「感心」の意味とは?目上の人にも使える類語・使い方を解説

「友人の行動には感心する」という時に使う「感心」はビジネスシーンでも用いることのできる表現です。ただし、使い方によっては失礼に当たることもあります。「感心」の詳しい意味と、使い方について解説します。目上の人にも使える言い回しもぜひ参考にしてみてください。

「感心」の意味、「関心」との違い

言葉を正しく使うには、まず正しい意味をおさえる必要があります。「感心」には、主に3つの意味があります。

「感心/感心する」の意味は「感動する」「心動かされる」

「感心」の意味は、「感動する」「心動かされる」です。たとえば、「素晴らしいプレゼンテーションに感心した」とは、「プレゼンテーションが非常に素晴らしく感動した」意味になります。

「感動する」「心動かされる」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、単に「すごい」「すばらしい」というニュアンスでも使用できる表現です。

「感心」がもつ意外な意味は皮肉を込めた表現がある

「感心」には、褒め称えるような意味がある一方で、皮肉を込めた表現として使われることもあります。たとえば、「君の図々しさにはほとほと感心する」というと、「あまりに図々しく呆れてしまう」という意味です。

「関心」とは「物事への興味」

「感心」と同じ音の言葉に「関心」という単語があります。似ているようですが、「関心」とは物事への「興味」のことです。「関心する」とは言わず、「関心がある」という言い方をします。

メールや文書ではくれぐれも誤字に気を付けましょう。

「感心」は目上の人に使える?

「感心しました」という表現は、ビジネスでも見聞きしますが、上司や取引先など目上の人には使えるのでしょうか。

目上の人に「感心」は使わないのがベター

「感心しました」は、目上の人に使うのは避けたい表現です。「感心する」という言葉には、暗に「評価する」というニュアンスが含まれるためです。単に「感動した」というのではなく、「感動に値するものと評価した」といったニュアンスが含まれます。そのため、目上の人は避け、同僚あるいは後輩・部下に使用するのが適切です。

また、場合によっては「呆れた」という皮肉めいた意味ととらえられることもあります。目上の人には使わないのが無難です。

「感心」の使い方

「感心」は実際の会話ではどう使えばよいのでしょう。使い方を紹介します。

「感心した」「感心させられた」が一般的

「感心」という言葉は、「素晴らしい演奏に感心した」や「子どもの目を見張る成長に感心させられた」という使い方が一般的です。感動した・心動かされたという意味で使われています。

「感心な人」という言い方も可

「感心」は、「誰にでも親切で感心な人」や「気配り上手の感心な後輩」というように、感心な○○という使い方も可能です。この場合は、素晴らしい人・褒められるに値する人といったニュアンスになります。

「馬鹿さ加減に感心する」は「呆れる」の意味

先述したように、「感心」には、驚き呆れるという意味もあります。「馬鹿さ加減に感心する」とした場合には、「呆れるほどの馬鹿さ加減」という意味です。「困り果てる」というニュアンスでも使われます。

また、「君の真面目さに感心するよ」と言うと、「真面目で素晴らしい」ともとれますが、「呆れた」という意味で「まじめすぎて融通が利かない」という皮肉にも聞こえます。誤解を防ぐには、適宜言い換えるのがおすすめです。

「感心しない」は批判的なニュアンスに

「呆れる」という意味以外にも、否定的・批判的なニュアンスで使われることがあります。例えば、「そのやり方は感心しない」というと、賛同できない・良い案とは思えないという意味です。

また、「内容には感心していない」というと、「内容には満足していない」「評価に値しない」といったニュアンスとなります。仕事で「感心はできない」と言われたら、合格ラインに達していないのだと認識しましょう。

「感心」の類語と英語表現

「感動する」と「呆れる」の両極端な意味を持つ「感心」という言葉は、言い換えた方が相手に正しい意味が伝わることもあります。目上の人にも使える表現を紹介します。

「感心」の類語は「感銘」「感動」など

「感心」の類語は、感銘・感動・敬服などがあります。

「感銘」とは、深く感じ心動かすことです。「感銘を受ける」という使い方をするのが特徴で、「部長の交渉力に感銘を受けました」という風に使います。

「敬服」は、敬って従うという意味があり、「感心」に尊敬の念が加わったというイメージでよいでしょう。たとえば、「先生のご活躍には敬服しております」というように、使うことができます。

「感心」言い換え表現は「素晴らしいご活躍を伺っています」

「感心」という言葉を言い換えるのであれば、その時の思いをストレートに口にするのもひとつの方法です。たとえば、「部長の営業姿勢は勉強になる点ばかりで尊敬しています」「○○様の素晴らしいご活躍を伺っています」などといった表現は、此方の気持ちも伝わりやすく、また失礼にも当たることはありません。

「感心」の英語表現は「I was impressed」「It was impressive」

英語で「感心した」という場合は、「I was impressed」「It was impressive」を使います。「impress」は、印象を与える・感動させるという意味があり、強い印象を受けた・感銘を受けたという場合に使われています。

また、「admire」という単語も称賛する・敬服するという意味です。「I admire him greatly(彼を深く敬服する)」という風に使用することができます。

まとめ

「感心した」という言葉には、「感動」という意味と「驚き呆れた」という異なる意味があります。感動したという肯定的な意味でも、評価するというニュアンスが入るため、目上の人には使わないのがベターです。また、会話の流れで誤解を生みそうな場合にも、適宜言い換えるのがおすすめです。言い換え・類語表現もぜひ参考にしてみてください。