「リクルーター」とは人事用語のひとつで、特に応募者と連絡を密に取り合うスタッフや人事部以外で採用に関わるスタッフを意味します。この「リクルーター」の詳しい仕事内容や「リクルーター制度」について解説しましょう。リクルーターになるには?リクルーターに選ばれる人とは?といった疑問にも答えます。
「リクルーター」とは
「学生とコンタクトをとる採用担当社員」を意味する
「リクルーター」とは主に「学生とコンタクトをとる採用担当社員」を意味する人事用語です。採用活動を行う人事部スタッフの場合もありますが、社内のあらゆる部門から採用担当スタッフとして選ばれた人を「リクルーター」と呼ぶことが多いです。
特に新卒採用において、募集や採用活動のサポート役・調整役を担うのが「リクルーター」で、その権限や役割は企業によって異なります。中途採用で「リクルーター」を導入する企業もあります。
英語「recruiter」に由来、ただし意味は異なる
「リクルーター」というカタカナ表現は英単語の「recruiter」に由来します。「recruiter」の読みをそのまま使ったのが「リクルーター」ですが、英単語としては広く「採用担当者、(人材を)募集する人」を意味する点で少しニュアンスが異なります。
「リクルーター制度」とは
「リクルーター制度」はリクルーターを活用した採用
「リクルーター制度」とは採用シーンで「リクルーター」を活用する一連の制度を指します。もう少し詳しく言うと、自社の従業員から「リクルーター」を選び、その「リクルーター」と呼ばれる社員が採用面接や応募者のフォローなどといった採用活動をすることを意味します。
「リクルーター制度」の最終的な目的は優秀な人材を獲得することで、そのためにも「リクルーター」を使って集客や選考、囲い込みが行われます。
「リクルーターがつく」とは「リクルーター制度を適用すること」
「リクルーターがつく」とはその採用活動に「リクルーター制度を適用し、リクルーターを使った採用活動を行うこと」を意味します。大学に対して「リクルーターがつく」「リクルーターをつける」という言い回しをすることもあります。
「リクルーター」の付け方は学歴基準・従業員の出身校など様々
「リクルーター」をどの大学につけるかは学歴を基準とするケース、従業員の出身大学を対象とするケースなどがあります。単に高学歴というだけでなく、自社のターゲット層となるような学生が多いかどうかも基準となるでしょう。
「リクルーター」の仕事内容・報酬は?
「リクルーター面談」をする
「リクルーター」の仕事でメインとなるのが「リクルーター面談」です。カフェなどでフランクな雰囲気で行われることもありますが、選考の一種です。一次面接と同等に扱い、選考の初期段階で実施する企業もあれば、ある程度選考に進んだ学生に実施する例もあります。
大学の就活イベント、研究室訪問でスカウト
「リクルーター」は学内での就活セミナーや企業説明会に出向いて、企業が求める人材の発掘(スカウト)を行うのも仕事のひとつです。特に「リクルーター」が自身の出身大学にOBOGとして出向くことが多く、ゼミ生などに対して個別に説明会を開くこともあります。OBOG訪問として面会した学生を評価することも多いでしょう。
就活生とコンタクトを取りフォロー、囲い込む
上記のイベントなどで出会った学生とはコンスタントに連絡を取り、企業としてより興味を持ってもらえるようフォローを行います。自社の採用試験に限らず一般的な質問に答えることもありますが、自社の魅力を伝え入社したいと思う学生を増やし囲い込むのが大きな狙いです。
給料に報酬が追加されるわけではない
「リクルーター」としての活動は長期にわたることも多いですが、一般に「リクルーター」を任されたからといって特別な手当が出ることは少ないです。企業の任務としての妥当性がない場合は休日出勤手当が支払われないこともあります。
「リクルーター」になるには?
「リクルーター」に選ばれる人は若手社員が多い
「リクルーター」に選ばれるのは、学生と年齢が近い社員が多いです。特に親しみやすさを強調したい場合は若手社員を選ぶ傾向にありますが、業務の具体的な説明やその説得力を求めるなら中堅の社員を、優秀層により確実にアピールする意味で管理職クラスを選ぶケースもあります。また必ずしも大学OBに限定せず、学生が魅力的に感じるような優秀な社員が選ばれます。
「リクルーター」の質は企業の評価にもつながる
「リクルーター」を選ぶ上でのポイントは学生に的確なアピールができるかどうかに加え、マイナスな言動をしないことです。たとえば、学生への連絡がしつこい、マイナスな査定を匂わすような発言をする、セクハラまがいの言動をするなどといった社員は当然ながら「リクルーター」にはふさわしくありません。
「リクルーター面談」で学生が気を付けること
服装や質問など面接同等の準備を
「リクルーター面談」は企業側はカジュアルでラフな雰囲気で応募者の本音を探ろうとしますが、あくまでも選考の一過程であることを忘れてはいけません。礼儀やマナーはもちろん、服装や回答、質問の準備も面接と同程度にしておいた方がよいでしょう。
お礼メールの文例
「リクルーター面談」の後はお礼のメールを送るのが通例です。そう長いメールでなくても、感謝の気持ちと面談での学び、今後の抱負などが書いてあれば問題ありません。必ず、面談当日のうちに送りましょう。
お礼メールに返信が来たら?
「リクルーター面談」のお礼のメールを送ると、「リクルーター」から返信をもらうことがあります。この返信メールにも、簡潔な内容のメールを返すとよいでしょう。ケースバイケースではありますが、自分から送ったメールは自分で終わらせるようにするとまず失礼には当たりません。
件名:Re:本日の面談のお礼[△△大学 ○○ ○○]
株式会社○○
**様
お世話になっております。△△大学 ○○ ○○です。
お忙しい中返信をいただきありがとうございます。
今後もご相談させていただく機会があるかと存じますが、
その際はご指導のほどどうぞよろしくお願いいたします。
まとめ
「リクルーター」とは採用活動にあたるスタッフを指します。特に新卒採用の現場では学生とコンタクトをとるスタッフを指すことが多く、「リクルーター面談」として選考を担ったり、優秀な学生獲得のために大学に出向いてスカウトを行ったりするのが主な業務です。
いわゆる若手社員のイメージが強い「リクルーター」ですが、業務や企業の説明に説得力を持たせる意味で中堅以上の従業員を当てることもあります。学生にどうアピールするかによって異なる「リクルーター」を用意するのも戦略です。
件名:本日の面談のお礼[△△大学 ○○ ○○]
株式会社○○
**様
お世話になっております。△△大学 ○○ ○○です。
本日はお忙しい中、面談の機会を頂きまして誠にありがとうございました。
**様のお話を伺うことで不安な思いが解消でき、貴社で働きたいという思いが一層高まりました。
頂いたアドバイスをもとにさらに自己分析や将来について考えたいと思います。
本日は貴重なお時間を頂きましたこと、重ねて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
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