「若気の至り」の意味とは?自分で言うときの使い方や類語と例文も

「若気の至り」とは、例えば「若気の至りだった」と自分の行動を恥じたり、「若気の至りだよ」と後輩をフォローするときに使われます。「若気の至り」という表現は何歳まで使えるのでしょうか。

この記事では「若気の至り」の詳しい意味とその使い方について解説します。また、あるあるエピソードや類語、英語訳についても触れています。

「若気の至り」の意味とは?

若気の至りとは「若さゆえの無分別でしでかす失敗」

「若気の至り」とは「若くて無分別であるがゆえにしでかす失敗、恥」という意味です。若さに任せて、分別のない軽率な行動をとってしまうことや、血気にはやり向こう見ずな行動をとってしまうことを表し、失敗や恥ずべき行為を指して用いられます。

「若気の至り」に何歳までという定義はない

「若気の至り」は若さゆえの言動を指しますが、結論から言うと何歳までという定義があるわけではありません。自分の行動を振り返って使う場合は特に年齢幅が広く、60代の人が30歳の自分を「若気の至り」と表現することもあります。

一方で、世間的に「若気の至り」として無分別な行動を大目に見てもらえるのは、20代前半くらいまでの若い世代を指すことが多いでしょう。

「若気の至り」の読み方は「わかげのいたり」

「若気の至り」の読み方は「わかげのいたり」です。「若気」とは「若者の血気はやる気持ち」、「至り」とは「物事の成り行きや結果」を意味します。

なお、「若気」は「にやけ」と読むこともあり、この読みでは男性が着飾り媚びるような態度をとることという意味です。

「若気の至り」の使い方と例文

「若気の至り」は過去の言動を後悔するときに使う

「若気の至り」と自分で言う場合は、若い時にとった行動を恥じたり後悔する文脈で用いられます。先述のように「若気の至り」に年齢の定義はないため話し手の思い出すシーンによって年齢が変わります。

例文
  • 今となっては若気の至りだと笑えるが、あの頃の私は周囲の誰もが敵だと思っていた
  • 若気の至りで無茶をしたことくらい君にもあるだろう?

「若気の至り」で年下の失敗をフォローすることも

「若気の至りだよ」と自分より年下の者に対して使うと、相手の失敗や恥ずべき行為をフォローするようなニュアンスになります。「若気の至り」を好意的な意味合いで使った例です。

例文

それくらいの失敗は誰にでもあるんだから若気の至りと思って忘れたほうがいい。

「若気の至り」のよくあるエピソードとは?

「若気の至り」のエピソードで多いのはお酒

「若気の至り」のエピソードで多いのはお酒による失敗です。例えば、会社の飲み会で酔っ払って上司にタメ口で絡んだ、酔っ払って電車を乗り過ごし目が覚めたら知らない駅に居たなどが挙げられます。

「若いから」というよりは、お酒に慣れていなかったり飲みすぎが原因ですが、若さ故に飲みすぎることも多いため「若気の至り」とされることもしばしばです。

「若気の至り」のエピソードには恋愛も

恋愛に関するエピソードを「若気の至り」として挙げる人もいるでしょう。

例えば、人目をはばからず二人の世界に入り込んでしまった、猛アタックして玉砕したなどといった経験談は、半ば呆れられながらも「若気の至り」とされることが多いエピソードです。

「若気の至り」の類語とは?

「若気の至り」の類語は「若気の過ち」

「若気の至り」と似た意味の語は「若気の過ち」です。「若者の血気はやる気持ちによる過ち」という意味で、まさに「若気の至り」と同じ意味で用いることができます。

ただし「過ち」と直接的なワードを使用するため、無分別な印象を感じやすい言い回しになります。

「血気に逸る」は向こう見ずなさまを表す

「血気に逸る(けっきにはやる)」とは「勢いに乗って向こう見ずに勇み立つこと、行動すること」という意味です。「血気盛んな若者」という表現があるように、向こう見ずな様を指す表現です。

「浅慮から」「浅はかさから」に言い換えも

若さゆえの無分別さや向こう見ずな様を表す「若気の至り」は「考えが浅い」というニュアンスに言い換えることも可能です。その意味では「浅慮から(せんりょから)」や「浅はかさから」といった表現が使用できるでしょう。

「非常識」とは「常識から外れていること」

「非常識」とは文字通り「常識から外れていること」を表します。「若気の至り」から「非常識な言動」をとることはありますが、「非常識」は社会的に容認されない言動に使うのが特徴です。

「若気の至り」は、若さゆえの経験不足や知識不足によるものを指すのが特徴で、許される事柄に使います。また「若気の至り」は年齢層がある程度限られるのに対し、「非常識」は年代問わず使える点も異なります。

「若気の至り」の英語訳とは?

英語では「youthful inexperience」「youthful passion」

「若気の至り」は英語で「youthful inexperience」と表現します。「inxperience」とは「未熟、不慣れ、世間知らず」という意味です。

また「情熱」という意味の「passion」を使い、「youthful passion」と表現されることもあります。「youthful inexperience」より「youthful passion」のほうが好意的なニュアンスです。

例文

That was “youthful passion”, I will never say that again.
若気の至りだったね、もう二度と言わないよ。

「thoughtless」や「supid」を使った表現も

「若気の至り」の英語訳では「thoughtless」や「stupid」を使った英訳例も見受けられます。例えば「thoughtless」は「よく考えていない、無分別な」、「stupid」は「愚かな、頭の悪い」という意味を持つ単語です。

「若気の至り」の英語訳
  • I was young and stupid.
  • I was young and thoughtless.

まとめ

「若気の至り」とは「若さゆえの無分別な言動による失敗」という意味です。自らの行動を振り返って「若気の至りだったなぁ」と使う場合は年齢問わず使うことができます。

自分の失敗を大目に見てもらう意味で「若気の至り」を使うのは20代前半までと心得ましょう。「若気の至り」の一言で済ませることができるのは、若さゆえの特権かもしれません。