「座右の銘」の意味とは?座右の銘にしたい言葉や名言・四字熟語も

「座右の銘を教えてください」は面接で質問される代表的な例ですが、「座右の銘」ではどんな言葉を答えるのがよいのでしょう。「座右の銘」という言葉の意味をはじめ、選び方や「座右の銘にしたい言葉」の一例についても紹介します。

「座右の銘」の意味とは?

座右の銘とは「心に留めおきたい言葉」の意味

座右の銘とは簡単に言うと「いつも自分の心に留めておきたい言葉」という意味です。人生を歩むうえで、自らの心を律するためまたは自らの戒めにする言葉をさします。

「座右の銘」には、自分が大切にしたいことや心がけたいことを選ぶのが一般的です。

「座右」とは身近なところ「銘」とは刻む

「座右の銘」の「座右」とは「座っているところのかたわら、手近なところ」という意味です。かつて皇帝などが信頼できる者を自分の右側に座らせたことから、重要なものを置く場所というニュアンスでも用いられます。

一方の「銘」は「しるす、刻む」という意味で、「心に刻み込んでいる言葉」という意味もあります。

「座右の銘」の使い方や選び方とは?

ポジティブな言葉を選ぶことが多い

「座右の銘」に有名な言葉でなければいけない、四字熟語でなければいけない、といった細かい決まりはありません。ただし、自分の励ますや戒めとする言葉として、ポジティブで前向きな表現が選ばれることが多いです。

四字熟語や簡潔な表現が選ばれやすい

「座右の銘」では四字熟語や慣用表現など、短い言葉で深い意味を持つ語を選ぶのが通例です。思いや人生観を文章で解説したものではなく、簡潔な表現を「座右の銘」とすることが多いです。

たとえば「いつも笑顔でいることを心がけたい」という人には「笑う門には福来る」という慣用表現がぴったりです。「笑う門には福来る」に「いつも笑顔でいる」という直接的な意味はありませんが、「笑いが絶えない家庭に幸福は訪れる」という意味は「いつも笑顔でいる」という姿勢・信念を表すと言えるでしょう。

スポーツ選手や偉人の名言を使うことも

有名なスポーツ選手や経営者、歴史的な偉人の名言を「座右の銘」に選ぶこともあります。ビジネスシーンで語られる「座右の銘」は優れた経営者の言葉を借りることも多いです。

偉大な功績を残した人の言葉にはビジネスに限らず、生きていくうえで参考にしたい真理が含まれているのも選ばれる理由のひとつです。

面接や就活では企業理念も参考に

「座右の銘」は人生において大切にしたい言葉なので長い目で見て選ぶものですが、就活面接で答える際は、受験企業の企業理念や経営方針に反するような主旨の「座右の銘」は避けます。

そもそも面接は企業側と応募者のマッチングをはかる場であり、その個人の価値観をさぐる意図で「座右の銘」が聞かれています。そのため、企業がどういった価値観の人を求めているのかを研究した上で「座右の銘」を用意することがポイントです。また仕事への姿勢が垣間見えるような言葉を用意することも多いです。

座右の銘にしたい言葉一覧(意味付き)

「努力」を大切にした座右の銘

いかなる時も努力を怠らないこと、諦めずに努力を続けることを「座右の銘」として掲げる場合には、「努力は人を裏切らない」「継続は力なり」といった慣用表現がぴったりです。

また、苦しい時でも継続していくことが大切だ、というニュアンスの「石の上にも三年」「水滴石を穿つ」なども「たゆまぬ努力」を信条としていることを表すことができます。いずれも自分を励ます意味でも使える表現と言えるでしょう。

努力を表す「座右の銘」の例
  • 努力は人を裏切らない
    意味:努力し続けることは必ずその人の身になること
  • 継続は力なり
    意味:地道に積み重ねていけばやがて達成できること
  • 水滴石を穿つ(うがつ)
    意味:小さなことでも継続することで大きな結果となることの例え

「四字熟語」を使った座右の銘

努力を継続することに似たニュアンスですが、困難な時でもめげずにやり通す様、やりきることを「座右の銘」としたい場合には「不撓不屈」「初志貫徹」「有言実行」などの四字熟語が挙げられます。

座右の銘に使える「四字熟語」の例
  • 不撓不屈(ふとうふくつ)
    意味:どんな困難も乗り越える強い意志を持つこと
  • 初志貫徹(しょしかんてつ)
    意味:最初に決めたことを最後まで貫き通すこと
  • 有言実行(ゆうげんじっこう)
    意味:一度口に出したことは何としてもやり遂げること

「名言・格言」を使った座右の銘

偉人の名言として、2024年度に新一万円札の顔に選ばれている実業家、渋沢栄一氏の言葉「無欲は怠惰の基である」があります。「欲がないことは怠けた生活のはじまりである」という主旨で、言い換えると「ある程度の欲がないことには勤勉さが生まれない」といったニュアンスです。

他には、松下幸之助氏(パナソニック創業者)、戦国武将の徳川家康が残したとされる言葉など、時代を問わずさまざまな偉人の名言があります。仕事に対する意欲や成果への貪欲さを大切にしたいときの「座右の銘」として使えるでしょう。

座右の銘に使える「名言・格言」の例
  • 無欲は怠惰の基である(渋沢栄一)
    意味:欲を持たないことは怠惰のもとになる
  • 鳴かずんば、それもまたよしホトトギス(松下幸之助)
    意味:どんなことにおいても、何か一つに囚われないことは大切だ
  • 多勢は勢ひをたのみ、少数は一つの心に動く(徳川家康)
    意味:人数が多いと他人に頼るが、人数が少ないと目的に向かって団結する

「英語フレーズ」を使った座右の銘

英語フレーズを使った「座右の銘」は、かっこいいイメージやおしゃれな印象があります。英語の「座右の銘」を使いたい場合は、ことわざの英語訳や海外の偉人のことばを引用するのもよいでしょう。

たとえば、人生の限られた時間を大切にすること、好機を逃さずに挑戦することを表す英語フレーズには「Life won’t wait.」があります。直訳すると「人生は待ってくれない」という意味で、時間を無駄にせずチャレンジするというようなニュアンスにもとることができます。

座右の銘に使える「英語フレーズ」の例
  • Never say never.
    意味:決してあきらめないで
  • Rome was not built in a day.
    意味:ローマは一日にして成らず(大きな成功には時間と努力が必要)
  • Find purpose, the means will follow.
    意味:目的を見つけよ、手段はあとからついてくる(ガンジー)

まとめ

「座右の銘」とは「いつでも心に留め置き、自らの戒めや励ましとする言葉」のことです。「座右の銘」に細かい決まりはありませんが、特に就活シーンで回答する場合には企業理念にあったものを選ぶのがベターです。よく聞く四字熟語や慣用句から実業家の名言まで、人生のヒントになる言葉はたくさんあります。気に入ったものを探してみてください。