「朴訥」の意味と使い方とは?四字熟語や類語「素朴」と反対語も

「朴訥男子」というとどんな人をイメージしますか?若い人にとっては、地味であか抜けない印象を持たれがちな「朴訥」という言葉ですが、本来は褒め言葉です。

この記事では「朴訥」の詳しい意味とその使い方を例文で解説します。また、「朴訥」の類語や対義語、英語訳についてもあわせてみていきましょう。

「朴訥」の意味とは

「朴訥」とは「飾り気がなく口数が少ない」の意味

朴訥とは「飾り気がなく口数が少ないこと、またはその様」を意味します。飾り気がなく純真で素直な様、実直で素朴な様、無口な様を指して「朴訥」と言います。

「朴訥」の読み方は「ぼくとつ」

「朴訥」の読み方は「ぼくとつ」です。「朴訥」の「朴」には「うわべを飾らない、素直」という意味、「訥」には「どもる、口ごもる、口べた」などの意味があります。

「朴訥」の使い方と例文

「朴訥」はもともと褒め言葉

「朴訥」は飾り気がなく無口な様を意味することは先述の通りですが、「真面目な様」「純真で素朴な様」も指すように、本来は好意的なニュアンスで用いられる表現です。

特に日本では素朴であること、余計なことは言わないことが美徳とされた時代もあり、「真面目で純真」というニュアンスと相まって褒め言葉として用いられた表現でした。

現代でも褒め言葉として使用することは可能ですが、「口下手=コミュニケーションが下手」ととられることも多く、ネガティブなイメージを持たれやすいのも事実です。欠点を指摘しているととられないよう、前後に言葉を補うなどの配慮が必要です。

「朴訥な男性」「朴訥な話し方」のように使う

「朴訥」は「朴訥な○○」の形でしばしば用いられます。たとえば「朴訥な男性」「朴訥な雰囲気」といった言い回しが可能です。また「朴訥である」「朴訥とした」などの表現でも使用されます。

例文
  • 彼は朴訥な男性だが、実は営業力に長けている
  • 媚びるでも威張るでもなく、その朴訥な人柄こそが彼の魅力だ

「朴訥」は女性に対しても使える表現

「朴訥」は「朴訥な青年」「朴訥な男」のように男性に対して用いられることが多いですが、女性に対して使うことも可能です。「相手の女性は見るからに朴訥な人だった」と使う例もあります。

ただし、「飾り気がない」というニュアンスを好意的に感じない女性もいるため、「純朴」のような他の表現に言い換えるのが無難でしょう。

「朴訥さ」「朴訥そう」と使う例も

「朴訥」の使い方には、「朴訥さ」「朴訥そう」といった表現も挙げられます。

例文
  • 彼の朴訥さは彼の人柄として、周囲の信頼感にもつながっている
  • 彼は朴訥そうだが、かなりのやり手らしい

「剛毅朴訥」は『論語』にもある四字熟語

「剛毅朴訥(ごうきぼくとつ)」とは「剛毅」と「朴訥」という二つの熟語からなり、「心が強く、しっかりとしていて飾り気のない様、素朴な様」という意味です。

「剛毅朴訥」という四字熟語は、『論語』の「剛毅朴訥は仁に近し」という一節でも知られています。「意思が強く、素朴で口数の少ない人こそ、仁(道徳の理想される観念)にもっとも近い人物である」という意味です。端的に言うと「剛毅朴訥」であることを理想的、正しいとする一節です。

「朴訥」の類語とは

「朴訥」の類語は「素朴」「純朴」など

「朴訥」の類語では「素朴」や「純朴」が挙げられます。「素朴」とは「ありのままで飾り気がないこと、自然のままであること」という意味です。「朴訥」が人に使う表現であるのに対し、「素朴」は人以外への使用が可能な点がポイントです。「素朴な人」「素朴な味」などの表現ができます。

「純朴」もまた「素直で飾り気がないこと、偽りや穢れのないこと」という意味の語ですが、心の様子を表す際に使うのがポイントです。「純朴な心の持ち主」などがその良い例です。

真面目なさまを表す類語は「質実」「実直」

「朴訥」の持つ「真面目な様」というニュアンスを表す類語は、「質実」や「実直」です。

「質実」は「飾り気がなく真面目であること」という意味、「実直」には「真面目で正直なこと、誠実なこと」という意味があります。

口数が少ないさまを表す類語「寡黙」「無口」

「朴訥」の持つ「口数が少ないこと」という意味では「寡黙」が類語です。

「寡黙(かもく)」とは「言葉数が少なく、黙りがちなこと」を表し、「寡黙な人」と使うことが多いです。また、身近な表現では「無口」もまた「口数が少ないこと」を指します。

「朴訥」の対義語や反対語とは

「朴訥」の反対語は「饒舌」

「朴訥」と反対の意味の語では「饒舌」が挙げられます。饒舌(じょうぜつ)」とは、「よくしゃべること」という意味です。「饒舌な人」「彼は饒舌だ」ののうな使い方が可能です。

「巧言」は言葉が巧みという意の対義語

「巧言(こうげん)」とは「言葉を飾り巧みにいうこと、口先だけうまいこと」という意味です。

口数の多さという意味でも「朴訥」とは反対の意味を持つ語ですが、加えて「口先だけうまく言う」という不誠実なニュアンスも「朴訥」とは対義的ということができるでしょう。

「朴訥」の英語訳とは

「朴訥」は英語で「unsophisticated」

「朴訥」の英語訳では「unsophisticated」という英単語が用いられます。「unsophisticated」とは「世慣れていない」という意味で「素朴な、うぶな」といったニュアンスを持つ語です。

例文

He is unsophisticated, but he is so talented.
彼は朴訥だが才能に溢れている

「shy」などを使った英語訳も

「朴訥」の英語訳では「shy」を使う例もあります。「shy」は「内気、恥ずかしがり屋、寡黙」という意味で、「朴訥」の和訳が宛てられることがあります。

他にも「quiet(物静かな)」を「朴訥」と和訳したり、「ruggedly honest(朴訥)」という慣用表現を使ったりと、文脈によって使い分けることも多いようです。

まとめ

「朴訥」とは「飾り気が少なく、口数が少ないこと」という意味です。現代で言うと「コミュニケーションが下手」といった意味にとられがちですが、「純真で素朴」「真面目」といったニュアンスもあり、本来は褒め言葉です。ただし、本来の正しい使い方であっても言葉を付け足すなどの配慮が必要かもしれません。