「咆哮」の意味とは?「咆哮をあげる」の使い方や例文と言い換えも

「咆哮」という熟語をゲーム内で見かけた、という人もいるかもしれませんが、小説など文学作品でも目にする表現です。「咆哮」の意味、読み方をはじめ「咆哮をあげる」「〇〇の咆哮」といった使い方を例文で解説します。また「咆哮」の類語、言い換え表現や英語訳もあわせて紹介します。

「咆哮」の意味と読み方

「咆哮」の意味は「激しい勢いでほえること」

「咆哮」とは「獣が激しい勢いでほえること、ほえたけること」という意味です。「猛獣のほえる声」という意味もあります。転じて「猛獣のような声を出す、獣のようにほえること」という意味で、比喩的に用いられることも多い熟語です。

また、比喩的なニュアンスでは悪天候などによる激しい風の音や凄まじい水音、海鳴りなど対しても用いられます。

「咆哮」の読み方は「ほうこう」

「咆哮」は「ほうこう」と読みます。日常的にあまり見かけない漢字を使った熟語ですが、「咆」の字には「(獣が)ほえる」という意味があります。「哮」も「ほえる、たける」という意味を持つ漢字で、「咆哮」は同じ意味の漢字を重ねた熟語ということができるでしょう。

「咆吼」という漢字表記の例も

「咆哮」は漢字では「咆吼」の表記が用いられる例もあります。「吼」には「ほえる、大声で叫ぶ」という意味があり、訓読みで「ほ(える)」と読むことも可能です。

「咆哮」がそうであったように、「咆吼」もまた同じ意味の字を重ねた熟語です。ニュアンスも変わりありませんが、一般には「咆吼」ではなく「咆哮」の表記が用いられます。

「咆哮」の使い方と例文

「咆哮をあげる」「咆哮する」と叫ぶ様に使う

「咆哮」は「咆哮する」「咆哮をあげる」と使います。実際に獣がほえる様を指して使うこともありますが、「獣のような声で叫ぶ」「獣のような声をあげる」という比喩的な使用も多いです。

例文
  • 体育会系だったという彼は大事な商談の日に、咆哮をあげて気合を入れる
  • 国際大会の招致が決まったとき、会議室は咆哮するかのような歓声で埋め尽くされた

激しい風や水の音など自然に対して使う

「咆哮」は激しい風の音、激しい水の音など自然が出す音を表現する際にも用いられます。たとえば、地鳴りのようにごうごうと吹く風の音や堰を切ったように音を立てて流れる水の音、海から聞こえてくる轟音などが良い例でしょう。

例文
  • 闇の中を咆哮する風音に恐怖を感じた
  • 冬場は特に、咆哮する海が恐ろしく感じる

「○○の咆哮」とほえる姿、ほえるような声を表す

「咆哮」は「獅子の咆哮」のように「〇〇の咆哮」の形で用いることも可能です。「猛獣の咆哮」「野生動物の咆哮」などのほか、「海の咆哮」と使うこともできます。

「咆哮」の言い換えや類語

「咆哮する」の類語は「吠える」「唸る」

「咆哮する」と似た意味の語では「吠える」が挙げられます。「犬が吠える」など「吠える」という表記の方が「咆哮する」あるいは「咆える」」などよりも身近でしょう。

また「唸る(うなる)」も類語のひとつで、「唸る」は同じ獣が威嚇する声でも「低い声を発する」という意味が特徴的です。もう少し詳しくいうと「長くひいた低い声を出す」ことを「うなる」といい、獣に限らず力を入れた際や苦しむ際に低い声を出すことを言います。

「哮る(たける)」に言い換えも

「咆哮」の「哮」の字を一字で使った「哮る(たける)」を使って「咆哮する」を言い換えることも可能です。「哮る」もまた「けものなどが荒々しくほえる、大声で叫ぶ」という意味を持ちます。

「怒号」も似た意味の表現

人が大声で叫ぶ様、大声を上げる様を意味する表現では「怒号する」「怒号を上げる」が言い換え表現です。「怒号」とは「腹をたてて大声で叫ぶこと、その叫び声」という意味で、風が荒ぶること、波があれて激しい音をたてることを指しても用いられます。

また身近な言い回しでは「声を荒げる」「声を張り上げる」なども似た意味になります。

「咆哮」の英語訳とは

「咆哮」の英語訳は「roar」

「咆哮」の英語訳では「roar」を使用します。「roar」は「(猛獣が)ほえる、うなり声」という意味で、「roaring」の形で名詞・形容詞としても使用されます。「the roar of a tiger」で「虎の咆哮する声」という意味です。

一方で犬や狼などが「ほえる、わめく」という意味では「howl」「howling」を使用します。たとえば「a howling dog(遠吠えする犬)」などの表現が可能で、「howl」は風などがうなる、ヒューヒュー音をたてるという意味でも用いられます。

人の場合は「yell」を使う

人の大声に対しては「yell」を使用します。日本語で「エール」というと「エールを送る」のように励ますニュアンスでの使用が一般的ですが、英単語としては単に「叫び声をあげる、大声で叫ぶ、大声を上げる」という意味で用いられます。

たとえば「Stop yellilng!」は「大声でわめくのはやめなさい!」という意味に、「A man in the line was yelling.」は「列に並んでいた男性が大声をあげた」という和訳になります。

まとめ

「咆哮」とは猛獣などが激しい勢いでほえること、を意味する熟語です。実際には猛獣がほえるという意味よりも「猛獣のような声を出す」や「勢いの強い風や水の激しい音」を指すなど、比喩的な使用例が多いのが特徴です。

「咆哮する」「咆哮をあげる」など書き言葉としての使用が一般的で、日常的に使用することはそう多くはありません。日常的には「吠える」「怒号をあげる」など他の言い回しが自然な印象です。