「大事に至らずに済んだ」と状況を報告したり、「大事に至らず何よりです」と相手の報告に安堵したり、ビジネスシーンでは「大事に至らず」という表現で状況を表すことがあります。この「大事に至らず」の意味と使い方について解説します。ビジネスシーンで使える例文や類語、英語訳など関連用語とともに見ていきましょう。
「大事に至らず」の意味とは
「大事に至らず」の意味とは「大きな問題にならず」
「大事に至らず」とは「大きな問題にはならず」という意味です。
「至らず」とは「至る」の未然形「至ら」と、打消しの助動詞「ない」から成っています。それに「大きな問題、深刻な事態」という意味の「大事」を付け足し、大きな問題や深刻な事態には発展していない様を表します。
「大事に至らず」の読み方は「だいじにいたらず」
「大事に至らず」の読み方は「だいじにいたらず」です。「大事」は「おおごと」と読むこともできますが、「大事に至らず」と使う場合は「だいじ」と読みます。
「大事に至らず」の使い方と例文
「大事に至らず」は怪我や風邪など病気によく使う
「大事に至らず」は、怪我や風邪などの病気に対して用いられることが多いです。たとえば、交通事故にあったものの軽い怪我で済んだ場合や、急に倒れて救急車で運ばれたがただの貧血だったというような場合は「大事に至らずに済んだ」と表現できます。
「大事に至らず何よりです」とお見舞いメールに使う
「大事に至らず何よりです」は「大したことなくてよかったです、深刻な事態にならずにこちらも嬉しいです」という意味です。病気やケガが順調に回復している、と報告を受けた場合に使える表現で、安堵する気持ちも伝えることができます。
「大事に至らず何よりでございます」のような言い回しや、前後の文章に敬語表現を使うとより丁寧な印象になるでしょう。
- 事故にあわれたと聞いて心配しておりました。幸い、大事に至らず何よりです。
- 順調にご快復とのこと、大事に至らず何よりでございます。
「大事に至らずよかったです」はややフランクな表現
「大事に至らず何よりです」よりフランクな言い回しでは、「大事に至らずよかったです(大事に至らず良かったです)」ということもできます。口語表現としてよく使う表現で、「大事に至らず良かったですね」とするとより柔らかい印象になるでしょう。
「大事に至らず」のビジネスでの使い方とは
「大事に至らず」はビジネスシーンでもよく使う
「大事に至らず」は、病気に限らずビジネスシーンで起こったトラブルに使うこともできます。たとえば、ミスをしたが先輩の機転でトラブルを回避できた場合や、前倒しで作業していたから突然の停電でパソコンが使えなくても問題なかったなどです。
- 初めての現場でミスしてしまったが、先輩のフォローで大事に至らずにすんだ
- 会社が突然停電になったが、作業を前倒しで進めていたから大事に至らず助かった
「大事に至らずに済みました」と目上の人に報告する
「大変な状況にはならずに済んだ」というニュアンスを上司や目上の人に報告することがあります。その場合、「大事に至らずに済みました」という表現を使うことが多いでしょう。
- 先日は急にお休みをいただいてすみませんでした。おかげさまで大事に至らずに済みました。
- A社の件ですが、○○さんの手助けもあって大事に至らずに済みました。お騒がせいたしました。
「大事に至らず」の類語とは
「大事に至らず」の類語は「大事にならず」
「大事に至らず」と似た表現として「大事にならず」があります。「大事にならず」とは、「致命的な状況にならずに」と大変な状況を避けられたことを表します。
「大事に至らずに済んだ」は「大事にならずに済んだ」と言い換えることが可能です。なお「大事にならず」は「おおごとにならず」と読むのがポイントです。
「大したことにならず」も似た意味の表現
似た意味の表現では「大したことにならず」も挙げられます。実際の害がそれほど大きくなく、軽微におさまったという意味で「大したことにならずに済んだ」などと使用することがあります。
「大事に至らず」の英語訳とは
「大事に至らずに済んだ」は「didn’t get serious」
「大事に至らずに済んだ」は、英語では「It didn’t get serious」と表現します。「serious」は「重大な、重篤な」といった意味です。また「It was nothing serious.」と英語訳する例もあります。
「大事に至らず何よりです」の英語例文
「大事に至らず何よりです」と相手の状況を喜ぶニュアンスを出したい場合、文頭に「I’m glad」をつけた英語表現がよいでしょう。
また「大丈夫でよかったです」「無事でよかったです」というニュアンスでは、「I’m glad you’re okay.」といったシンプルなフレーズも使えます。
I’m glad it was nothing serious.
大事に至らず何よりです
まとめ
「大事に至らず」とは「重大な問題にならず、深刻な状況にならず」という意味です。「大事に至らずに済みました」と報告するほか、「大事に至らずよかったです」など安堵する際によく用いられます。類語に「大事にならず」という表現を上げましたが、こちらは「おおごとにならず」と読む点がポイントです。「大事に至らず(だいじにいたらず)」とは読み方が違うので注意してください。