「懐疑」の意味と使い方は?「猜疑」との違いや類語・対義語も

物事の見方を「懐疑的だ」「懐疑する」と表現することがありますが、この「懐疑」とはそもそもどういった意味を持つのでしょう。「懐疑」の意味、読み方をはじめ、「懐疑心」などの使い方を例文で解説します。また「猜疑」との違いなど類語対義語や英語訳についても触れています。

「懐疑」の意味とは

「懐疑」とは「疑いをもつこと」という意味

「懐疑」とは「疑いをもつこと」を意味します。意味や価値、見解など幅広い対象について「疑いをもつこと、疑うこと」を指して「懐疑」と言います。

「懐疑」の読み方は「かいぎ」

「懐疑」は「かいぎ」と読みます。「懐」という字は「なつかしい」という意味でよく使用しますが、「おもう、おもい」という意味も持ちます。

「懐疑」は「うたがわしくおもう」と下の字が上の字を修飾する形で成り立つ熟語です。

「懐疑」の使い方と例文

「懐疑的」とは疑う様、否定的な態度を示す

「懐疑的」とはある物事や概念などに疑いを持っていることを表します。たとえば「○○に懐疑的だ」というと(○○に対して)批判的な見方、否定的な考えであることが伺えます。

例文
  • ○○の開発に関しては私は懐疑的だ。
  • 矛盾の多い担当者の説明に早くも部長は懐疑的な姿勢を示している。

「懐疑する」は「疑いをもつ」の意味に

「懐疑する」とは「疑いをもつ」という意味です。端的に「疑う」という意味で「懐疑する」と用いられる例もあります。

例文

懐疑することで真実が見えることもある。

なお、「懐疑する」ではなく名詞として「懐疑」と使う例もあり、たとえば「懐疑の目を持つ」と使っても「疑いを持つ、疑う視点を持つ」といったニュアンスになります。

「懐疑心」とは「疑う心、信用できない気持ち」

「懐疑心」とは「何かを疑う心、信用できない気持ち」を意味します。たとえば「懐疑心を持つ」などの表現が可能です。また「懐疑心の塊」と使うと、「過度に懐疑的な様、何もかも疑ってかかるような様」といった意味合いにとることができるでしょう。

例文

彼女は懐疑心の塊だから誤解を招くことは避けた方がよい。

適正検査における「懐疑思考性」とは

入社試験などで用いられる適性検査では「懐疑思考性」という項目があります。この「懐疑思考性」とは物事の前提や他者の助言に対して疑いの目を持つか、それともすぐに信じるかという傾向を表すものです。

「懐疑思考性」が高い人は警戒心が強く、論理的な人が多いものの、素直に受け入れられないというマイナス要素を含みます。一方で、「懐疑思考性」が低い人は素直な性格で同僚・上司にとっても働きやすいのが特徴であると同時に、想定外の事態には弱いというマイナス要素を含むと言われます。

どちらも良い悪いというよりは、その傾向を理解し、うまく活用することでメリットにもデメリットにもなるものです。

「懐疑派」とは哲学用語のひとつ

「懐疑派」とは哲学における「懐疑論」の考えに立つ思想家のことです。「懐疑論」とは人間の認識力は不確実なものであり、客観的・普遍的真理の可能性をうたがい、判断を差し控える態度や立場を指します。「懐疑派」の人物では、フランスの哲学者「モンテーニュ」が有名です。

「懐疑」の類語とは

「懐疑する」の類語は「疑る」「訝しむ」など

「懐疑する」と似た意味の語では「疑る(うたぐる)」や「訝しむ(いぶかしむ」が挙げられます。「疑る」には「うたがう、怪しいと思う」という意味があります。「訝しむ」もまた同様の意味があり、「怪しいと思う、疑わしく思う、不審に思う」などの意味を持ちます。

「猜疑」もまた「疑う」という意味を含む語

「猜疑(さいぎ)」とは「人の言動を素直に受け取らず、妬んだり疑ったりすること」という意味です。相手の言動に対して何か企みがあるのではないかと疑うことを「猜疑」といいます。たとえば「懐疑心」が「疑う心」であれば、これに嫉妬の感情が乗ったものを「猜疑心」ということができるでしょう。

また、この「猜疑」は主に人に対して用いる点、また自分の利害にからむ事柄に使うのが特徴です。それに対し「懐疑」は人に限らず概念など幅広い対象に使える点で異なります。

「懐疑」の対義語とは

「懐疑」の対義語は「盲信」

「懐疑」の対義語は「盲信」です。「盲信(もうしん)」とは「疑いもせず、ただただひたすらに信じること」という意味です。何か根拠があるわけではなく、訳も分からずに信じ込む、理由もなく信じるという意味を持ちます。

「懐疑する」と反対の意味は「確信する」

「懐疑する」と反対の意味の表現では「確信する」も挙げられます。「確信する」とは「確かにそうだと自分の判断や予測を信じること」という意味です。「疑いの気持ちを持つ」という意味の「懐疑する」とは異なり、「信じる」というニュアンスを持ちます。

「懐疑」の英語訳とは

「懐疑」は英語では「mistrustful」「skeptical」

「懐疑」を意味する英単語では「mistrustful」や「skeptical」が挙げられます。「mistrustful」は「疑い深い、信用しない」という意味の英単語で、「trust(信用)」に否定の意味を持つ接頭辞をつけた単語です。一方「skeptical」もまた「疑い深い」や「懐疑的な」という意味を持ちます。

また「疑いの気持ちを持っている」という意味では「have doubts about~」といった英訳も可能です。

「懐疑」の英文例

  • We are mistrustful of the government.(我々は政府には懐疑的な姿勢です)
  • The public is skeptical about the police.(国民は警察に対して懐疑的だ)
  • He had some doubts about the government.(彼は政府に対して懐疑的だった)

まとめ

「懐疑(かいぎ)」とは端的に言うと「疑いの気持ちを持つこと、疑うこと」を意味します。「~に対して懐疑的だ」と使うと「~に対して疑いの気持ちを持っている」という意味になり、否定的だったり批判的だったりする姿勢を表す言い回しになります。

「猜疑」と似た意味を持ちますが、「猜疑」は嫉妬や妬みといった感情が加わるなど「懐疑」とは若干ニュアンスが異なる点に注意が必要です。