「才媛」の意味とは?「才女」との違いや男性に使える類義語も紹介

「才媛」は才能の高さなどその人が優れている様を表す言葉のひとつですが、女性にしか使うことができません。「才媛」の詳しい意味と使い方を「才媛の誉れ」など例文を交えて解説します。また「才媛」と「才女」の違いや男性にも使える類語表現についても、そのほかの関連用語ともに紹介しましょう。

「才媛」の意味とは

「才媛」とは「高い教養、才能のある女性」の意味

「才媛」とは「高い教養のある女性、才能のある女性」という意味です。知性に優れる様や学識のある様、秀でた才能を持つ様を指して用いられます。

「才媛」の読み方は「さいえん」

「才媛」は「さいえん」と読みます。「才媛」の「才」は「生まれつきの能力、能力の優れた人」という意味、「媛」の字は「美しい、美しい女性」という意味です。この漢字の意味からも、「才媛」の「才能のある女性、教養のある女性」という意味が推測できるでしょう。

「才媛」の使い方と例文

「才媛」とは女性のみに使える表現

「才媛」という語には「女性」という意味が含まれるため、「彼女は才媛だ」のように女性を指して使用します。どんなに優れた男性でも「彼は才媛だ」という使い方はできません。

例文

彼女は有名大学卒の才媛で、当社期待の新人ともっぱらの噂だ。

「才媛の誉れが高い」の言い回しもよく使う

「才媛」は「才媛の誉れが高い」という表現でも用いられます。「~の誉れが高い」とは「~と評価が高い」という意味で、「才媛の誉れ高い」で「学問、才能に優れていると評価が高い女性」という意味になります。

例文

彼女は才媛の誉れが高く、仲間内でもその優秀さは有名でした。

「才媛の誉れが高い」と似た表現では「才媛と名高い」も挙げられます。「~と名高い」とは「~とよく知られている、~と有名である」という意味で、「才媛と名高い」は「教養があり、才能に富んでいることは誰もが知っている、有名だ」というニュアンスです。

「才媛」は目上の人には使わない

「才媛」は女性であっても、目上の人には使用しません。「才媛」には褒めるニュアンスが含まれますが、その「褒める」という意味合いが目上に対しては失礼にあたるためです。

また、以前は結婚式のスピーチでよく用いられた「才媛」ですが、最近では以前ほど耳にしなくなったようです。「才媛」という語は、男女平等の概念が薄い時代に生まれた語で、女性が教養や才能を強調する時代だったことが背景にあります。

時代背景から「差別的」と受け取る人もいるため、お祝いの場では特に避ける傾向がみられるようです。「才媛」という語そのものに差別的なニュアンスはありませんが、使う場面の配慮は必要かもしれません。

「才媛」の類語・類義語とは

「才媛」と「才女」の違いは文才があるか

「才媛」の類語では「才女」が挙げられます。「才女(さいじょ)」とは「頭がよく優れた女性、才知の優れた女性」という意味です。この「才女」は古い言葉で、「頭がよく、文才のある女性」を褒める意味で用いられていました。この「文才を褒める」という意味が「才女」の特徴で、単に「頭がいい」というニュアンスで「才女」を用いることも多いです。

これに対し「才媛」は文才に限らず、全般的に教養豊かな女性に使うのがポイントです。ただし、現代においては「才媛」と「才女」はどちらも「賢く、優秀な女性」を指して用いられる例も少なくありません。

「才色兼備」は四字熟語の類語

「才媛」のように女性をほめたたえる表現では「才色兼備」も挙げられます。「才色兼備(さいしょくけんび)」とは「優れた才能があり、容姿も美しい女性」を指す四字熟語で、たとえば「才色兼備とはまさに彼女のことだ」などの表現が可能です。

「才媛」に「美しさ」の意味が加わった語が「才色兼備」ということができます。

「秀才」は男女問わず使える類語

「才媛」が女性にしか使えない表現であるのに対し、男性の才能を褒める表現では「秀才」が挙げられます。「秀才」とは「優れた才能、その持ち主」を意味し、人並み以上に秀でた知能や才能を持つ人に対して使用します。

たとえば学業において優れた人を「彼は秀才だ」と表現するのが代表的な使用例です。なお、「秀才」は男女問わず使用できる点、また目上の人に対しても使用できる点が大きな特徴です。

「才媛」の対義語とは

「才媛」の対義語は「鈍才」

「才媛」とは反対の意味を持つ語では「鈍才」が挙げられます。「鈍才(どんさい)」とは文字通り、「頭の働きが鈍いこと、その人」という意味です。賢いわけでもなく才能もない、というような様が「鈍才」です。男女を問わず使用できる表現ですが、ネガティブな評価になります。

「男性」に使う意味での対義語「才子」

「女性」ではなく「男性」に使う言葉という意味では、「才子」が対義語になります。「才子(さいし)」とは「才知に優れ、頭の働きの優れた人」という意味で、男性に対して用いられる表現です。「抜け目がなく要領のいい人」という意味もあります。

「才媛」の英語訳とは

英語では「intelligent」「talented」を使う

「才媛」の英語訳では「intellligent」や「talented」という単語が使用できます。「intelligent」は「賢い、知性のある、聡明な」、「talented」は「才能のある、有能な」という意味です。

「才媛」が「女性」という意味を含む熟語であるため「intelligent woman」や「talented woman」と英訳しますが、「She is so talented.(彼女はとても才能がある)」を「彼女は才媛だ」と和訳することもできます。

「accomplished」を使った英語訳も可能

「才媛」の英語訳では「accomplished」という単語を使用する例もあります。「accomplished」は「熟練した、秀でている、学識の深い」などの意味を持つ語です。

たとえば、「She is an accomplished lady.」に対し「彼女は才媛だ」という和訳を充てることも可能です。

まとめ

「才媛」とは「高い教養のある女性、高い才能を持つ女性」という意味の熟語で、女性を褒める表現です。「彼女は才媛だ」と使うほか、「才媛の誉れが高い」「才媛と名高い」などの表現でもよく耳にします。

類語「才女」は現代ではほぼ同じニュアンスで用いられるものの、もともとは「才女=文才に優れた女性」という意味がありました。全般的な教養の豊かさ・才能の高さを指すのが「才媛」の特徴です。