「要は」を使うと失礼?意味や使い方の例文と類語・英語も解説

会話の中で「要はこういうことなんだよ」「要は〜ってことでしょ?」と口癖のように「要は」という語を使う人がいます。「要は」は論点をまとめる際に便利なワードですが、使い方によっては腹が立つ、失礼と取られかねません。「要は」の意味と使い方を例文で解説すると共に、類語の「つまり」や英語訳について紹介します。

「要は」の意味とは

「要は」は「結局、要するに」という意味

「要は」とは「結局、要するに、大切なことは」などの意味を持ちます。これまでの話の内容をまとめ、大切なポイントを述べる際の表現です。

「要は」を「用は」と書くのは誤り

「要は」は「ようは」と読みます。「要」の字には「大切なところ、かなめ」という意味があり、「要は」の意味もこの漢字の意味に由来します。

一方で「用は」「様は」と誤った漢字表記がとられることも少なくありません。漢字を間違えるとその意味も変わってしまうため、誤表記、誤変換には注意しましょう。

「要は」を使うと失礼?嫌いな人もいる?

「要は何が言いたいの?」と尋ねるのは失礼

相手の話の要点が見えない場合に「要は何が言いたいの?」と言わんとすることを尋ねる例もありますが、この言い回しには注意が必要です。上から目線で威圧的な印象を与えることが多いためです。

「要は何が言いたいのでしょうか」と後に続く表現を丁寧にしても、「要は」を文頭に使うと強いニュアンスになるため、目上には避けたほうが無難です。

「要は〜」と相手の発言をまとめるのも失礼

「要は〜ということです」と自分の発言をまとめる分には問題ありませんが、「要は〜ということですね」と相手が話している途中で勝手にまとめてしまうのも失礼な印象を与えます。相手の話がわかりにくい、的を射ていないといっているようにとることができます。

自分の発言をまとめる際にのみ、「要は〜」と使うのが良いでしょう。

「要は」を使う人が嫌われてしまう理由は?

「要は」という言葉に対して、あまり良い印象を持っていない人もいます。もともとネガティブな意味を持つ言葉ではないものの、その使い方のせいで反感を買ってしまうこともあるようです。

「『要は』と言っているのに、話がまるでまとまっていない」「見下された気がしてうざい」など、理由はさまざまです。便利な言葉ではありますが、話す内容やシチュエーションは選ぶ必要があるでしょう。

「要は」の使い方と例文

話の内容をまとめる際に使う

「要は」は話の内容をまとめる際に使う表現です。これまでに述べた内容の要点を伝える際や結論をまとめて述べる際に使用します。

例文
  • 要はこのままでは予算が通らないというわけだね。
  • 要は気乗りしないということだろう。

「要は」よりも「要するに」が丁寧な印象

ビジネスシーンでも度々用いられる「要は」ですが、「要するに」とした方が丁寧な印象をもたれます。たとえば「要は納期に懸念がおありということですね?」というよりも「要するに、納期に懸念がおありということですね?」とした方が幾分柔らかい文章になります。

とはいえ、「要するに」が敬語というわけではないため、使い方への配慮は必要です。

口癖で「要は」を多用すると、わかりにくい印象に

「要は」はその意味からもわかるように、大切なポイントを述べる際に使用するのが正しい使い方です。そのため、「要は〜ということで…。要は〜なんです。」と話の中で何度も使うと、どこが話の重要なポイントなのか見えづらくなります。

また、大した話をしていないのに早速「要は〜」とまとめるような話しぶりをするのも好ましくありません。口癖にするのではなく、肝心なポイントで使うようにします。

「要は」の類語・類義語とは

「要は」の類語は「つまり」

「要は」の類語は「つまり」です。「つまり」は結論を導く際に用いられる表現で、単に前に述べた事柄を言い換える際にも使える表現です。「要は〜」と同じように「つまりは〜」と使うことができます。ただし、「要は」は単に言い換える場合には使うことができない点で異なります。

また、「つまり」と同じ意味で「つまるところ」を使うことも可能です。

「一口で言うと」に言い換えも可能

「要は」は「一口で言うと」「手短に言うと」などの表現に言い換えられる場合もあります。いずれも説明内容を短縮し、簡単に言うときの表現です。ただし、「要するに」のように「話の要点をまとめる」と言うニュアンスはありません。

否定的なニュアンスでは「所詮」も類語

「所詮(しょせん)」とは、「結果として行き着くところは、結局は」と言う意味の語で、否定的な語とともに用いられます。たとえば「要は〜ってことでしょ?」のように否定的なニュアンスの「要は〜」は「所詮」に置き換えることができるでしょう。

「要は」の英語訳とは

「要は」は英語で「in short」

「要は」を意味する英語表現では「in short」が挙げられます。「in short」は「手短にいえば」「一口で言えば」という意味の英語表現で、ビジネスシーンでも使用されます。

日本語の「要は」のもつニュアンスを濃く出すのであれば「The point is〜(要点は〜)」や「So to sum it up(まとめると)」といった表現も可能です。「In other words(言い換えると)」といった表現もよく用いられます。

「要は」の英語例文

  • In short, A is the main cause of the problem.(手短にいうとAが問題の主な原因だ)
  • The point is, this is crunch time for us.(要は今が正念場という訳だ)

まとめ

「要は」とは「結局、要するに」という意味で、これまでに述べたことをまとめたり、その要点を述べたりする際に使用する表現です。ただし「要は〜ということですか?」と相手の話をまとめあげるのは上から目線で失礼に映ります。また、大事なことを述べるときに限って使用するのがポイントで、口癖のように多用する語ではありません。大切な事柄を述べる時のキーワードとして使用しましょう。