たとえば「元気だったか?」と尋ねられた際に「おかげさまで何とかやっています。部長もお変わりないようで」と返すと相手の健やかな様を喜ぶようなニュアンスになります。

「相変わらず」の対義語とは

「相変わらず」の対義語は「いつになく」

「相変わらず」と反対の意味では「いつになく」という表現が挙げられます。「いつになく」とは「普段とは異なっていること、今までに一度もなかったこと」を指し、漢字で「何時になく」と書かれることもあります。「いつになく~だ」「~とはいつにないことだ」と使ったりします。

「珍しく」も「相変わらず」と反対の意味

「珍しく」「珍しい」なども、「相変わらず」とは反対の意味を持つ表現です。今までに経験したことがないような事柄に対して用いられる表現で、「珍しく~だ」「珍しい○○」など日常的にもよく用いられます。

「相変わらず」の英語訳とは

「相変わらず」は英語で「as usual」

「相変わらず」は英語では「as usual」という表現を使用します。「as usual」は「いつも通りに」という意味で、「I am the same as usual.」で「私は相変わらずです」となります。「I’ve been busy as usual.」で「相変わらず忙しい」という意味です。

また、「いつも通り」というニュアンスでは「as always」という英語訳も可能です。

「still」「never change」を使った英語訳も

「相変わらず」の英語訳では「as usual」以外にも「still」や「never change」を使う例もあります。たとえば「She still looks young.」は「彼女は相変わらず(いまだに)若々しい」と和訳することができます。

「as ~ as ever」を使い、「She is looking as beautiful as ever.(彼女は相変わらずきれいだ)」といった英語訳も可能です。また、「相変わらずだね=変わっていないね」という意味で「You never change.」と表現されることもあります。

まとめ

「相変わらず」とは「変わった様子がないこと」という意味です。「相変わらず」はいい意味でも悪い意味でも使うことができ、自分の近況について「相変わらずです」と使った場合はどちらの意味にもとれる言い回しとなります。

一方で「相変わらずですね」と使うと、「成長がない」というマイナスな評価としても受け取れます。ビジネスシーンで使う場合は配慮が必要な表現といえるでしょう。