「ご承諾」の意味とは?メールで使える例文と「ご了承」との違いも

「ご承諾ありがとうございます」「ご承諾いただきますようお願い申し上げます」などこちらの申し出を受け入れてもらう際に「ご承諾」という語を使用することがあります。ここでは「ご承諾」の詳しい意味や敬語での使い方をビジネスで使える文例とともに解説しましょう。加えて「ご了承」「ご快諾」との違いも触れています。

「ご承諾」の意味と敬語とは

「ご承諾」とは「聞き入れること、引き受けること」

「ご承諾」とは「依頼や要求などを聞き入れること、引き受けること」という意味です。相手からの申し出や頼み事をきいて、受け入れることを指して「承諾」と言い、「ご承諾」もこの意味に由来します。

「ご承諾」の読み方は「ごしょうだく」

「ご承諾」の読み方は「ごしょうだく」です。過去には「じょうだく」と濁った発音で使われていたこともあったようですが、現代では一般的に「しょうだく」と読みます。

「ご承諾」の「ご」は尊敬の意味

「ご承諾」の「ご」は尊敬の意味があります。この接頭辞「ご」は尊敬、謙譲、丁寧いずれの意味でも使える表現ですが、「ご承諾」の場合は「相手が聞き入れてくれること、引き受けてくれること」に対して敬意を払う意味で「ご承諾」と使う例が一番多いでしょう。

なお、頻度は多くありませんが「自分が承諾すること」を指して謙譲語の意味で「ご承諾」と使うことも可能です。

「ご承諾」の使い方

「ご承諾いただく」と使うことが多い

「ご承諾」という語にはすでに尊敬のニュアンスが含まれますが、相手を敬う意味では「ご承諾いただく」の表現で使う例が多いです。「いただく」とは「もらう」の謙譲語で、自分を遜っていう表現です。つまり「ご承諾いただく」は「承諾してもらう」の謙譲表現ということになります。

たとえば「ご承諾ありがとうございます」でも良いですが「ご承諾いただきありがとうございます」とした方が丁寧な印象です。

「ご承諾ください」は敬語としては△

「ご承諾」は「承諾して」という意味で「ご承諾ください」の形で用いられることもあります。ただし「ください」が「くれ」の丁寧語であるため、人によっては強制的、一方的と感じることもあるため配慮が必要です。少なくとも「ご承諾くださいませ」のように柔らかい語尾にかえるのが良いでしょう。

なお「ご承諾くださいましてありがとうございます」は敬語として問題ありません。この場合の「ください」は尊敬語「くださる」に由来します。「くださる」が連用形「くださり」になり、さらに音便として変化し「ください」となった表現です。

「ご承諾いただく」のメールでの使い方と例文

「ご承諾いただきたく」と依頼する

相手に承諾を依頼する際、「〜についてご承諾いただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます」とお願いすることがあります。用件を述べる形で「ご承諾いただきたく」と使うこともあります。

また、「ご承諾いただきますようお願い申し上げます」というフレーズや「ご承諾のほど」という言い回しもよく用いられる表現です。

例文
  • 本日は○○についてご承諾いただきたく、ご連絡した次第でございます
  • ご承諾いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます

「ご承諾いただけますと幸いです」はより丁寧に

同じく依頼する文面では「ご承諾いただけますと幸いです」という言い回しも可能です。「幸いです」とは「嬉しいです」というニュアンスで、「〜してくれると嬉しい」と控えめな依頼として相手に伝わります。

「思う」の謙譲語「存じる」を使い「ご承諾いただきたく存じます(承諾してもらいたいと思っています)」という言い回しも良いでしょう。

例文
  • 新規事業の立ち上げについて、ご承諾いただけますと幸いです
  • 代替案に、ご承諾いただきたく存じます

「ご承諾いただけますでしょうか」と尋ねる

「ご承諾」を疑問文で使う場合は、「ご承諾いただけますでしょうか」というフレーズで用いることが多いです。厳密には、「いただけますでしょうか」の部分が二重敬語(丁寧語「ます」と丁寧語「です」の重複)にあたります。正しい敬語表現ではありませんが、広く許容されている言い回しの一つです。

なお、適切な敬語に正すのであれば「ご承諾いただけますか」あるいは「ご承諾願えますか」となります。

例文
  • 会場が変更になる可能性もありますが、ご承諾いただけますでしょうか
  • 短期間での納品は料金が高くなります、ご承諾いただけますか

「ご承諾いただける場合は」と手続きを案内する

「ご承諾いただける場合は、お手続きのほどお願いいたします」と案内する際に使うこともあります。「ご承諾のうえ署名をお願いします」という表現でもよく耳にします。

いずれも「(こちらの要望に)納得してから〜してください」と依頼する際のフレーズです。

「ご承諾いただいております/いただきました」と報告する

取引先にこちらの要望を受け入れてもらった、と上司に報告する際には「ご承諾いただいております」「ご承諾いただきました」という表現をよく使用します。

「承諾を得る」を使用して「〇〇様の承諾は得ています」という使い方も可能です。

「ご承諾」と類語の違いとは

「ご了承」とは「事情を理解して良しとすること」

「ご了承」の「了承」とは「事情をくみ納得すること、事情を理解し良しとする」という意味です。「ご了承」の「ご」は尊敬の意味を持ち、相手を敬う意味で用いられています。

「ご承諾」と「ご了承」の違い

「ご承諾」も「ご了承」も似た表現ではありますが、「ご了承」は「納得する、認める、許可する」というニュアンスが特徴です。「目上の人にこちらの要望を認めてもらう」という意味の丁寧な言い回しとして、ビジネスシーンでは「ご了承」を使う場面もあります。

「ご快諾」とは快く受け入れることを表す類語

「ご承諾」の類語には「ご快諾」も挙げられます。「快諾(かいだく)」とは「気持ちよく承諾すること」という意味です。

「快く」というニュアンスが含まれているのがポイントで、こちらの難しい依頼を受け入れてもらった際に「ご快諾ありがとうございます」のように使います。

「ご承認」とは客観的に正しいことを表す

その他にも「ご承諾」と似た意味として「ご承認」という表現もあります。「承認」とは「それが正当あるいは事実だと認めること」という意味で、「客観的に正しいと認める」というニュアンスがポイントです。

たとえば、社内で申請を通す際に「書類を確認いただき、ご承認のほどお願いいたします」のように使用します。

まとめ

「ご承諾」とは「依頼や要求を受け入れること」を意味します。「ご承諾」の「ご」は主に尊敬の意味で用いられ、「ご承諾をお願いします」でも敬意を伴う表現となりますが、「承諾してもらう」を敬語にした「ご承諾いただく」を使ったフレーズで用いられることが多いです。手続きを案内する際など幅広く使えるのでこれを機にさまざまな言い回しを覚えておくと便利でしょう。