「面目」の意味と使い方とは?「面目ない」や四字熟語と類語も解説

「本当に面目ない」「面目をつぶす」「面目を失う」「面目を保つ」など、「面目」の後にはあらゆる言葉が続きます。本記事では「面目」の意味をはじめ、その使い方を様々な言い回し・例文で詳しく解説します。また「面目」から始まる四字熟語や類語、英語訳などの関連用語も併せて紹介しましょう。

「面目」の意味とは

「面目」とは「周囲に対する体裁、名誉」の意味

「面目」とは「世間や周囲に対する体裁、体面、名誉」「世間からの評価」という意味です。また「物事の有り様、様子」という意味もあります。

一般には、ひとつめの「体裁、名誉」というニュアンスで用いられることが多く、周囲の目に映る自分を指します。

読み方は「めんぼく」古語では「めいぼく」とも

「面目」は「めんぼく」あるいは「めんもく」と読みます。一般には「めんぼく」という読みで広く用いられます。また、古語として使用する場合は「めいぼく」と読まれることもあります。

「面目ない」の表現で使われることが多い

「面目」は「面目ない」の形でしばしば用いられます。面目ないとは、わかりやすく言うと「顔向けできない、会わせる顔がない」と恥ずかしさや申し訳なさを表します。「面目ないです」のほか「面目次第もありません」としても同じ意味です。

例文
  • こんなことで手を煩わせてしまい面目ない限りです
  • お恥ずかしいところをお見せしてしまい面目次第もありません

「面目」の使い方と例文

「面目が立たない」とは世間への体裁が汚される様

「面目が立たない」とは、体裁や自らの誇りが汚される様を意味します。たとえば、名誉が傷つけられる、体裁が守れないといったニュアンスです。

例文

このままでは、私の面目が立たない。

「面目を失う」とは自分の評価に傷をつけること

「面目を失う」とは「自分の評価や立場に傷がつくこと」という意味です。自分のミスや言動が原因で評価を下げてしまった場合などに使用します。

例文

ビジネスではほんの些細なミスで、面目を失うことがある。

「面目をつぶす」とは相手の評価を落とすこと

一方、相手の評価に傷をつけることは「面目をつぶす」といいます。たとえば自分のミスでAさんの評価に傷をつけ、Aさんの評価を下げてしまった場合は「Aさんの面目をつぶしてしまった」と表現することできます。Aさんの言動が自分の評価を傷つけた、という場合は「Aさんに面目をつぶされた」という言い回しが可能です。

例文

この取引先は社長の古い友人らしい。とにかく社長の面目をつぶさないようにしなければ…。

「面目を保つ」とは立場や評価を維持する様

「面目を保つ」は「世間体を保つ」と似たニュアンスで、立場や評価が保たれることを意味します。同様の意味を持つ言い回しでは「面目が立つ」も挙げられます。ギリギリとはいえ一定の評価が得られた場合や何とかうまくいった様を指す表現です。

例文

急ごしらえではあったが、何とか先輩としての面目を保てたのではないだろうか。

「面目を施す」とは名誉を得ること

「面目を施す(ほどこす)」とは何か立派な言動をして、評価を高めたり名誉を得たりすることを意味します。

例文
  • 上司としての面目を施すべく、トラブル対応に手を差し伸べた
  • このプロジェクトで面目を施したのは言うまでもなく彼だろう

「面目」を使った四字熟語

「面目躍如」とは実力を発揮し生き生きとする様

「面目躍如」とは「その人らしさ、その人の実力がよく発揮されていること」や「評価に値する活躍をし生き生きとする様」といった意味の四字熟語です。「面目躍如」と書いて「めんもくやくじょ」と読みます。

「面目一新」とは一転して高い評価を得ること

「面目一新(めんもくいっしん)」とは「面目を一新すること」つまり「世間からの評価が一新され、それまでとは異なる高い評価を得ること」という意味です。「評価が良い方向へと大きく変わる」という意味だけでなく、単に「外見や内容が全く新しく変わること」という意味もあります。

そのため、たとえば「面目一新して人気を集めている」は”見た目が変わり人気になった”とも、”評価が一新され人気を集めている”と2通りの意味にとることができるでしょう。

「面目」の類語とは

「面目」の類語は「体面」「世間体」

「面目」の類語では「体面」や「世間体」が挙げられます。「体面(たいめん)」も「世間体(せけんてい)」も「世間や周囲に対する体裁」という意味です。

たとえば、「面目を保つ」は「体面を保つ」「世間体を保つ」と言い換えることができます。

「面目ない」の類語は「申し訳が立たない」

「面目ない」はミスなどを恥ずかしく思い相手に顔向けができない、申し訳ないと思う様を表しますが、その意味では「申し訳が立たない」が類義表現として挙げられます。「申し訳が立たない」とは「弁解の言葉が見つからないこと」「良くないことをして、恥ずかしさを感じる様」という意味です。

また「面目次第もありません」と、相手に直接詫びるニュアンスで使う場合の「面目ない」は、「申し訳ない」「申し訳ございません」と言い換えることも可能です。

「面目」の英語訳とは

「面目」の英語訳には「face」を使う

「face」は「顔」という意味の英単語であることはよく知られていますが、この「face」は比喩的に「面目」の英語訳として使うことができます。たとえば「面目を失う」は「lose face」、「面目を保つ」は「save face」といった英語訳が可能です。

一方「不名誉」という意味を持つ「disgrace」を使用した英訳例もあります。「disgrace」は動詞として、「面目を失う」「面目をつぶす」という意味で使用でき、「disgrace oneself」でも「面目を失う」というニュアンスを出すことができます。

「ashamed」を使った英語訳も

「面目ない」を英語訳する際には「I am ashamed of」という表現が使用できます。直訳すると「恥ずかしいです」という意味で、「I am ashamed of myself.」で「面目ないです、面目次第もありません」という和訳になります。

まとめ

「面目」とは「周囲に対する体裁、名誉、世間体」という意味があります。自分の行いを恥じ、顔向けができない、申し訳ないと思う様を指して「面目ない」の形で用いられます。

他にも「面目を保つ」「面目を失う」「面目をつぶす」など、さまざまな言い回しでも使用されます。基本的には「体裁、名誉」というニュアンスを覚えておけば応用が効くでしょう。